碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

ラジオのこと、radiko(ラジコ)のこと

2020年06月30日 | 「日経MJ」連載中のCMコラム

 

 

radiko「その音は、」編

選曲手間いらず ふと感じる郷愁

 

中学1年生だった1967年、「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)や「パック・イン・ミュージック」(TBS)などラジオの深夜放送が始まった。

ただし信州在住の少年は聴くのが大変で、東京の電波をキャッチしようとラジオのダイヤルを必死で調整したものだ。ノイズの向こうから、亀渕昭信さんの声や、野沢那智さんと白石冬美さんの掛け合いが流れてくると無性に嬉しかった。

そんなラジオファンにとって、radiko(ラジコ)の出現は事件だった。全国のラジオ番組を、いつでもクリアな音で聴くことが可能になったのだ。

しかも今は気になった番組を共有できる「シェア機能」があり、「スマートスピーカー対応」にもなっている。イヤホンをしてカフェで聴く女性(村上穂乃佳さん)。台所で洗い物をしながら聴いている女性(山口尚美さん)。聴き方も自由だ。

その一方で、深夜にチューナーと格闘していた時代を時々懐かしく思う自分がいたりして、我ながらおかしい。

(日経MJ「CM裏表」2020.06.29)

 


言葉の備忘録165 スポーツ・カーを・・・

2020年06月29日 | 言葉の備忘録

Porsche 356 B Carrera 2

 

 

 

スポーツ・カーを運転するときには

できるだけブレーキを踏まない、

ということが原則である。

スピードを落とすときは、

ギアを低い方へ一段か二段

シフト・ダウンして減速する。

これは、

なにがなんでも、

そうでなければならないのだ。

基本というものである。

 

 

伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』

 

 


女性セブンで、「再放送できない名作ドラマ」について解説

2020年06月28日 | メディアでのコメント・論評

 

 

再放送できない名作ドラマ 

事故や事件に発展した封印作品も

 

新型コロナウイルスの感染拡大のため、ドラマの撮影が中止・延期となり、テレビ各局は過去の名作を再放送し、好評を博した。しかし、内容が今の時代に合わなかったり、過激な表現があったりなどして、再放送ができない人気作も少なくない。

たとえば、凄惨ないじめが描かれた安達祐実(38)主演の『家なき子』(日本テレビ系/1994年)や、女子高生(桜井幸子)と教師(真田広之)の禁断の愛を描く『高校教師』(TBS系/1993年)などがそれにあたる。

◆よからぬ影響で事件に発展

一方で、内容も描写も問題なくても、再放送不可のドラマがある。たとえば『1リットルの涙』(フジテレビ系/2005年)。

同作で数々の賞を受賞した主演の沢尻エリカ(34才)が、昨年11月に麻薬取締法違反の容疑で逮捕された。その後、有罪判決を受けたことで、再放送が厳しくなっている。

「実話に基づき、難病と闘う少女と家族の絆を描いていて、時が経っても色あせない内容だけに、封印されてしまうのは非常に残念です。沢尻さんが出演していることで、山田孝之さん(36才)が主演の『タイヨウのうた』(TBS系/2006年)も再放送できません」(メディア文化評論家の碓井広義さん)

松嶋菜々子(46才)主演の『やまとなでしこ』(フジテレビ系/2000年)は、最高視聴率34.2%を記録し、「ラブコメディーの金字塔」と評価されている。

松嶋は、富裕な男性との出会いを夢見るキャビンアテンダントを好演。人気女優としての地位を確立した出世作だが、共演者の押尾学(42才)が2009年に麻薬取締法違反で逮捕されたことで、再び日の目を見ることはなさそうだ。

「押尾さんは主演ではないものの、物語に欠かせない主要キャストです。そのため、再編集でどうにかできるというポジションではありません。押尾さんが重要な役を演じる江角マキコさん(53才)主演の『ラブレボリューション』(フジテレビ系/2001年)も、同様です」(碓井さん)

さらには、現実の事件や事故が過去の人気作品を闇に葬ることもある。

『ギフト』(フジテレビ系/1997年)は、木村拓哉(47才)が記憶障害を持つ男を演じたサスペンスドラマ。

前年に『ロングバケーション』(フジテレビ系/1996年)に主演していた木村が新境地に挑んだ作品で、木村をサポートする犯罪マニア役を忌野清志郎さん(享年58)が演じ、緒形拳さん(享年71)や桃井かおり(69才)がゲスト出演するなど豪華キャストも話題を呼んでいた。

「放送の翌年に、栃木県で男子中学生がバタフライナイフで女性教諭を刺殺する事件が起こったのですが、その少年が『ギフト』に影響を受けたと供述しました。青少年に悪影響を及ぼすとして、再放送できなくなってしまいました」(碓井さん)

草なぎ剛(45才)が主演し「おれの胃袋は宇宙だ!」というせりふが印象的な『フードファイト』(日本テレビ系/2000年)は、文字通り、大食いや早食いを競技とするフードファイトをテーマにしたドラマ。

ストーリーもさることながら、料理がどれもおいしそうで、元祖“飯テロ”ドラマとも評されている。

スペシャル版が作られるほど人気だったが、放送から2年後に給食の早食い競争をした中学生が死亡する事故が起きたため、早食い番組と並んで封印されることになった。

高視聴率を残した名作ドラマでも、さまざまな理由で二度と放送されない――。見られないとなると、余計に見たくなってしまう。

(女性セブン2020年7月9日号)

 


言葉の備忘録164 正解の・・・

2020年06月27日 | 言葉の備忘録

YOKOHAMA 2020

 

 

 

正解の道を

選ぶんじゃなくて、

選んだ道を

正解にしてゆくのだよ!!

 

 

くれよんカンパニー『世界は半分になった』第4話

         (ビッグコミックオリジナル)

 

 


【気まぐれ写真館】 みちまるくん

2020年06月26日 | 気まぐれ写真館

「NEXCO中日本」オリジナルキャラクター みちまるくん


「BG」主人公の緊張感を木村拓哉が抑えた演技で体現

2020年06月25日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

「BG~身辺警護人~」

主人公・島崎の緊張感を

木村拓哉が抑えた演技で体現

 

ようやく始まった、木村拓哉主演「BG~身辺警護人~」。

2年前の第1シーズンとの最大の違いは、主人公の島崎章(木村)が警備会社という組織を離れたことだ。いわばフリーランスのBG(ボディーガード)である。

最初の依頼人は業務上過失致死罪で服役していた、元大学講師の松野信介(青木崇高)だ。

研究員の伊丹綾子(竹島由夏)が窒息死した事故の責任を問われた松野。出所後は、迷惑をかけた教授(神保悟志)に謝罪するために大学へ行くので、警護して欲しいと言う。

実は綾子の死には隠された真相があった。島崎は的確なガードを続けながら、松野の言動にも注意を怠らない。キレのいい動きと鋭い観察眼。

チームから個人へと変わったことで生じる島崎の緊張感を、木村が抑制の利いた演技で体現していた。

前シーズンでは警護する相手が政財界のVIPに限られていたため、物語がやや類型的になりがちだった。しかし今回は対象者の幅が広がり、その心配はないはずだ。

また今シーズンから登場した面々も、そのヒトクセ感がいい。

利益のためには手段を選ばないIT系総合企業社長、劉光明(仲村トオル)。その劉の下で、島崎の元同僚たちを管理する小俣健三(勝村政信)などだ。

さらに、ずっと対立してきた高梨雅也(斎藤工)が島崎の相棒、いやパートナーになりそうで、このあたりも見どころだ。

(日刊ゲンダイ「テレビ 見るべきものは!!」2020.06.24


言葉の備忘録163 茫然・・・

2020年06月24日 | 言葉の備忘録

 

 

 

茫然たる事多事(ぼうぜんたることたじ)。

 

夏目漱石 『草枕』

 

 


【書評した本】 『映画講義 ロマンティック・コメディ』

2020年06月23日 | 書評した本たち

 

 

週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。

 

瀬川裕司

『映画講義 ロマンティック・コメディ』

平凡社新書 1012円

 

新型コロナウイルスの影響もあり、家で映画の旧作を観る機会が増えている。手持ちのDVDだけでなく、NetflixやHuluなど動画配信サービスの利用も多い。

瀬川裕司『映画講義 ロマンティック・コメディ』には、愛好してきた作品が何本も登場する。たとえばウディ・アレン『アニー・ホール』、ハーバート・ロス『グッバイガール』、そしてポール・マザースキー『結婚しない女』などだ。

公開されたのはいずれも70年代後半。「ナーヴァス・ロマンス」もしくは「ナーヴァス・コメディ」と呼ぶそうだ。恋愛喜劇の通史ともいうべき本書を読むと、その歴史的展開における位置や意味がよくわかる。

作り手たちは過去の名作を参照したり引用したりしながら、物語のゴールが「結婚」や「恋愛の成就」ではない恋愛映画を目指していたのだ。『結婚しない女』のジル・クレイバーグや『アニー・ホール』のダイアン・キートンは、新たな女性像を体現するミューズ(女神)となった。

さらに本書では、「身分ちがいの恋」をはじめとする物語のパターンを分析した上で、優れたロマンティック・コメディのつくりかたを探っていく。出会い、障害の浮上、選択と決断などが盛り込まれた物語構成。複雑な感情を持つ生身の人間としてのキャラクターも重要なポイントとなる。

読み進めて、記憶に残る作品の多くが女性を主人公にしたものであることに気づいた。やはり男は「消耗品」なのかもしれない。

(週刊新潮 2020.05.28号)

 


【気まぐれ写真館】 「父の日」のいただきもの

2020年06月22日 | 気まぐれ写真館

名前入り「特製ラベル」が、うれしいです

乾杯!


言葉の備忘録162 おいしい人生に・・・

2020年06月21日 | 言葉の備忘録

 

 

 

おいしい人生における

食材とは「知識」であり、

上手に料理する力は

「考える力」です。

 

 

出口治明『還暦からの底力』

 

 


再開を待ちたい、ちょっとクセになる「深夜ドラマ」

2020年06月20日 | 「ヤフー!ニュース」連載中のコラム

 

 

早く続きが見たい、再開を待ちたい、

ちょっとクセになる「深夜ドラマ」とは!?

 

放送開始の延期や制作中断が目立つ4月クールの連ドラ。中にはスタートしたものの、途中で止まってしまった作品もあります。

早く続きが見たい、再開を待ちたい、ちょっとクセになる「深夜ドラマ」とは!?


不倫という古くて新しいテーマに挑む

『ギルティ~この恋は罪ですか?~』

今期クールの連ドラの中で、最も早くスタートした一本が、木曜深夜の『ギルティ~この恋は罪ですか?~』(読売テレビ制作、日本テレビ系)でした。

ところが第3話まで放送したところで、突然の中断です。現在もまだ第4話が流れる日程は発表されていません。

このドラマ、ジャンルで言えば、バリバリの「不倫モノ」。ヒロインの荻野爽(新川優愛)は雑誌の編集者で、夫の一真(小池徹平)は広告会社に勤務しています。

爽は子どもが欲しいと思っているのですが、なぜか一真は受け入れてくれません。とはいえ、爽としては他に大きな不満もなく、一応平穏な結婚生活を送っていました。

しかしですねえ、この一真、アンジャッシュの渡部さんほどじゃありませんが、しっかり不倫してました。しかも、その相手が、爽の友人である瑠衣(中村ゆりか)であることを、爽が知ってしまいます。

えーと、瑠衣は2人が夫婦であることを知っており、一真は途中まで、瑠衣が「知っている」ことを、知りませんでした。やばいぞ、瑠衣!

そして実は爽自身も、高校時代の初恋の相手である秋山慶一(町田啓太)と、偶然ですが再会したりして。いえ、こちらのほうは、いきなり“恋の再燃”というわけではないのですが、当時、互いに好きなのに別れたという事情もあり、爽の気持ちは少しずつ揺れ始めます。

昨年、ロケバスの運転手さんとの結婚が話題となった新川さんは、生真面目な美人妻がピッタリ。また、「怖(こわ)カワイイ」とでも表現したい、小悪魔的な愛人を大胆に演じる中村さんもハマり役です。

この2人の“激突”を眺めるだけでも十分楽しめるのに、この先には、まだまだ危ない仕掛けが用意されているようです。

たとえば、爽の高校時代からの親友、若菜(筧美和子)。さらに秋山の妻、美和子(徳永えり)。どちらも、かなりの「ワケあり感」を漂わせており、爽や秋山の運命を、大いに左右する存在になりそうなのです。

新川、中村、筧、そして徳永。今後も、この4人の女性が物語を引っぱっていくことは間違いない。男どもは、村上龍さんの本のタイトルで『すべての男は消耗品である』というのがありましたが、彼女たちの手のひらの上で踊る小人(こびと)なのかもしれません。

何はともあれ、早く4話以降が見たいものです。


他者との距離ではなく、「距離感」が秀逸

『レンタルなんもしない人』

そして、もう1本、再開を待ちたいドラマが、水曜深夜の『レンタルなんもしない人』(テレビ東京系)です。第8話まで放送した時点で、止まってしまいました。

このドラマの主人公、森山将太(増田貴久)の「なんもしない」は、家の中でボーッとしているという意味でありません。

たとえば、レンタルした人(依頼人)と一緒に、「一人では入りにくい店」に行く。また「ゲームの人数合わせ」にも応じます。今年はダメでしたが、「花見の場所取り」とかもOK。

つまり、特定の人ではなく、「誰か一人分」の存在が必要な時、気軽に利用できるサービスなのです。しかも交通費と飲食代以外は無料。ただし、このレンタルさんは、ごく簡単な受け答えしかしません。そこにいるだけ。なんもしない。

原作は、「実在のレンタルさん」が書いたノンフィクションです。ドラマでは、契約を切られた雑誌編集者(志田未来)から、故郷に帰る前の「東京最後の日」を一緒に過ごして欲しいと頼まれたりします。

また、仕事でトラブルを抱えて出社するのが怖いという青年(岡山天音)につき合って、会社の周囲を2人で歩き回ったり。誕生日を一人で迎えたくないという女子大生(福原遥)とは、彼女の部屋でケーキを食べることになったり。

報酬を得るのが目的のお仕事ではなく、あくまでも無料の「サービス」なのです。とはいえ、相手の事情には踏み込まないまま、「簡単な受け答え」をしてくれる人が目の前にいることで、利用者は自分の気持ちを整理できたりする。「特定の誰か」ではないからこその距離感が、逆に救いとなるんですね。

主演の増田貴久さんが、飄々というか、淡々というか、つかみどころのないレンタルさんとして、何ともいい味を醸し出しています。そして妻の沙紀を演じている比嘉愛未さんも、不思議な夫を支える、懐の深い女性を好演。これまた、ぜひゴールまでを見届けたいドラマになっているのです。

そうそう、他者との接触が禁忌となっている昨今、「実物のレンタルさん」は、どこで、どうしているのだろう。ちょっと気になります。


言葉の備忘録161 自分にとっては・・・

2020年06月20日 | 言葉の備忘録

 

 

 

自分にとっては、

マーブルの卓上におかれた

一杯のコーヒーは

自分のための哲学であり

宗教であり芸術でもあると

言ってもいいかもしれない。

 

 

寺田寅彦 『珈琲哲学序説』

 

 


【書評した本】  『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』

2020年06月19日 | 書評した本たち

 

 

激賞と酷評が併存する”ジョブズの師”の実像

柳田由紀子

『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』

集英社インターナショナル 2090

 

初めて入手したパソコンは、アップル「マッキントッシュ・プラス」だった。まだ個人用のコンピュータ自体が珍しかった80年代後半のことだ。

ある時からウィンドウズマシンへと移ったが、健気に動いていた四角い箱のようなプラスには愛着があり、今も部屋の片隅に残してある。

アップル社の共同創立者の一人であるスティーブ・ジョブズ。スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチが話題となったのは、癌との戦いを続けていた2005年だ。

「ハングリーであれ、愚直であれ」という彼の言葉には、意外性と同時にどこか納得するものがあった。「禅」との関係も、その時に知った。

ジョブズが亡くなったのは11年の秋。56歳だった。翌年、著者が翻訳した『ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ』が出版される。ジョブズが師と仰いだ日本の禅僧、乙川弘文との交流を描いたイラストブックだ。

ジョブズの深部に影響を与えたといわれる弘文の実像を求め、著者の長い旅が始まった。

本書には弘文を知る約30人が登場する。京大大学院時代の仲間、永平寺雲水時代の同期、渡米後に出会った何人もの弟子たち。そして元妻や娘もいる。

しかも彼らが語る”それぞれの弘文”には、「賢者」「超人」「天才」「卓越した洞察力」「純粋な人柄」といった激賞と、「未熟な少年」「非常識」「風来坊で自由気まま」「当てにならない人」などの酷評が併存しているのだ。

矛盾するようだが、どちらも弘文であることが分かってくる。「聡明なのに赤ん坊のように無垢」で、「善人も悪人も共に生かしころすことの出来る人間」。

その複雑さこそが弘文なのかもしれず、著者はジョブズの軌跡もたどりながら、彼がなぜ弘文に魅かれたのかを探っていく。

読後、アップル製品の特長であるミニマルで美しいデザインに、禅を重ねたくなる。弘文が生きていたら、ただ微笑むだけかもしれないが。

(週刊新潮 2020.06.08号)

 


ドラマ「M」 田中みな実の確信犯的キワモノぶり

2020年06月18日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

M 愛すべき人がいて

確信犯的 田中みな実の怪演

 

第3話で止まっていた「M 愛すべき人がいて」が先週、ようやく再開された。原作は浜崎あゆみのデビューから成功までの軌跡と、プロデューサーだったエイベックスの松浦勝人との恋愛模様を描いた、小松成美の同名小説。脚本を手掛けるのは鈴木おさむだ。

ヒロインのアユ(安斉かれん)とマサ(三浦翔平)を、そのまま浜崎と松浦だと思っている視聴者はいないだろう。しかし他の女性アーティストとのライバル関係やいじめ、社内の覇権争いなど、「それに近いことはあったかもね」と見る側が想像するのは自由だ。このドラマ、「確信犯的キワモノ」なのである。

そのキワモノ感を一身に背負うのがマサの秘書、姫野礼香(田中みな実)だ。「あしたのジョー」の丹下段平や、「宇宙海賊キャプテンハーロック」の主人公のように、男性の眼帯キャラは珍しくない。だが礼香の「右目の眼帯」には意表を突かれ、笑ってしまった。

しかも田中みな実の異様な存在感。「悪いクスリでもやってるんじゃないか」と心配したくなるトンデモ演技だが、そこは元アナウンサー、やけにセリフがはっきり聞き取れるのが悲しい。

先週、眼帯の秘密が明かされたが、マサへの執着が本格的に爆発するのはこれからだ。リアル浜崎もドラマのアユも吹き飛ばす「女優・田中みな実」。その怪演は誰も止められないか……。

(日刊ゲンダイ「テレビ 見るべきものは!!」2020.06.17)

 


言葉の備忘録160 チャンスってのは・・・

2020年06月17日 | 言葉の備忘録

 

 

 

チャンスってのは、大切にするもんだ。

それで人生、変ってくるんだ。

 

 

今野 敏『任侠シネマ』