碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

【気まぐれ写真館】 やるなあ、としまえん

2020年08月31日 | 気まぐれ写真館

大正15年の開園。31日に、94年の歴史に幕。

朝日新聞 見開き2面広告 2020.08.30


気鋭の女優たちがCMで見せる「今年の夏」

2020年08月30日 | 「ヤフー!ニュース」連載中のコラム

 

 

週末、『麒麟』の駒も旅に出る!? 

気鋭の女優たちが見せてくれる「今年の夏」

 

いつもとは、ちょっと違う今年の夏。CMの中で気鋭の女優たちが見せてくれる「風景」も、どこか特別な感じがします。


門脇麦さんと「蒸気機関車」

今、仕事や生活、いや社会全体が、否応なしに変わりつつあるのは事実です。とはいえ、それに順応しようと頑張りながら、ふとため息をつく人も多いのではないでしょうか。

そんな時、門脇麦さんは「スロータイムな旅」に出るのかもしれません。東武鉄道の最新CM「SL大樹 It’s SLOW time」です。

門脇さんといえば、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で、医師・望月東庵(堺正章)の助手を務める駒を好演しています。いつも、くるくるとよく働いている駒ですから、放送が休止中の今くらい、週末に小さな旅に出るのも悪くない。

乗り込むのは東武鬼怒川線の蒸気機関車。「SL大樹」の愛称を持つ人気者です。鮮やかなブルーの客車を引っ張り、早すぎないスピードで走る。車窓の風景もゆるやかに流れる。それは、とても贅沢な時間です。

実はこの機関車、SL大樹こと「C11 207」が造られたのは、太平洋戦争が始まった1941年12月のことです。激動の昭和から令和の現在まで、80年の時代の変化を見てきました。鉄の塊なのに、どこか人間らしさが漂います。

「機関車」という詩の中で、敬愛を込めて「律儀者の大男」と表現したのは作家の中野重治です。

    町と村々とを
    まっしぐらに駆けぬけて行くのを見るとき
    おれの心臓はとどろき
    おれの両眼は泪(なみだ)ぐむ

ゆっくりだから出会える景色があり、ゆっくりだから気づく人の優しさがある。今年の夏は特にそう思う。


森七菜さんと「放送室」

学校の「放送室」といえば、忘れられないのが映画『20世紀少年』で描かれたシーンです。

中学校の放送室を占拠したケンヂが、T・レックスの「20センチュリー・ボーイ」を校内に流して大騒ぎとなります。しかも、この放送が、ある少年の運命を変えたことも後々わかってくるのでした。

オロナミンCの新作CM、舞台は高校の放送室です。汗をかきながら、必死で床掃除をしていた女子生徒は、NHK朝ドラ『エール』でヒロイン・音(二階堂ふみ)の妹で、メガネの「関内梅」を演じている森七菜さん。

彼女が、ふと窓から外を眺めます。そこには、炎天下にたった一人でグラウンド整備をする野球部員の姿がありました。

今年は、新型コロナウイルスの影響で、高校野球の「夏の甲子園」も中止になりました。しかし、少年は黙々とマウンドでトンボ(地ならしの道具)を動かしている。

突然、マイクに向かって「♪いつでもスマイルし~ようね!」と歌い出す七菜さん。ホフディランが24年前にメジャーデビューした時の曲「スマイル」です。念のためですが(笑)、ホフディランはボブ・ディランとは別物。日本の音楽グループです。

校庭に響きわたる、予期せぬ「スマイル」の熱唱。野球少年も、「あ、生徒会長」と顔を上げる。元気をもらった歌声と共に、いつかきっと思い出すに違いない、一瞬の夏。


言葉の備忘録178 安倍政権の・・・

2020年08月29日 | 言葉の備忘録

安倍晋三首相が辞意を表明 2020.08.28

 

 

 

安倍政権の

最大の問題点は、

「政治は、

   信任を受けた我々がやる。

  だから、

  よそから余分なことを言うな」

という態度を

貫いてしまっていることに

あると思う。

 

 

橋本 治『思いつきで世界は進む』

 

 

 


週刊新潮で、「半沢直樹」について解説

2020年08月28日 | メディアでのコメント・論評

 

 

「半沢直樹」テレビには映らない舞台裏 

 

帰省ラッシュが起きなかった盆休み。ステイホームが浸透した今年の夏は、日曜夜9時を待ち焦がれる人も多かろう。TBS系列で放映されているドラマ『半沢直樹』。その舞台裏を覗くと、テレビには決して映らない人間模様が繰り広げられており……。

実に7年ぶりの続編である。前回の放送時に生まれた赤ん坊なら、すっかり小学生になっているほどの歳月が経った。さらには、感染症の影響でロケが中断。4月から放送の予定が、3カ月も遅れてのスタートを余儀なくされた。

ここまで焦らされたとなれば、作品の出来は”倍返し”を期待したいところ。蓋を開けてみれば、視聴率は5話連続で22%超えとすこぶる好調なのである。

「テレビ離れが進んでいる現代では、考えられない数字ですよ」

と話すのは、メディア文化評論家の碓井広義氏だ。

「前回の最終回で視聴率が40%超を記録したとはいえ、続編をやるなら期間を空けるにしてもせいぜい2年くらいが一般的です。それが、7年も放送がなかったのにこれだけの結果を出した。この間、世間ではそろそろ続編が始まるのではと、度々噂されて話題になってはいましたから、視聴者の飢餓感も限界を超えていたと思います」

何故ここまで続編の実現が遅れたのか。そのワケを辿ると、テレビの画面には映らない、”オトナの事情”が見えてくる。

さるスポーツ紙の芸能デスクが解説する。

「障壁となったのは、主演の堺雅人が所属する田辺エージェンシーの意向と聞いています。立て続けに続編をやってしまえば、堺本人に強烈なキャラクターの色がついてしまう。それで続編への出演を暫く固辞していたそうなんです。確かに役者というのは、いくら評判のいいドラマに出演できても固定観念を植え付けられたくない。米倉涼子も『ドクターX』を続けるのを嫌がっていましたし、松嶋菜々子も『家政婦のミタ』の続編は、まずOKしないというのが定説です」

いやしかし、それだけが理由であれば7年も間を置く必要はあったのかとの疑問も出よう。その実、前作で上役によって銀行から子会社へ出向させられる役を演じた堺自身、現場で実際の人間関係の軋轢を抱えていた。

TBS関係者が明かすには、

「堺さんと演出を務めるTBSの福澤克雄監督との間に、演技のことで溝が生まれていた。昔の役者と監督なんて、意見の食い違いで喧嘩して撮影がストップするくらい日常茶飯事ですが、この二人は今では少なくなった、筋を通す昔気質のタイプ。お互い忖度なしに良い作品を残したいという、プロ意識がぶつかり合い、和解に時間がかかったとか」

あの福澤諭吉の玄孫という福澤氏は、母校・慶應大ラグビー部時代には日本一になった経験を持つ生粋の体育会系。その風貌も相俟って、局内ではあのジャイアンにちなんで「ジャイさん」と呼ばれ畏怖されているのだ。

「ラガーマンである福澤さんは、男たちが戦う物語で力を発揮してきた。日本ドラマ界でも指折りの演出家で、手間やお金を惜しまない”攻めの演出”をしますから、メインの役者の演技にもガンガン指示することがあるのかもしれません。『半沢直樹』のみならず、『下町ロケット』『陸王』などの池井戸作品を手掛け、男たちがチームとして何かを成し遂げるストーリーと、本人のキャラの相性がいいのでしょう」(前出の碓井氏)

「タブー扱い」

TBSにおいて、池井戸潤作品のドラマは福澤氏が演出を担い、伊與田英徳氏がキャスティングや予算を差配している。このコンビは局の内外からヒットメーカーとして高く評価されているのだが、先のTBS関係者はこうも言う。

「この7年の間に、彼らは『下町ロケット』や『陸王』といったヒット作を世に送り出した。前作の放送から暫く時間が経ち、大河ドラマ『真田丸』でも評判をとった堺サイドが、そろそろ続編に出演してもいいかなという意向を持っても、タイミングが合わなかった。すったもんだの末、両者の折り合いがようやくついて、放映が決まったそうです」

2020年最初の定例会見で、TBSの佐々木卓社長は「今年は『半沢直樹』に尽きます」と語っていたが、悲願達成の背景には、現場レベルの”事情”に加えて、「芸能界のドン」の顔も見え隠れする。

別のTBS関係者は、

「続編の放送が延びた理由は、やはり田辺エージェンシーが、なかなか局にOKを出さなかったからと聞いています。出演交渉を続けるTBSは、その影響から堺と同じ事務所の夏目三久アナがMCを務める情報番組『あさチャン!』に、大ナタをふるえずにいたのです」

確かに、この番組は放送開始から6年経っても低迷を続け、視聴率は2~3%台と同時間帯におけるテレ東を除く民放のニュース・情報番組では最下位の座に甘んじている。

「本来なら番組改編に着手すべきところ、夏目アナは、所属事務所のトップ・田邉昭知社長の寵愛を受けており、下手に降板させたりすれば”芸能界のドン”の異名をとる田邉社長の逆鱗に触れてしまう。局内では『あさチャン!』の処遇は役員マターとされており、タブー扱いでした。どうにかして夏目の評判を覆したいと考える田邉さん側も、安易に『半沢』の続編を認めてしまえば、彼女が降板させられてしまう可能性がある。そんな両者の思惑が交錯し、半沢続編にここまで時間がかかったのです」(同)

これらの経緯について、まずは田辺エージェンシーに尋ねたところ、

「担当者が不在のためお答えできません」

当のTBSはといえば、

「番組制作過程については従来お答えしておりません」(広報部)

ちなみに、続編で夏目は半沢の勤務する銀行のイメージキャラクター役として出演していると聞けば、TBSの田邉社長への忖度ぶりは、まるで半沢ドラマで恒例となった土下座の姿を彷彿とさせる。

「夜の蝶に囲まれて」

ドラマに花を添える女優でいえば、半沢の妻役を演じる上戸彩の存在は欠かせない。これでもかと激しく火花を散らすバンカーたちの戦いが見所の番組で、唯一の清涼剤ともいえるのが半沢夫婦の掛け合い。私生活でも2児の母として”主婦業”に忙しい彼女は、出演にあたってTBSから三顧の礼で迎えられていたのであった。

先の芸能デスクによれば、

「結婚して活動が減っても、好感度の高い上戸はCMの露出も多く、数字が取れる女優ですからね。続編の放送に時間がかかってしまい、必ず結果を出さなければいけない局としては、彼女にどうしても出て欲しい。それで所属事務所のオスカーに好待遇を打診したようです」

具体的にはこうだ。

「子育て中であることを考慮して、撮影はTBSの緑山スタジオで週1回だけ。拘束時間は5時間ほどで、実働3~4時間という条件なのに、ギャラは1話につき400万円前後だそうです。かつて彼女と同じオスカーに所属していた先輩格の米倉涼子でさえ、ドラマでフル稼働して1話あたり450万円ほどですから、破格の待遇といっていいでしょう」(同)

前号でも本誌が報じたように、タレント流出が続く「オスカー帝国」にあって、事務所の看板女優であり続ける上戸の”恩返し”には、創業者の古賀誠一会長もホッと一息。胸を撫でおろしているに違いない。

一方、まさに続編の初回で、「施されたら施し返す。恩返しです!」という名言を口にして注目されるのが、半沢の天敵、大和田暁・元常務役の香川照之である。

従弟の市川猿之助が新たな敵役として出演して一層存在感を増すが、香川はクランクインしてなお、テレビ画面に映らぬところで意気揚々なんだとか。

「まだコロナで撮影が中断する前の3月頃、銀座の超高級クラブで香川さんを見かけましたが、夜の蝶に囲まれてご機嫌でしてね。酒が入って興がのってきたのか、このご時世なのに飛沫をまき散らしながら、ソファーの上で仁王立ちになったり踊ったりしていた。ドラマを彷彿とさせる”顔芸”も健在だったよ」(居合わせた客)

銀座のネオン街を根城にする事情通によれば、

「彼の銀座通いは有名ですが、ただお姉ちゃんと酒を飲むだけじゃない。超高級クラブでバッタリ顔を合わせたトヨタ自動車の豊田章男社長と意気投合。最後は抱き合うほどだったとか。それが縁となり、香川さんは同社が『トヨタイムズ』の名で展開するCMキャンペーンの顔となり、きっちり仕事を取ったそうです」

ドラマでは半沢の活躍によって常務から平取に降格させられた大和田も、夜の街では営業活動に余念がないということか。

「事実は小説よりも奇なり」と言うけれど、カメラが回らない世界でも旺盛な「半沢組」の人間模様を知れば、一層ドラマが楽しくなること請け合いなのだ。

(週刊新潮 2020.08.27号)


「親バカ青春白書」トンデモおやじから元気をもらう

2020年08月27日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

日テレ「親バカ青春白書」

ムロツヨシ演じる

トンデモおやじから元気をもらう

 

新型コロナウイルスに加えて猛暑続きの熱中症。そんな未曽有の夏に熱波を笑いで吹き飛ばすドラマがあってもいい。「親バカ青春白書」はそんな一本だ。

主人公は、妻(新垣結衣)を早く亡くした小説家・小比賀太郎(ムロツヨシ)。一人娘のさくら(永野芽郁)が可愛くて仕方ない。いや、心配でたまらない。大学に入れば「悪い虫」も寄ってくるだろう。自分が守らずして、誰が守る。というので娘と同じ大学を受験し、一緒に入学してしまった男のトンデモ話だ。

さくらが友達の山本寛子(今田美桜)たちとキャンパスライフを楽しむ一方で、太郎は娘が同級生の畠山雅治(中川大志)と接近すれば止めに入り、怪しいサークルのパーティーで襲われそうになれば駆けつけて助ける。そして隣のおばちゃんが「カレシでもできたんじゃない?」とからかえば、「そんなの私が許しません!」と激怒する。

超が付く親バカおやじの奇人ぶりが成立するのもムロツヨシならでは。自分が普通の人間であることを恥じる畠山に向かって、「どんな状況でも普通でいられるヤツが一番すごいんだ」と諭したりするのも笑ってしまう。

思えば、教室で仲間と並んで受ける授業も学食でのおしゃべりも、現在のところ夢のまた夢。普通が普通であることのありがたさを思いつつ、このトンデモおやじから元気をもらう。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは‼」2020.08.26)

 


東京新聞に、松本深志高校「地歴会」の記事が・・・

2020年08月26日 | 日々雑感

 

東京新聞で、「松本深志高」の文字を発見してびっくり。

懐かしい「地歴会」についての記事でした。

 

ふるさと発 

つなげ「地歴会」のみち 長野・松本深志高 

81年前に創部 こだわりの部誌発行

長野県松本市の松本深志高で、八十年以上の歴史を持つ部活動「地歴会」が、部誌「あぜみち」の第六十八号を発行した。OBに寄稿を頼み、製本するなど内容も見た目もこだわった。部員たちは「これをきっかけに入部したいと思ってもらえるような魅力的な部にしたい」と意気込む。(松本貴明)

地歴会は一九三九年に創部。個人や班で歴史や社会について文献やフィールドワークで調べ、部誌にまとめる。四〇年に第一号の「地歴會誌(ちれきかいし)」を発行。五四年発行の第四号の頃、「あぜみち」に改称したとみられる。ほぼ年一回のペースで発行してきた。

昭和後期の考古学が盛んな時期、部員は三十人ほどいたが、平成に入ると減少。二〇〇三年には部員ゼロで休部状態に。翌年は新入部員が入って活動が続いてきたが、今年三月末で部員は二年生三人のみ。二度目の廃部の危機を迎えた。

伝統ある部をなくしたくない-。部長の北沢乙葉さん(17)たちは、近年、簡素化されていた「あぜみち」を充実させようと考えた。読み応えのあるものを作って図書館などに置いてもらい、小中学生にアピールする狙いだ。

OBに寄稿を依頼し、早稲田大文学部教授や県副知事など六人が執筆してくれた。現役部員の原稿を含め、戦争孤児や安土桃山時代の武将、半世紀ほど前の地歴会の様子など内容は濃く、北沢さんは「満足いくものができた」と胸を張る。

本年度は二人の一年生が入部し、ひとまず廃部の危機は免れた。一人は入学後に過去の部誌を読んだことがきっかけ。副部長の永津幹一さん(17)は「地歴会の存在を知ってもらう活動をしたい」と力を込める。

今後は中学校の図書室や公共図書館に置いてもらうことを考えている。二百部発行し、一部は販売する予定。北沢さんは「部で切磋琢磨(せっさたくま)しながら歴史を調べることで刺激も生まれる。地歴会にはそういう場がある」と呼び掛ける。一部五百円、送料二百五十円。問い合わせは同校=電0263(32)0003=へ。

(東京新聞 2020.08.22)

 

部誌「あぜみち」、

もちろん

注文させてもらいました(笑)。

頑張れ、後輩たち!

 


言葉の備忘録177 多少の・・・

2020年08月25日 | 言葉の備忘録

2020.08.24 撮影

 

 

 

多少の楽観主義はけっして害にはならん

 

 

クライブ・カッスラー『タイタニックを引き揚げろ』

 

 


「未解決の女」バランスの妙は「相棒」女性版

2020年08月24日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

テレ朝「未解決の女」

バランスの妙はさながら「相棒」の女性版


今期ドラマでは、「半沢直樹」をはじめとする続編が目立つ。「未解決の女 警視庁文書捜査官」もそのひとつだ。

ヒロインの矢代朋(波瑠)が所属するのは、文書捜査が任務の「特命捜査対策室」第6係。2年前と同じだ。バディーを組む鳴海理沙(鈴木京香)も、室長の古賀(沢村一樹)も、コワモテの草加(遠藤憲一)も変わっていない。

ただ、いつも定時退庁していた財津(高田純次)が退職し、代わりに新係長として京都府警から国木田(谷原章介)が赴任してきた。

前作からの大きな変更がないことは、これまでのファンを安心させる。それは内容面も同様で、過去の事件と新たな事件が結び付けられ、最終的には2つの殺人事件が同時に解決する構造だ。

5年前の弁護士殺害事件と日雇い労働者の焼死体。10年前の大学教授殺害事件と元古書店員の死。前者は同じ文言のメッセージ、後者では「定家様」と呼ばれる藤原定家の書風がカギとなっていた。このドラマの特色である「文書」を軸とした展開が今シーズンも楽しめる。

とはいえ、見る側を飽きさせないための工夫も必要だ。第2話では、いつも鳴海の指示で動く朋が、逆に鳴海をコントロールする場面が登場した。

「定型」の安心感と「定型破り」の意外性。そのバランスが、このドラマの強みだ。女性版「相棒」にまた一歩近づいた。

(日刊ゲンダイ「テレビ 見るべきものは!!」2020.08.19)


言葉の備忘録176 ボタンは・・・

2020年08月23日 | 言葉の備忘録

 

 

 

ボタンは一度だけ押すこと

 

 

原田宗典『メメント・モリ』

 

 


【気まぐれ写真館】 本日も「40℃」に到達!

2020年08月22日 | 気まぐれ写真館

kanagawa 2020.08.22


日刊ゲンダイで、「直撃LIVEグッディ!」安藤優子キャスターについて解説

2020年08月22日 | メディアでのコメント・論評

 

 

安藤優子 “現場感覚ゼロ”で晩節汚す

炎天下からの中継強要し批判殺到

 

19日に放送された「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ系)で、熱中症とみられる状態でリポートが続けられなくなった女性ディレクターに対し、無理に中継を続けさせようとした安藤優子キャスター(61)に批判が集まっている。

リポートは京都の渡月橋から記録的な暑さを伝えるというもの。画面が切り替わると、マスク姿の豊田綾子ディレクターが「かなり暑くて、頭がフラフラしてきますね」と手元のデジタル温度計を見せ、「現在、40度となっております」と説明。

その後、日焼け止めや冷やしたペットボトルやキュウリなどの暑さ対策を説明しようとするのだが、息をゼイゼイさせ、明らかに苦しそうだ。ここで豊田ディレクターは「えーっと、あとは何だったっけかな。すいません、暑すぎて頭がボケッとしているんですね。ごめんなさい。お返ししときますね」とSOS。

スタジオがザワつくなか、安藤は「えー、あたし返されたのね!」と大笑い。高橋克実(59)が「危ない危ない、無理しないで」と言ったが、安藤は「豊田さん! もう一回お返ししていいですか」とピシャリ。豊田ディレクターは「返しちゃいますよね。そうですよね……」と答え、必死にリポートを続けようとするのだが、朦朧とした状態でしどろもどろ。ここでスタジオの大倉大誠アナが「豊田さん、ありがとうございました。いったんこちらで引き取ります」とその場を収めた。

スタジオに切り替わると、倉田アナが、「おそらく取材もよくされて……」と豊田ディレクターをフォローしようとすると、安藤はかぶせるように、笑いながらキュウリの話を始めたのだった。

安藤のこのふるまいに、SNS上では、豊田ディレクターを心配する声や安藤のパワハラだとする声など批判が殺到。

メディア文化評論家の碓井広義氏はこう話す。

「長いことキャスターを続けられている安藤さんですが、自分が偉い人のような感覚に陥ってしまっているのではないでしょうか。情報番組にはたくさんのスタッフがいますが彼女は鵜匠で外回りのディレクターなどは、鵜飼いの鵜のように水に潜ってネタを取ってくる存在としか思っていないようなふるまいです」

■二重、三重の感覚のズレ

碓井氏は続ける。

「視聴者に警鐘を鳴らすことが目的のリポートなのですから、笑っている場合ではない。女性ディレクターの異変を察知したのなら、すぐに退避させ、視聴者には『かように酷い状況なので皆さんも十分気を付けてください』というべきでした。涼しいスタジオの中で、仕事をしている安藤さんには現場の過酷な状況がわからなかったのかもしれませんが、二重、三重の感覚のズレを感じてしまいます」

安藤は今年1月には、カルロス・ゴーンのレバノンでの会見も単身乗り込んだが、会見場には入れず、SNS上では「目立ちたかっただけなのでは」などと揶揄されたことも記憶に新しい。

かつては「以上、現場からでした。」というタイトルの自著も上梓し「現場主義」を標榜していた安藤だが、今回の件も含め、最近はとかく“現場感覚のズレ”を指摘されることが多くなっているのだ。

碓井氏は「9月いっぱいで番組が終了することが決まっている中、どこか緊張感が切れていることも影響しているかもしれません。“立つ鳥跡を濁さず”ではないですが、視聴者が気持ちよく見られるように、最後までしっかりやってほしいと思います」と語る。

これ以上、晩節を汚す前に撤退させるのは局としては妥当な判断なのかもしれない。

(日刊ゲンダイ 2020年08月21日)


「心の友」が「井上ひさし」と過ごした50年

2020年08月21日 | 書評した本たち

 

 

没後10年に生涯の友が明かす

「井上ひさし」と過ごした50年

 

小川荘六『心友 素顔の井上ひさし』

作品社 2420円

 

今年は作家・劇作家の井上ひさしの没後10年にあたる。本書は親友の筆による「素顔の井上ひさし」だ。

昭和31(1956)年、著者は入学した上智大学文学部外国語学科のフランス語科で井上と出会う。2人はすぐに親しくなり、やがて井上が言うところの「心友(しんゆう)」になっていく。以来、54年間の長い付き合いが続いた。

学生時代、井上を中心とした「上智の仲間たち」は遊んでばかりいたそうだ。すでに浅草フランス座の文芸部員や放送作家の仕事で忙しかったはずの井上が、麻雀、映画、ビリヤード、そして飲み会などにも必ず参加していたというから驚く。しかも井上自身は麻雀をしないのだ。

当時の大学を舞台とした連作集として『モッキンポット師の後始末』がある。S大学(上智大の英語名はソフィア)のカトリック学生寮に住む貧乏学生3人組が、仙台の孤児院出身の「ぼく」を中心に、生きるための悪知恵を働かせていく。

だが、最後には必ず失敗し、フランス人の指導神父が後始末に奔走するユーモア小説だ。本書には、モッキンポット師のモデルは自分だと語っていたポール・リーチ神父も登場する。

井上は著者と共に年間百本もの映画を観た。帰り道で映画評の議論となるのが恒例だが、『灰とダイヤモンド』では衝撃が大きくて、互いに無言だったという。この無言でいられる関係、その距離感こそ、2人が「生涯の友」として過ごせた秘密ではなかったか。井上が多忙な作家になろうと、何度転居を重ねようと、友情は変らないままだった。

1991年4月、井上は母校で講演を行っている。「大学で必要なのは、学問の中身ではなくて、そこで誰にあったか、誰と友達になったか、誰と付き合ったか、そして、自分の人生を生きて行くための新たな基本的な姿勢といいますか、(中略)それを培っていく」ことだと話していた。井上版「私の大学」である。

(週刊新潮 2020.08.06号)

 


言葉の備忘録175 また二度と・・・

2020年08月20日 | 言葉の備忘録

 

 

 

また二度と

逢うことはないと

おもいつつ

逢えないわけは

ないともおもい

 

 

村上春樹 「石のまくらに」 (『一人称単数』)

 

 

 


東武鉄道「SL大樹」CM ゆっくりだから見えるもの

2020年08月19日 | 「日経MJ」連載中のCMコラム

 

 

東武鉄道 

SL大樹「It’s SLOW time」

ゆっくりだから見えるもの

 

今、仕事や生活、いや社会全体が急速変わってきている。それに順応しようと頑張りながら、ふとため息をつく人も多いのではないか。そんな時、門脇麦さんは「スロータイムな旅」に出る。

乗り込むのは東武鉄道の東武鬼怒川線の蒸気機関車。「SL大樹」の愛称を持つ人気者だ。鮮やかなブルーの客車を引っ張り、早すぎないスピードで走る。車窓の風景もゆるやかに流れる、贅沢な時間だ。

この機関車は激動の昭和から令和の現在まで、80年の時代の変化を見てきた。鉄の塊なのに、どこか人間らしさが漂う。

「機関車」という詩の中で、敬愛を込めて「律儀者の大男」と表現したのは作家の中野重治だ。「町と村々とをまっしぐらに駆けぬけて行くのを見るとき/おれの心臓はとどろき/おれの両眼は泪(なみだ)ぐむ」

ゆっくりだから出会える景色があり、ゆっくりだから気づく人の優しさがある。今年の夏は特にそう思う。

(日経MJ「CM裏表」2020.08.17)

 


AERA dot.で、半沢直樹の妻「花」について解説

2020年08月18日 | メディアでのコメント・論評

 

 

 半沢直樹の妻「花」の描かれ方に賛否 

あえて「献身的な専業主婦」を登場させるワケ

 

約7年ぶりの続編となるTBS日曜劇場「半沢直樹」の勢いが止まらない。8月9日に放送された第4話の平均視聴率は22・9%を記録し、初回から4週連続の22%超えとなった。

新シリーズはベストセラー作家・池井戸潤氏の「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」が原作。前作同様、堺雅人(46)演じる半沢直樹が銀行などの企業の不正を次々と暴いていく展開は健在で、組織とサラリーマンの相克や上司と部下の人間関係が濃密に描かれていく。

半沢の上司を演じる市川猿之助(44)や香川照之(54)など俳優陣の“濃い”演技も見どころだが、物語がドロドロになり過ぎないのは、半沢の妻「花」が明るく夫と接するシーンが必ず挿入されることも大きいだろう。上戸彩(34)扮する半沢花は「思ったことをすぐに口にするタイプで、弁の立つ半沢が唯一かなわない相手。フラワーアレンジメントの仕事をしていたが、結婚を期に専業主婦となった」(公式HP)という設定。花は前シリーズから登場しているが、原作は広告代理店で働くキャリアウーマンだったので、ドラマ版とはだいぶ異なる。上戸彩が演じている花は、いわばドラマの“オリジナル版”なのだ。

制作サイドも、花は重要な位置づけと考えているようだ。TBS関係者はこう話す。

「シリーズ3作目となる『ロスジェネの逆襲』以降は、花は登場しません。しかし、ドラマではあえて花を続投させることにしたのは、物語の中に“華”を作りたいという思いもあったようです。堺さんが“花ちゃん”と呼んでいますが、これはもともと堺さんのアドリブから始まった呼び方で、上戸さんも『すごく和むし、かわいい感じね〜』と気に入っています。花は半沢のよりどころでもあり、唯一本音を言える相手。その点では、半沢にとっては緊張をほぐす“遊び”の部分になっています。上戸さん自身も、花と似た雰囲気の方なので、コロナの前には堺さんと子育ての話で盛り上がっていましたよ」

視聴者も花(上戸彩)に感情移入しながらドラマを見ている様子。SNSでは、

<こんな笑顔と力強い言葉で送り出してもらえる直樹はどんだけ幸せ者よ>
<見終わった後あんなに壮絶なシーンばかりなのにほぼ上戸彩とのシーンを一度は思い出してしまう>

などのコメントが並んでいる。花が支持される理由としては、演じる上戸のイメージとマッチしていることも大きい。上戸は私生活でも既婚者で、人気女優でありながら、家族を優先して芸能活動をしてきたという点でも似ている。

「上戸は第1子を出産してからは育児に専念するためしばらく仕事をセーブしていました。彼女は常に家庭優先で仕事をするというスタンスで、夫のHIROもそれを理解しています。今回、4歳と0歳の子どもを育てながら撮影に入るのは、かなり大変だったと思いますよ。今回のドラマ出演は、上戸としては異例の“早期復帰”となりましたが、やはり『半沢直樹』だったという理由が大きいと思います。大ヒットドラマであるのはもちろんですが、それほど出番が多いわけでもないので、育児にあまり影響がでない。上戸の母親とHIROが全面的にサポートしてくれているそうです」(女性週刊誌記者)

実際、上戸自身も花の役作りにはこだわりを持っているようで、女性誌のインタビューにこう答えている。

「私は前作からあえて自分以外の部分の台本を読まないようにしていて。直樹がどんな顔をして家にいようとそれは花にはわからないと思うので読む必要がないかなと。なるべく見なくていいものは見ない。自分の見ている直樹だけをみて自分のできることをやる。放送を見て経緯を知る感じでしたね」

役に集中するために、あえて他のビジネスパートの台本は読んでいないという。制作サイドも俳優も、花にはかなりの思い入れを持って、キャラクターを作り込んでいるようだ。

その一方、花の人物描写に違和感を覚える人がいないわけではない。激務の夫を支える専業主婦という設定ゆえ、ジェンダー的な観点から疑問を持つ視聴者の声はツイッターでも散見される。

<記念日にフレンチ行く約束をドタキャンされたり、お歳暮?の送り先をはぐらかされて教えてもらえなかったり、遅くまで仕事で飲み歩いて、手料理食べてもらえないなんて、女を泣かせる要素しかない>
<半沢直樹で妻像(内助の功的な)はまじでげんなりするというか、あの部分だけ時代劇的に昔は大変だったんだなあと思って見てる>

ドラマ自体には好意的だが、まるで「昭和妻」のような花の振る舞いには批判的な声も上がる。その上で、

<半沢直樹のような影響力のあるドラマを、子育てとの両立とか、テレワークという要素を入れて製作してもらえないかな>

というツイートもあった。たしかに、男女共同参画社会や働き方改革の文脈からみれば、半沢と花との関係性は“前時代的”に映る部分もある。制作側が花をこのような設定にしたのは、何か理由があるのだろうか。

元上智大教授でメディア文化評論家の碓井広義氏はこう分析する。

「ドラマでは半沢が剣道をするシーンが象徴的に描かれているように、半沢を“武士”になぞらえて行動させています。ひきょうな裏取引をせず、相手には正対して勝負を挑む、そこに正義があるという姿です。その意味で、花の役割は『武士の妻』なのです。理屈抜きで夫の味方となり、言うべき事は言っても最後は夫の行動を見守って支援をする。そこに視聴者は安心感を覚えるし、よりドラマに感情移入しやすくなる効果も狙っているのではないか。1回の放送で1シーンしか花を登場させないのも、花の印象を強く残すための戦略だと思います」

そして、この花の描かれ方には、ドラマが大ヒットしている要因も隠されていると話す。

「続編といえども、安易に視聴者にこびない姿勢には、多くの人が共感しているはずです。たとえば、花の設定にジェンダー的な批判があるのは、制作陣は織り込み済みだった気がします。7年前に比べれば時代も変わったし、それに合わせることもできたはずです。でも、もし花の自我を前面に押し出して直樹とバチバチやり合うようにさせたら、ドラマでは息をつく時間がなくなってしまう。花の設定は、物語に緩急をつけて、次のハラハラ、ドキドキにつなげるためには必然だったのです。花の人物像を貫いたのは、制作陣の“覚悟”の表れでしょう」

さまざまな意見が出るのもまた、国民的ドラマの宿命といえる。ともあれ、花と半沢の夫婦劇は、このドラマのもう一つの見どころとなりそうだ。【取材・文=AERAdot.編集部・作田裕史/宮本エミ】

(朝日新聞 AERA dot. 2020.08.16)