これは1981年から2013年にかけて各誌に発表された短編を集めた作品集である。現在『奏者水滸伝 阿羅漢終結』(講談社文庫)と改題して発刊されている『ジャズ水滸伝』が出版されたのが1982年2月である。「今野 敏の作品リスト」の最初にこの出版が載っている。つまり、本書は著者が手がけてきた作品のジャンルを示すような短編集となっている。収録作品のタイトルに本書のタイトルのものがないので、ある意味で著者の取り組みの「軌跡」を表象するメルクマールの一つと言えるかもしれない。
本書には短編6作品が収録されている。著者の小説家の軌跡をみつめる意味で、本書の収録順ではなく、作品の初出順に並べなおして、簡単に作品の印象記をまとめてみる。参考に初出年月を記しておきたい。
< 飛鳥の拳 > 1981年3月 日本古来の拳法をテーマとした作品
『月刊レコード・ヅァン』の新人紹介欄や新譜のコーナーを担当するライターの里村が主人公である。里村は、編集者倉内にエネルギッシュなパワーが売り物の新人ロック・バンドのマネージャー、大久保に引き合わされる。ロック・バンド、ショウ・アンド・クラッシュのリーダー、滝沢昇のインタビュー記事を書く仕事の話である。倉内の出版社が別に出している空手・拳法のスポーツ誌『拳』が日本古来の拳法を取材に行く計画があり、その時に、滝沢昇を取材に参加させ、ロック・バンドのリーダーであるショウと日本古来の拳法との組み合わせでのインタビュー記事により、ショウとクラッシュのパワーの秘密を引気出そうというアイデアなのだ。
ショウは空手の黒帯を持っているという。里村自身も昔、少林寺拳法をやっていた経験があるのだ。
この作品は、日本古来の拳法を実見するために、河内平野にある河内飛鳥、二上山の近くに出かけるというストーリー展開である。その拳法とは、蘇我氏の拳法だという。
蘇我氏の拳法というふれこみには、オチがついているのだが、著者の武術についての研究、蘊蓄を盛り込むという関心が作家人生のスタートラインにあったのだ。このジャンルの関心が脈々と様々な作品に連なっているのである。
「柏原市」について、「かしはら」とルビがふられている。大阪の「柏原市」のホームページを見ると「かしわら」と読むそうだ。奈良にある「橿原市」は「かしはら」であるのだが・・・。読者は誤解のないようにしてください。
この作品の舞台となる「上ノ太子駅」は羽曳野市にあり、二上山や聖徳太子御廟所などは太子町にある。それらと奈良の明日香をつなぐのが竹ノ内街道なのだ。これは余談。
< 生還者 > 1981年8月 宇宙空間を舞台とするSF作品
作者のこのジャンルの作品は、本書でこの「生還者」を読んだのが初めてだ。著者作品リストを見るかぎり、『宇宙海兵隊』というシリーズに発展しているスタートラインなのだろう。
主人公はかつては優れた空間海軍の航海士であり、「時を超えし英雄に贈る」という文字が彫られ、盾にはめ込まれた金メダルを贈られたロッドとその息子カーチスの父子関係をテーマとした作品である。
ロッドは、第13コロニーで建造された恒星間三次元航法用の実用船・ポセイドンⅠ号の航海士としてテスト航行、準高速の旅に出る。ほんのささいな事故で勝手に航路が変わり宇宙空間の無限の淵に消え去ったのだが、生還したのである。
時空間が生み出した不思議な事態がテーマとなった小品。警察もの、武術・格闘技ものを読み進めてきた私には、著者の別の顔を見る思いである。こんなジャンルも手がけていたとは・・・・。新鮮な感じで古い作品を読んだ。
< タマシダ > 1983年9月 植物と語り、夢を見る男をテーマとした作品
わずか17ページというショート・ショートな作品。独り暮らしのわびしさから花屋のオヤジに勧められて鉢植えのタマシダを買って、タマシダにジョンという名前をつけて世話している男の物語。その男が、夢で見た話を会社で、技術畑の同期に語る。そこからおもしろい展開に・・・・。これも人間心理を扱った一種のSFショートである。
アイデアを思いつき、著者が一気に書き上げた作品のような気がする。
< オフ・ショア > 1992年6月 スキューバ・ダイビングと絡めた作品
これは一種のスポーツをテーマとし、そこに人間の心理、自己省察を絡ませていった作品。僕という文筆業の主人公が、歯医者にふられて徹底的にうちのめされる。その僕がスキューバ・ダイビングに出かけるのだ。己を癒やすための行動である。
この短編は、最後がこんな文で締めくくられる。
「思い出す時間と忘れる時間。その両方が必要なのだ。」
< 老婆心 > 2005年12月 殺人事件を扱い、心理調査官が登場する警察小説。
目署管内の私鉄のガードと伊勢中商店街のビルの壁に挟まれた細長い公園で死体が発見される。その日当番だった警視庁捜査一課第五係の大島巡査部長は湯島巡査と現場に出かける。大島刑事は40歳のベテラン、湯島刑事は所轄の刑事を経験して本庁にきたばかりの32歳の新人である。捜査本部ができ、大島・湯島は当然捜査に組み込まれる。被害者を代用検視するのが谷検死官であり、警察庁から研修で警視庁に出向してきている島崎優子心理調査官が加わってくる。谷が島崎の研修を担当しているからなのだ。
被害者はラップ・ミュージシャンを真似た服装であり、遺留品に、日本のアーチストでヒップホップ系のCDがあった。
捜査本部が立った翌日、大島が自宅に帰れないことを妻に電話連絡すると、故郷にいる大島の母が倒れたという知らせをうける。捜査本部を抜けられない大島は、捜査に集中できなくなる。そんな大島に谷が島崎を捜査に同行させ、面倒をみてやってほしいと頼まれるのだ。その島崎もまた、家族同然にしている猫が死にそうな状態であることに心を奪われていたのである。湯島は風邪をひいたらしくて浮かない顔をしている。それぞれが私的な悩みを抱えながら、捜査活動が進んで行く。
この作品のタイトルが「老婆心」とあるのは、大島が本来の意味での老婆心を持った刑事だと評価し、研修中の島崎心理調査官を預けたのだというところから来ている。この老婆心という言葉は、道元禅師が弟子に「老婆心が足りない」とよく叱ってなさったところから来ているのだそうである。谷検死官は大島刑事にその意味を説明する。そして言う。「事件もさ、老婆心を忘れなければきっと本筋が見えてくるぜ」と。
ちょっとおもしろい設定の作品である。
< チャンナン > 2013年2月 空手をテーマとした作品
主人公の設定が興味深い。小説家が本職である「俺」は自宅の地下に空手道場を設けて、空手の指導をしているのだ。海外にも空手道場の支部を持つくらいになっている。その俺が、準備運動から始まる稽古のプロセスを語り、空手の変遷を語る。稽古後の道場生との飲み会で、「チャンナン」と呼ばれた型に話が及ぶ。
深酒をしてしまい、なんとか自宅まで戻り、ベッドにもぐり込んだが、意識が途絶えてしまう。そして、目を覚ますと浜辺に寝そべっていたのだ。沖縄の砂浜に居る自分を発見する。チャンナンの世界に入っていく事になる。
つまり、空手の蘊蓄語りの後に、奇妙な展開に引き込んでいくおもしろさのある作品となっている。
著者と二重写しに感じさせるところも興味深い。
ご一読ありがとうございます。
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本書に出てくる用語で知らないものや気になるものをネット検索してみた。一覧にしておきたい。
グラフィティ :ウィキペディア
Graffiti tribute to Pratchett in London's East End :「ロイター」
動画が見られます。
タギング :ウィキペディア
taggingの画像検索結果
ヒップホップ系
古武道荒木流拳法 公式Webサイト
荒木流拳法 :「日本古武道協会」
第17回 西日本古武道大会 荒木流拳法 :YouTube
神道揚心流柔術 :「和道流」
揚心流 :ウィキペディア
揚心古流 :ウィキペディア
高木揚心流柔体術 TAKAGI YOSHINRYU JYUTAI-JUTSU :YouTube
中国の「角力」と日本の「相撲」を見る 北京外国語大学日本語学部主任 汪玉林氏
シュアイジャオ :ウィキペディア
スクーバダイビング :ウィキペディア
Scuba set From Wikipedia, the free encyclopedia
Timeline of diving technology From Wikipedia, the free encyclopedia
Horace Silver Quintet - Song For My Father :YouTube
拳聖喜屋武朝徳とは :「沖縄空手少林寺流 斯道の館」
糸洲安恒 空手の創始者 :「正統唐手成徳会」
糸洲安恒先生遺稿[糸洲十訓(唐手心得十ヶ條)]
船越義珍先生〔1868年~1957年〕 :「日本空手道松濤會」
船腰義珍の実力 長谷川光政氏 :「武術空手研究帳」
沖縄伝統空手総合案内ビューロー ホームページ
流派の紹介
屋部憲通 :ウィキペディア
本部朝基 :ウィキペディア
武士・本部朝基翁に「実戦談」を聴く! :「本部流」
聖現寺 本朝寺塔記 :「かげまるくん行状集記」
ニライ・カナイ :「沖縄の信仰」
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徒然に読んできた作品の印象記に以下のものがあります。
こちらもお読みいただけると、うれしいかぎりです。
『ペトロ』 中央公論新社
『自覚 隠蔽捜査 5.5』 新潮社
『捜査組曲 東京湾臨海署安曇班』 角川春樹事務所
『廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕』 幻冬舎
『闇の争覇 歌舞伎町特別診療所』 徳間文庫
=== 今野 敏 作品 読後印象記一覧 === 更新4版 (45冊)
本書には短編6作品が収録されている。著者の小説家の軌跡をみつめる意味で、本書の収録順ではなく、作品の初出順に並べなおして、簡単に作品の印象記をまとめてみる。参考に初出年月を記しておきたい。
< 飛鳥の拳 > 1981年3月 日本古来の拳法をテーマとした作品
『月刊レコード・ヅァン』の新人紹介欄や新譜のコーナーを担当するライターの里村が主人公である。里村は、編集者倉内にエネルギッシュなパワーが売り物の新人ロック・バンドのマネージャー、大久保に引き合わされる。ロック・バンド、ショウ・アンド・クラッシュのリーダー、滝沢昇のインタビュー記事を書く仕事の話である。倉内の出版社が別に出している空手・拳法のスポーツ誌『拳』が日本古来の拳法を取材に行く計画があり、その時に、滝沢昇を取材に参加させ、ロック・バンドのリーダーであるショウと日本古来の拳法との組み合わせでのインタビュー記事により、ショウとクラッシュのパワーの秘密を引気出そうというアイデアなのだ。
ショウは空手の黒帯を持っているという。里村自身も昔、少林寺拳法をやっていた経験があるのだ。
この作品は、日本古来の拳法を実見するために、河内平野にある河内飛鳥、二上山の近くに出かけるというストーリー展開である。その拳法とは、蘇我氏の拳法だという。
蘇我氏の拳法というふれこみには、オチがついているのだが、著者の武術についての研究、蘊蓄を盛り込むという関心が作家人生のスタートラインにあったのだ。このジャンルの関心が脈々と様々な作品に連なっているのである。
「柏原市」について、「かしはら」とルビがふられている。大阪の「柏原市」のホームページを見ると「かしわら」と読むそうだ。奈良にある「橿原市」は「かしはら」であるのだが・・・。読者は誤解のないようにしてください。
この作品の舞台となる「上ノ太子駅」は羽曳野市にあり、二上山や聖徳太子御廟所などは太子町にある。それらと奈良の明日香をつなぐのが竹ノ内街道なのだ。これは余談。
< 生還者 > 1981年8月 宇宙空間を舞台とするSF作品
作者のこのジャンルの作品は、本書でこの「生還者」を読んだのが初めてだ。著者作品リストを見るかぎり、『宇宙海兵隊』というシリーズに発展しているスタートラインなのだろう。
主人公はかつては優れた空間海軍の航海士であり、「時を超えし英雄に贈る」という文字が彫られ、盾にはめ込まれた金メダルを贈られたロッドとその息子カーチスの父子関係をテーマとした作品である。
ロッドは、第13コロニーで建造された恒星間三次元航法用の実用船・ポセイドンⅠ号の航海士としてテスト航行、準高速の旅に出る。ほんのささいな事故で勝手に航路が変わり宇宙空間の無限の淵に消え去ったのだが、生還したのである。
時空間が生み出した不思議な事態がテーマとなった小品。警察もの、武術・格闘技ものを読み進めてきた私には、著者の別の顔を見る思いである。こんなジャンルも手がけていたとは・・・・。新鮮な感じで古い作品を読んだ。
< タマシダ > 1983年9月 植物と語り、夢を見る男をテーマとした作品
わずか17ページというショート・ショートな作品。独り暮らしのわびしさから花屋のオヤジに勧められて鉢植えのタマシダを買って、タマシダにジョンという名前をつけて世話している男の物語。その男が、夢で見た話を会社で、技術畑の同期に語る。そこからおもしろい展開に・・・・。これも人間心理を扱った一種のSFショートである。
アイデアを思いつき、著者が一気に書き上げた作品のような気がする。
< オフ・ショア > 1992年6月 スキューバ・ダイビングと絡めた作品
これは一種のスポーツをテーマとし、そこに人間の心理、自己省察を絡ませていった作品。僕という文筆業の主人公が、歯医者にふられて徹底的にうちのめされる。その僕がスキューバ・ダイビングに出かけるのだ。己を癒やすための行動である。
この短編は、最後がこんな文で締めくくられる。
「思い出す時間と忘れる時間。その両方が必要なのだ。」
< 老婆心 > 2005年12月 殺人事件を扱い、心理調査官が登場する警察小説。
目署管内の私鉄のガードと伊勢中商店街のビルの壁に挟まれた細長い公園で死体が発見される。その日当番だった警視庁捜査一課第五係の大島巡査部長は湯島巡査と現場に出かける。大島刑事は40歳のベテラン、湯島刑事は所轄の刑事を経験して本庁にきたばかりの32歳の新人である。捜査本部ができ、大島・湯島は当然捜査に組み込まれる。被害者を代用検視するのが谷検死官であり、警察庁から研修で警視庁に出向してきている島崎優子心理調査官が加わってくる。谷が島崎の研修を担当しているからなのだ。
被害者はラップ・ミュージシャンを真似た服装であり、遺留品に、日本のアーチストでヒップホップ系のCDがあった。
捜査本部が立った翌日、大島が自宅に帰れないことを妻に電話連絡すると、故郷にいる大島の母が倒れたという知らせをうける。捜査本部を抜けられない大島は、捜査に集中できなくなる。そんな大島に谷が島崎を捜査に同行させ、面倒をみてやってほしいと頼まれるのだ。その島崎もまた、家族同然にしている猫が死にそうな状態であることに心を奪われていたのである。湯島は風邪をひいたらしくて浮かない顔をしている。それぞれが私的な悩みを抱えながら、捜査活動が進んで行く。
この作品のタイトルが「老婆心」とあるのは、大島が本来の意味での老婆心を持った刑事だと評価し、研修中の島崎心理調査官を預けたのだというところから来ている。この老婆心という言葉は、道元禅師が弟子に「老婆心が足りない」とよく叱ってなさったところから来ているのだそうである。谷検死官は大島刑事にその意味を説明する。そして言う。「事件もさ、老婆心を忘れなければきっと本筋が見えてくるぜ」と。
ちょっとおもしろい設定の作品である。
< チャンナン > 2013年2月 空手をテーマとした作品
主人公の設定が興味深い。小説家が本職である「俺」は自宅の地下に空手道場を設けて、空手の指導をしているのだ。海外にも空手道場の支部を持つくらいになっている。その俺が、準備運動から始まる稽古のプロセスを語り、空手の変遷を語る。稽古後の道場生との飲み会で、「チャンナン」と呼ばれた型に話が及ぶ。
深酒をしてしまい、なんとか自宅まで戻り、ベッドにもぐり込んだが、意識が途絶えてしまう。そして、目を覚ますと浜辺に寝そべっていたのだ。沖縄の砂浜に居る自分を発見する。チャンナンの世界に入っていく事になる。
つまり、空手の蘊蓄語りの後に、奇妙な展開に引き込んでいくおもしろさのある作品となっている。
著者と二重写しに感じさせるところも興味深い。
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グラフィティ :ウィキペディア
Graffiti tribute to Pratchett in London's East End :「ロイター」
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ヒップホップ系
古武道荒木流拳法 公式Webサイト
荒木流拳法 :「日本古武道協会」
第17回 西日本古武道大会 荒木流拳法 :YouTube
神道揚心流柔術 :「和道流」
揚心流 :ウィキペディア
揚心古流 :ウィキペディア
高木揚心流柔体術 TAKAGI YOSHINRYU JYUTAI-JUTSU :YouTube
中国の「角力」と日本の「相撲」を見る 北京外国語大学日本語学部主任 汪玉林氏
シュアイジャオ :ウィキペディア
スクーバダイビング :ウィキペディア
Scuba set From Wikipedia, the free encyclopedia
Timeline of diving technology From Wikipedia, the free encyclopedia
Horace Silver Quintet - Song For My Father :YouTube
拳聖喜屋武朝徳とは :「沖縄空手少林寺流 斯道の館」
糸洲安恒 空手の創始者 :「正統唐手成徳会」
糸洲安恒先生遺稿[糸洲十訓(唐手心得十ヶ條)]
船越義珍先生〔1868年~1957年〕 :「日本空手道松濤會」
船腰義珍の実力 長谷川光政氏 :「武術空手研究帳」
沖縄伝統空手総合案内ビューロー ホームページ
流派の紹介
屋部憲通 :ウィキペディア
本部朝基 :ウィキペディア
武士・本部朝基翁に「実戦談」を聴く! :「本部流」
聖現寺 本朝寺塔記 :「かげまるくん行状集記」
ニライ・カナイ :「沖縄の信仰」
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その点、ご寛恕ください。)
徒然に読んできた作品の印象記に以下のものがあります。
こちらもお読みいただけると、うれしいかぎりです。
『ペトロ』 中央公論新社
『自覚 隠蔽捜査 5.5』 新潮社
『捜査組曲 東京湾臨海署安曇班』 角川春樹事務所
『廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕』 幻冬舎
『闇の争覇 歌舞伎町特別診療所』 徳間文庫
=== 今野 敏 作品 読後印象記一覧 === 更新4版 (45冊)
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