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河北新報の特集「神話の果てに・東北から問う原子力」

2012年09月08日 09時02分05秒 | 日記
河北新報という新聞社は長期間上記表題の特集記事を掲載しています。記者自ら足を現地に運び、記者の目や耳で確認したことを記事にしています(新聞記者なら当然の行動ですね)。行政府からの発表をそのまま掲載する福島民報・民友とは一線を画しています。購読者数も宮城県の方が多いのでしょうが、福島県に住むものにとっても有難いニュース源です。インターネットで読めるので是非一度目を通していただきたい新聞です。

http://www.kahoku.co.jp/


最近の掲載記事は下記の通りです。

第4部・風化の夏(4)責任転嫁/除染、重い住民の負担


始まったばかりの国直轄の除染作業。政府の工程表通りには進んでいない=7月27日、田村市都路町
<仮置き場が「壁」>
 「仮置き場を決めても、いつ汚染土壌を中間貯蔵施設に運び出せるか見通せない。一刻も早く除染したいが、住民の理解を得るのは容易でない」
 8月上旬、福島市中心部で町内会長を務める男性(73)が、これから始まる「力仕事」に憂うつそうな表情を浮かべた。
 市が16の地区ごとに設立する住民組織「地域除染対策委員会」の中心メンバーとして、除染で生じた汚染土壌などの仮置き場を地元で探さなくてはならない。
 除染が停滞している最大の要因は、仮置き場が決まらないことだ。中間貯蔵施設の整備計画が遅れる中、保管期間の長期化や風評を恐れ、住民が反対するケースが多い。
 福島市の住民組織づくりも、仮置き場確保の困難さから生まれたアイデアだ。市危機管理室の草野利明防災専門官は「役所の人間が『ここに仮置き場を』と持ち掛けた途端に住民は反発し、話を聞いてくれなくなる。これまで、どの地区もそうだった」と振り返る。
 市は住民組織から「ここを早く除染して」といった要望も聞く。「除染の進展を実感しながら、地域の力で仮置き場を確保してもらう」(草野専門官)のが狙いだ。

<大幅な遅れ確実>
 国は昨年8月、「除染に責任を持つ」と基本方針に明記しながら、国直轄で除染を行うのは警戒区域と計画避難区域となった「特別地域」(福島県内11市町村)だけ。福島市など、それ以外の「重点調査地域」では財政支援はするが、各自治体に実施を委ねる。
 難題に直面した自治体は、その責任を地域に細分化して担わせる。除染の「利益」とともに仮置き場選定の「負担」も引き受ける。どこか奇妙な「受益者負担」論だ。
 直轄除染でも、国が全責任をもって仮置き場を用意しているわけではない。南相馬市でも仮置き場が決まらず、本格的な除染の着手は現時点で既に、政府の工程表に比べ少なくとも3~4カ月遅れるのが確実になっている。
 市除染対策課は「環境省の担当者も懸命だが、今後も選定に時間がかかれば遅れはさらに広がる」と認める。

<感情的な摩擦も>
 警戒区域などの本格的な除染は当初、「ことし3月末を目途に準備が整った11市町村で順次開始」(環境省)するはずだったが、実際には7月下旬に田村市都路町で始まったばかり。「2014年3月末までの除染完了」を掲げる政府の工程表は総崩れの瀬戸際だ。
 福島県内の自治体の除染担当者らは「国は当初から除染を甘くみていた」と口をそろえる。仮置き場の適地探しや住民の理解を得る難しさ、想像以上の除染廃棄物の多さなど、多くの課題が現場を悩ませる。
 国から自治体、自治体から地域へと、除染の負担がしわ寄せされる。
 福島市内でいち早く仮置き場を確保した同市大波地区の自治振興協議会長、佐藤利道さん(61)は「『せめて子どもが外で遊べるように』と説得し、なんとか協力を得られたが、議論の過程では感情的な摩擦も生じ、住民は疲弊した」と打ち明け、割り切れなさを口にする。
 「そもそも一方的な被害者に自助努力を求めるのは根本的におかしくないか」
                          以下省略

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