大船駅で70代のご夫婦がホールケーキを買っていた。
「御祝いなんですけど、成人の・・・」
店員さんは、飾りのプレートを探しながら、
「成人式のお祝いはないんですけど、只のお祝いでいいですか?」と頼りない応対。
そばから『そんなはずないわよ』と、思わず突っ込みを入れたい衝動にかられた私。
「すみません、ありました」
店員さんは「祝い成人式」とチョコレートで書かれたプレートを差し出した。
たっぷりとフルーツが盛られたケーキの真中にプレートが置かれると、
老夫婦はにこやかに「よかった」と顔を見合わせた。
その時だった、店員さんは小さな声で。
「おめでとうございます」と会釈をして,包装の台に向かって背を向けた。
「有難うございます」
おばあさまがつぶやいた。
朝のミーティングで、成人式のプレートは確認できなかったのだろうか?
シユークリームを頼むのも忘れ私は考えた。
アルバイト?でも正社員さんでも、お客様には関係ないこと。
マイナス20点だけど、おめでとうが添えられたから10点プラスしてあげる。
あのおめでとうのひとこと、私まで嬉しくなりました。
二十歳を迎えたみなさん、成人おめでとうございます。