鎌倉徒然草

鎌倉に住んで25年。四季折々の自然を楽しみながら、オリジナルの和雑貨の企画、製造、販売を展開しています。

魯山人

2013年07月08日 | 日記

鎌倉には、魯山人が窯をきずいていたこともあって、その名をよく耳にする。

北鎌倉に長く住む知人から、面白い話をきいたことがあった。

彼女の祖母の若い頃、年代は定かでないが、魯山人の名声が巷でささやかれ始め

たころの話だ。

あるとき、出入りのお米やさんが、彼女の家の米びつのなかの茶碗を目に留め

おそるおそる訊ねたのだという。

「それ、どうしたんですか?えらいもんですよ」

何十年も米びつのなかで、軽量カップ代わりにしていた茶碗。何のことかわからない

まま、差し出したそうだ。

「間違いない、魯山人先生のものだ!」とお米屋さんが言ったそうな。

先代が焼き物好きで、昔近くに住む陶芸家からもらったものだという。

祖母は、お米屋さんに勧められ、町の骨董店に持っていったそうな。

「帰って来た祖母の出で立ちが、笑えるの。確か着ていった黒の羽織にしっかり茶碗を

くるみ、もう誰にも渡たさないぞー、とそれはそれはおかしかった」と。

「他にもあったの、魯山人?」

「ぜんぜん、それだけ。」

茶碗は、後にどうしてもという方にこわれ手放したと聞いた。

魯山人は気難しい人だったとか、いろいろな本に書いてあるが、その話を聞いて

急に親しみを憶えました。






コメント
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