このシリーズの発刊順に読もうかと思っていたが、なかなかそうはいかず、順不動となり、映画化されたこの第9冊目を読んだ。
当初は、万能鑑定士Qの経営者・凜田莉子がフランスのルーブル美術館でダ・ヴィンチ作「モナ・リザ」に関わる事件の解決でもするのかと勝手に想像していたが、ちょっと筋を読み違えていた。
この作品は、「モナ・リザ」が日本に貸し出される。1974年の東京国立博物館での展示以来、37年ぶりに日本に来日し、展示されるという設定である。未曾有の大災害にみまわれた日本に対する芸術および経済の両面におけるフランス政府の最大の支援策として実施されるというのだ。そうなれば、当然ながら「モナ・リザ」が日本国内において、盗難あるいは贋作とのすり替えなどが発生しない防御策が最大限に講じられなければならない。つまり、事件は日本国内が舞台になる。そこがちょっと読み違えだった。
では、なぜ凜田莉子が「モナ・リザ」に関わっていくのか? いくら万能鑑定士といえども、評価の確定している「モナ・リザ」とは結びつかない。
そこは、なかなか巧妙な構成と展開になっている。
発端は、コヴェントリー生まれのイギリス人、ケネス・アリンガム(62歳)との偶然の応対から始まるのだ。場所は丸の内の三菱1号美術館、絵画の展示ホール。当日は震災の影響を考慮し、休館日に所蔵美術品の大々的なコンディション・チェックを日本中の鑑定家や目利きを総動員して行われていた。アリンガムは、ボストン出身のアメリカ人という偽名と美術商という資格で来館していたのである。彼は、尾形光琳と円山応挙についての専門家の意見を聞くために、展示ホールに歩を進め、莉子と出会い専門家の所在を尋ねた。連絡がつけばラウンジで待つというアリンガムに、莉子はコーヒーのサービスを買って出たのだ。そして、二人はしばらく会話をすることになる。アリンガムは莉子を将来が楽しみな逸材だと評価する。その場は、それで終わるのだが・・・・。
偽名を名乗るアリンガムは、木製小箱の忘れ物をして美術館を後にする。美術館の職員がその忘れ物気づく。アリンガムに応対した莉子がその忘れ物を届ける仕事を引き受けたことが、今回の事件簿として展開することになる。なぜか?
アリンガムが偽名を使っていたのには理由があった。彼はルーヴル美術館で20年にわたり学芸員をしていた経歴の持ち主である。特命を帯びて来日していたのだ。品川のマンションに住むことすら秘密にしていたにもかかわらず、莉子はそのマンションに直接忘れ物を届けることができたのだ。そこには莉子特有の観察力と合理的思考力が働いている。冒頭のこのエピソード自体がまずおもしろい。
アリンガムはお礼にその小箱の中身を莉子に見せる。それはフランス人の技師の仕上げたカンザシだった。アリンガムの説明無しに、莉子はそれが何であるかを指摘し、本物だと目を瞠る。そして莉子は、ルーヴルの連想から、去年の夏にルーヴル美術館で見た「モナ・リザ」が贋作だった印象を持ったとアリンガムに話したのだ。
また、莉子は週刊角川の記者・小笠原が莉子に持ち込んできた「海外の雑誌社のアンケート」に協力する。それは「モナ・リザ」を見た所感を答えるものだった。
これらの伏線が莉子と小笠原を霞が関の文化庁での説明会への招待通知に結びつく。それは、「モナ・リザ」の日本での展示について説明するものであり、かつ若干名の日本側スタッフの選抜への応募案内だったのだ。「モナ・リザ」の展示期間中、すべての取り扱いは作品に同行する150人からなる専門スタッフが一切担当する。しかし、展示期間中大がかりな科学鑑定を繰り返すことは困難なので、一見して真贋を見抜ける才能が必要であり、日本側のスタッフとして一定期間の訓練受講後に臨時学芸員となる人材を求めるというのである。莉子はその臨時学芸員への応募の案内を受けたのだ。
説明会では、オディロン・ボワイエが主旨と応募条件、選抜方法などを説明した。オディロンは分析とデータを重んじる科学鑑定の学芸員だが、「モナ・リザ」の真贋鑑定の権威は彼の同期のリシャール・ブレという学芸員であり、感受性の強さが真贋を見極めるという意見なのだという。そのリシャール・ブレが訓練を担当するという。
フランス側の要求する条件に合致する日本人の「臨時学芸員」数名を選び出すための説明会だったのだ。
そこで、ストーリーは次のステージを順次ステップアップしていく。
1.2週間後のフランス、ルーヴル美術館での選抜テストのプロセス
勿論、莉子はこのテストを受ける為に、フランスに向かう。莉子の担当記者として選定されていた小笠原悠斗が同行する。
このルーヴル美術館での選抜テストの方法がユニークであり、このテスト・プロセスが一つの読みどころでもある。
テスト結果の発表される日、ルーヴルに向かう途中、広場を横切ろうとしたとき、飼い主の許から逃げて駆けてくる一匹のチワワを小笠原は捕まえてやる。追いかけてきた老婦はイギリス英語風の発音で小笠原の礼を述べて、チワワを受け取り、リムジンの後部ドアを開け、車中に乗り込み、去って行く。日本帰国後、来日したこの老婦のファミリーとの突然の関わりが小笠原に生じてくる。それは日本国内での同行取材という目的で。ところが、この同行許可には思わぬ裏があったという次第である。
結果的に、この選抜テストに合格したのは、莉子と流泉寺里桜の2名だった。
2.学芸員リシャール・ブレによる2ヵ月間の特別訓練のプロセス
日本での特別訓練の場所は、外苑東通り沿いの閑静な住宅街にあるエンジいろの屋根を備えた洋館風の3階建ての豪邸である。住所は港区六本木七丁目33番8号。
莉子と流泉寺里桜が講義と訓練を受ける場所は部外者秘であり、小笠原といえども知らされない事になっている。この豪邸に出向いて、初めて莉子は里沙とともにリシャール・ブレと会うことになる。説明会でのオディロン・ボワイエの説明によるリシャール・ブレのプロフィール以外は情報がなかった。週日はこの豪邸での宿泊という形での訓練が始まって行く。
絵画を理解するには描き手のすべてを理解する必要があるとして、レオナルド・ダ・ヴィンチに関わる講義が始まる。莉子は徐々に、レオナルド・ダ・ヴィンチを深く知るようになっていく。一方で、ベル先生は、莉子と里沙に二人のチームとして真贋判定の直感力を養うトレーニングの実習を重ねていくことになる。1枚の真作と11枚の贋作をセットにされた12枚のある絵画の中から、一定ルールの手順で贋作をふるい落とし、真作を最後に残すというトレーニングなのだ。
この特別訓練の状況が、具体的にかなり詳細に描き込まれていく。そのプロセスで、莉子と里桜は互いに真贋判別のスキルを上達させたと確信していくのだ。
泊まり込みが42回目となった朝、最終テストを受けて、2人は合格だと知らされる。
だが・・・・である。この特別訓練にはとんでもないからくりが仕掛けられていたのだった。からくりが二重三重に仕組まれているところが実に巧妙である。モナ・リザの瞳に隠された文字についての内容もその一つ。
このトレーニングプロセスも結構楽しめるストーリー運びになっている。
3.鑑定に対する自信を喪失する莉子
特別訓練を終えた里沙は、展覧会の開始までと、万能鑑定士Qの店を再会する。馴染みの客が訪れてくる。ところが、莉子はどれもこれもトンチンカンな的外れの鑑定をしてしまう。真贋判定の直感、感性を最大限に伸ばした筈なのに、いつもなら即座にできたレベルの鑑定が出来なくなってしまっているのだ。なぜなのか? そこにある落とし穴が潜んでいたのだ。それが今回の事件簿の要でもあった。
自信を喪失した莉子は、臨時学芸員を辞退したいとブレ先生に告げ、里沙にもパートナーになれないお詫びを述べる。だがそこに、真の狙いが潜んでいたのだ。
4.小笠原の活躍と実験
莉子が自信を喪失した原因究明を小笠原が実施していく。小笠原は、以前に莉子の活躍で今は刑務所に入っている詐欺師・雨森華蓮の意見を求めに出かけて行く。華蓮は小笠原にアドバイスをするのだ。小笠原は、波照間島に飛び、莉子の前で実験を試みる。小笠原の調べた事実を莉子に伝えるのだ。
小笠原の果敢な調査が楽しめる。その結果、莉子が論理的思考力を取り戻すことになる。
5.隠された隠謀が白日に晒される最終ステージ
莉子が特別訓練を受けていた豪邸に再度立ち戻ってみることから、真相が明らかとなり始める。
「モナ・リザ」展開催のために搬入され、金庫室に保管されていたはずの「モナ・リザ」が金庫室から消えていた。
消えたからくりが莉子により解明される。そして、「モナ・リザ」の真作を意外なところから発見されることになる。
勿論、この隠された隠謀の解明がこの事件簿の読ませどころである。そこは読んでのお楽しみというところ。映画がどのように描いているか、見ていないので知らないが・・・・。 なかな巧妙に仕組まれたストーリー展開である。
ご一読ありがとうございます。
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本書関連の語句をいくつか検索してみた。一覧にしておきたい。
レオナルド・ダ・ヴィンチ :ウィキペディア
ダヴィンチの工房 トップ・ページ 作者:萬羽崇氏
モナ・リザ :ウィキペディア
Mona Lisa's eyes may reveal model's identity, expert claims
Tom Kington in Rome
The Guardian, Sunday 12 December 2010 19.49 GMT
モナ・リザの瞳に隠された文字、モデルの正体を告げる暗号か :「Gigazine」
2010年12月13日
1974年4月21日の新聞記事
鑑定眼テストとは?
「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」映画の公式サイトにおもしろいテストが!
このサイト、いつまで維持されるのか知りませんが、リストに加えておきます。
インターネットに有益な情報を掲載してくださった皆様に感謝します。
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(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません。
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)
万能鑑定士Qに関心を向け、読み進めてきたシリーズは次のものです。
こちらもお読みいただけると、うれしいです。
『万能鑑定士Q』 角川書店 ← 文庫本ではⅠとⅡに分冊された。
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅲ』 角川文庫
『万能鑑定士Qの事件簿 ⅩⅠ』 角川文庫
当初は、万能鑑定士Qの経営者・凜田莉子がフランスのルーブル美術館でダ・ヴィンチ作「モナ・リザ」に関わる事件の解決でもするのかと勝手に想像していたが、ちょっと筋を読み違えていた。
この作品は、「モナ・リザ」が日本に貸し出される。1974年の東京国立博物館での展示以来、37年ぶりに日本に来日し、展示されるという設定である。未曾有の大災害にみまわれた日本に対する芸術および経済の両面におけるフランス政府の最大の支援策として実施されるというのだ。そうなれば、当然ながら「モナ・リザ」が日本国内において、盗難あるいは贋作とのすり替えなどが発生しない防御策が最大限に講じられなければならない。つまり、事件は日本国内が舞台になる。そこがちょっと読み違えだった。
では、なぜ凜田莉子が「モナ・リザ」に関わっていくのか? いくら万能鑑定士といえども、評価の確定している「モナ・リザ」とは結びつかない。
そこは、なかなか巧妙な構成と展開になっている。
発端は、コヴェントリー生まれのイギリス人、ケネス・アリンガム(62歳)との偶然の応対から始まるのだ。場所は丸の内の三菱1号美術館、絵画の展示ホール。当日は震災の影響を考慮し、休館日に所蔵美術品の大々的なコンディション・チェックを日本中の鑑定家や目利きを総動員して行われていた。アリンガムは、ボストン出身のアメリカ人という偽名と美術商という資格で来館していたのである。彼は、尾形光琳と円山応挙についての専門家の意見を聞くために、展示ホールに歩を進め、莉子と出会い専門家の所在を尋ねた。連絡がつけばラウンジで待つというアリンガムに、莉子はコーヒーのサービスを買って出たのだ。そして、二人はしばらく会話をすることになる。アリンガムは莉子を将来が楽しみな逸材だと評価する。その場は、それで終わるのだが・・・・。
偽名を名乗るアリンガムは、木製小箱の忘れ物をして美術館を後にする。美術館の職員がその忘れ物気づく。アリンガムに応対した莉子がその忘れ物を届ける仕事を引き受けたことが、今回の事件簿として展開することになる。なぜか?
アリンガムが偽名を使っていたのには理由があった。彼はルーヴル美術館で20年にわたり学芸員をしていた経歴の持ち主である。特命を帯びて来日していたのだ。品川のマンションに住むことすら秘密にしていたにもかかわらず、莉子はそのマンションに直接忘れ物を届けることができたのだ。そこには莉子特有の観察力と合理的思考力が働いている。冒頭のこのエピソード自体がまずおもしろい。
アリンガムはお礼にその小箱の中身を莉子に見せる。それはフランス人の技師の仕上げたカンザシだった。アリンガムの説明無しに、莉子はそれが何であるかを指摘し、本物だと目を瞠る。そして莉子は、ルーヴルの連想から、去年の夏にルーヴル美術館で見た「モナ・リザ」が贋作だった印象を持ったとアリンガムに話したのだ。
また、莉子は週刊角川の記者・小笠原が莉子に持ち込んできた「海外の雑誌社のアンケート」に協力する。それは「モナ・リザ」を見た所感を答えるものだった。
これらの伏線が莉子と小笠原を霞が関の文化庁での説明会への招待通知に結びつく。それは、「モナ・リザ」の日本での展示について説明するものであり、かつ若干名の日本側スタッフの選抜への応募案内だったのだ。「モナ・リザ」の展示期間中、すべての取り扱いは作品に同行する150人からなる専門スタッフが一切担当する。しかし、展示期間中大がかりな科学鑑定を繰り返すことは困難なので、一見して真贋を見抜ける才能が必要であり、日本側のスタッフとして一定期間の訓練受講後に臨時学芸員となる人材を求めるというのである。莉子はその臨時学芸員への応募の案内を受けたのだ。
説明会では、オディロン・ボワイエが主旨と応募条件、選抜方法などを説明した。オディロンは分析とデータを重んじる科学鑑定の学芸員だが、「モナ・リザ」の真贋鑑定の権威は彼の同期のリシャール・ブレという学芸員であり、感受性の強さが真贋を見極めるという意見なのだという。そのリシャール・ブレが訓練を担当するという。
フランス側の要求する条件に合致する日本人の「臨時学芸員」数名を選び出すための説明会だったのだ。
そこで、ストーリーは次のステージを順次ステップアップしていく。
1.2週間後のフランス、ルーヴル美術館での選抜テストのプロセス
勿論、莉子はこのテストを受ける為に、フランスに向かう。莉子の担当記者として選定されていた小笠原悠斗が同行する。
このルーヴル美術館での選抜テストの方法がユニークであり、このテスト・プロセスが一つの読みどころでもある。
テスト結果の発表される日、ルーヴルに向かう途中、広場を横切ろうとしたとき、飼い主の許から逃げて駆けてくる一匹のチワワを小笠原は捕まえてやる。追いかけてきた老婦はイギリス英語風の発音で小笠原の礼を述べて、チワワを受け取り、リムジンの後部ドアを開け、車中に乗り込み、去って行く。日本帰国後、来日したこの老婦のファミリーとの突然の関わりが小笠原に生じてくる。それは日本国内での同行取材という目的で。ところが、この同行許可には思わぬ裏があったという次第である。
結果的に、この選抜テストに合格したのは、莉子と流泉寺里桜の2名だった。
2.学芸員リシャール・ブレによる2ヵ月間の特別訓練のプロセス
日本での特別訓練の場所は、外苑東通り沿いの閑静な住宅街にあるエンジいろの屋根を備えた洋館風の3階建ての豪邸である。住所は港区六本木七丁目33番8号。
莉子と流泉寺里桜が講義と訓練を受ける場所は部外者秘であり、小笠原といえども知らされない事になっている。この豪邸に出向いて、初めて莉子は里沙とともにリシャール・ブレと会うことになる。説明会でのオディロン・ボワイエの説明によるリシャール・ブレのプロフィール以外は情報がなかった。週日はこの豪邸での宿泊という形での訓練が始まって行く。
絵画を理解するには描き手のすべてを理解する必要があるとして、レオナルド・ダ・ヴィンチに関わる講義が始まる。莉子は徐々に、レオナルド・ダ・ヴィンチを深く知るようになっていく。一方で、ベル先生は、莉子と里沙に二人のチームとして真贋判定の直感力を養うトレーニングの実習を重ねていくことになる。1枚の真作と11枚の贋作をセットにされた12枚のある絵画の中から、一定ルールの手順で贋作をふるい落とし、真作を最後に残すというトレーニングなのだ。
この特別訓練の状況が、具体的にかなり詳細に描き込まれていく。そのプロセスで、莉子と里桜は互いに真贋判別のスキルを上達させたと確信していくのだ。
泊まり込みが42回目となった朝、最終テストを受けて、2人は合格だと知らされる。
だが・・・・である。この特別訓練にはとんでもないからくりが仕掛けられていたのだった。からくりが二重三重に仕組まれているところが実に巧妙である。モナ・リザの瞳に隠された文字についての内容もその一つ。
このトレーニングプロセスも結構楽しめるストーリー運びになっている。
3.鑑定に対する自信を喪失する莉子
特別訓練を終えた里沙は、展覧会の開始までと、万能鑑定士Qの店を再会する。馴染みの客が訪れてくる。ところが、莉子はどれもこれもトンチンカンな的外れの鑑定をしてしまう。真贋判定の直感、感性を最大限に伸ばした筈なのに、いつもなら即座にできたレベルの鑑定が出来なくなってしまっているのだ。なぜなのか? そこにある落とし穴が潜んでいたのだ。それが今回の事件簿の要でもあった。
自信を喪失した莉子は、臨時学芸員を辞退したいとブレ先生に告げ、里沙にもパートナーになれないお詫びを述べる。だがそこに、真の狙いが潜んでいたのだ。
4.小笠原の活躍と実験
莉子が自信を喪失した原因究明を小笠原が実施していく。小笠原は、以前に莉子の活躍で今は刑務所に入っている詐欺師・雨森華蓮の意見を求めに出かけて行く。華蓮は小笠原にアドバイスをするのだ。小笠原は、波照間島に飛び、莉子の前で実験を試みる。小笠原の調べた事実を莉子に伝えるのだ。
小笠原の果敢な調査が楽しめる。その結果、莉子が論理的思考力を取り戻すことになる。
5.隠された隠謀が白日に晒される最終ステージ
莉子が特別訓練を受けていた豪邸に再度立ち戻ってみることから、真相が明らかとなり始める。
「モナ・リザ」展開催のために搬入され、金庫室に保管されていたはずの「モナ・リザ」が金庫室から消えていた。
消えたからくりが莉子により解明される。そして、「モナ・リザ」の真作を意外なところから発見されることになる。
勿論、この隠された隠謀の解明がこの事件簿の読ませどころである。そこは読んでのお楽しみというところ。映画がどのように描いているか、見ていないので知らないが・・・・。 なかな巧妙に仕組まれたストーリー展開である。
ご一読ありがとうございます。
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レオナルド・ダ・ヴィンチ :ウィキペディア
ダヴィンチの工房 トップ・ページ 作者:萬羽崇氏
モナ・リザ :ウィキペディア
Mona Lisa's eyes may reveal model's identity, expert claims
Tom Kington in Rome
The Guardian, Sunday 12 December 2010 19.49 GMT
モナ・リザの瞳に隠された文字、モデルの正体を告げる暗号か :「Gigazine」
2010年12月13日
1974年4月21日の新聞記事
鑑定眼テストとは?
「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」映画の公式サイトにおもしろいテストが!
このサイト、いつまで維持されるのか知りませんが、リストに加えておきます。
インターネットに有益な情報を掲載してくださった皆様に感謝します。
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(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません。
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)
万能鑑定士Qに関心を向け、読み進めてきたシリーズは次のものです。
こちらもお読みいただけると、うれしいです。
『万能鑑定士Q』 角川書店 ← 文庫本ではⅠとⅡに分冊された。
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅲ』 角川文庫
『万能鑑定士Qの事件簿 ⅩⅠ』 角川文庫
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