昔、家庭薬というのは、薬屋さんで買わず、富山の「置き薬」が一般的だった。
薬売りのおじさんはクスリの入った箱を、大きな風呂敷に包んで背負って家々を訪問していた。
幼心に風呂敷が登場するのは、そんな光景で、紙風船のお土産が楽しみだった。
この数年風呂敷が見直されている。
鎌倉今村も定番商品として作っている。
「風呂敷は結ぶものとして縁起がいいものですよ」
そんな説明をすると、贈り物にと、若い人達にも人気だ。
柄も、古典柄が好まれる。
そういえば、先日の女子会で、友人がタッパーにおかずを詰めて持たせてくれた。
昔なら「お移り」と言って、その容器にちょっとしたお菓子や、半紙などを添えて、
「先日はありがとうございます」とお返しをしたもの。
勿論、紙袋ではなく風呂敷が活躍したのです。
そんな風習、今は、ほとんど見られなくなりましたね。
私達世代が最後かもしれません。
美しい風習、というより「風情」を感じます。