碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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嵐とSKE48が気の毒だった「FNS歌謡祭」

2011年12月13日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「TV 見るべきものは!!」。

今週の掲載分では、フジテレビ「FNS歌謡祭」について書きました。


嵐とSKE48が気の毒に思えた
フジ恒例の音楽特番


先週、恒例の「FNS歌謡祭」(フジテレビ)が開催された。司会は高島彩と草なぎ剛で、新旧アーティストのコラボといった趣向を含む、かなり豪華な生放送だった。

ただし音楽番組としての出来はイマイチで、特に出演者への配慮の無さが目についた。

一つは嵐が歌ったパートでの音響の不具合。マイクの音量やバックの演奏とのバランス調整などが乱雑で、放送事故かと思ったほどだ。

この状態で歌わされた嵐がかわいそうだった。

かわいそうと言えばもう一組、「オキドキ」を披露したSKE48の扱いもひどい。なんと曲の始まりから終りまで画面の切り替え一切なし。

まるで駐車場の監視カメラのような上からのフィックス(固定)で、引き(広い画角)の映像のみ。彼女たちのフルショット(全身)も、アップの表情も見せなかったのだ。

直前のKARAまでは、映像を見る限り最低でも5台のカメラを駆使していた。

ならばクレーン以外のカメラが同時に全部故障? スイッチング・システムのトラブル?

いや、次のAKB48「風は吹いている」になったら、また複数カメラのスイッチングに戻った。

SKEのワンカメショーは演出だったことになる。一体何を狙ったのか。

すべての出演者が最高のパフォーマンスを見せられるようにするのは音楽番組の基本中の基本だ。その意味で実に残念な超大型音楽特番だった。

(日刊ゲンダイ 2011.12.12)

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