「先生をやってきて良かった」の思い

4月も下旬になったが、私が教師の現職を退いたことを表明して1か月ほどたつのだが、元の高校の卒業生やその後の学園の卒業生たちから、友だちから聞いたとか、と手紙をもらう。これまでご苦労様でした、ということとこれからゆっくりと好きなことをして人生を楽しんでください、といった趣旨のメッセージだ。私はそれぞれに簡単に礼状かたがた近況を報告する。

そして思うのは、「60年間教育の仕事をやってきて良かった」としみじみ思う。卒業生といっても初期の人たちはもう70代後半だ。すでに鬼籍にいる人たちもいるが、みな「100迄頑張りましょう」というようなメッセージを最後につけ加えている。「君たちより早く死ぬことはないよ」みたいなジョウダンを記して返事を書く。

「先生のおかげで…」というような言葉も私はほとんど覚えていないが、逆に自分もまた小中高大のそれぞれで出会った先生たちからの言葉はいくつも覚えている。こういうことを思うとき、昔卒業式が卒業生たちが「仰げば尊し」を歌った(もちろん私も小中高ではこの歌は定番だった)が、その意味が懐かしい。(今、この歌を歌うことを復活すべきというような意見ではない、念のため)。

 仰げば 尊し 我が師の恩
 教えの庭にも はや幾年いくとせ
 思えば いと疾し この年つき
 今こそ 別れめ いざさらば

 互いにむつみし 日ごろの恩
 別るるのちにも やよ 忘るな
 身を立て 名をあげ やよ 励めよ
 今こそ 別れめ いざさらば

 朝夕 馴れにし 学びの窓
 蛍のともしび 積む白雪
 忘るる 間ぞなき ゆく年月
 今こそ 別れめ いざさらば







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