1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 この法話は、今朝、Xに投稿させてもらった話の追加分です。

2023-10-31 10:06:53 | 法話

【 臨時法話。今日は10月の晦日(みそか)ですね 】


今朝、ホテル(浦安駅前)の朝食会場で、3歳の女の子と1歳の男の子と悪戦苦闘している父親がおられました。拙僧夫婦の横席にいた男の子(小学生かな)が「お母さん、この家族のお母さんは何してるんだろうね」と、その父親の大変そうな姿を見て、少し不服げな顔を。対し、この男の子の母親が「今、このご家族のお母さんは、部屋で乳飲子の世話をしてるのかも知れないね。このお父さん達が部屋に戻ってから、お母さんの朝食時間(バトンタッチ)なのかもよ」と言うと、少し気まずそうな顔をして「そうなんだ。そうか、そうだよね。僕のお父さんは今、部屋で荷物の整理をしてくれてるもんね」と男の子が。拙僧、この母と子の会話を聞きながら『このお母さん、賢い方だな』と。男の子の決め付けの考え方を直接的に指摘せず『目の前に見えている状況だけで、自分勝手に判断しちゃ駄目だよ。こんな物の見方もあるんだよ』を教たんだな、と。『子供は、誰が育てるか、誰に育てられるか』は、非常に重要な事。子供は、親が育てただけしか、育ってませんもんね。


さて、今日、9時半の新幹線に乗って、東京(仕事で上京)から、高野山へ。今年の御礼報謝に伺います。別格本山大圓院様に宿泊し、藤田ご住職さんとお話をさせて頂くが、毎年暮れの楽しみになっております。ところで、今日までですよね、新幹線内の車両販売は。これからは、モバイルオーダーが始まるそうですが。最後なので、大好きな硬いアイスクリーム『スジャータ』を女房殿に買ってもらいます。今日は、買ってくれると思います。


次回の投稿法話は、11月1日に総集法話を。





【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 140字の短文法話から、少し長めの法話に変えさせてもらった理由。

2023-10-29 22:28:01 | 法話

【10月30日投稿分】


今日(約10年間)までに、SNS に投稿させて頂いた法話は、約3000話程に。以下のもの(投稿 1、2、3、)は以前、X(元Twitter)のみに投稿をさせてもらった法話。法話に対する返信メールの中には「住職の法話は、140字の俳句ですね」と深読みをしてくれる人達もいれば、含み言葉を深読みして頂けず、自論、文句などのメールを送ってこられる人達も。拙僧の法話を少々長文にしている理由は、少しでも読者(小学生、中学生も含)が理解し易く読める様に、との思いから。そんな理由など関係ない。文が長い、鬱陶しい、と思われるお方は、どうぞ、無視をしてくださいませ。


【投稿1】


読者女性が「外国では結婚届を出す時に、弁護士立ち会いで離婚届を作成しておく、なる話を聞いた事がありますが、これは離婚した時に、様々面倒臭い事を避ける為、と。これ、いいですよね」と。「英国がそれ、と英国人に嫁いだ妻妹がそう言ってたよね。が、それをしている夫婦は仲が良いと。将来の安心を保証してもらって、生活が営めるからかな、と妹が」と。


更に、この女性が「旦那が死亡した時点で、旦那の両親や親族との関係を解消出来る『姻族関係終了届』なる法律があるとか。つまり、旦那の遺産、遺族年金は相続のまま、死亡した旦那と離婚出来ると。本当ですか」と。「あるみたいだね。何人かの知人がそれを。が、その人達は旦那の両親の世話をしてるよ。いつでも解消出来るが、ストレス軽減になってるのかな」と。


【投稿2】


読者男性が「60歳を超えて、うんこの出が悪なった。主治医から『そろそろ薬の力を借りる歳だよ』と。それはわかるんだが、なんか、薬以外の手立てを知らんか、住職」と。「ロダンの『考える人』のブロンズ像があるでしょ。あれは、地獄の門の上で熟考するダンテ、と言われていますが、最もうんこをするに良い姿勢を表しているとも、言われてますよね」と。


読者男性が「じゃ、住職よ。和式の便所は、理に適ってたという事かい」と。「その筋の専門家は、そうだという人がいますよね。但し、昨今の子供達は、あの体勢をさせると、後ろにすっ転がって、体勢維持が出来ないそうだもんね。あっちこっちの筋力がない、との事なんだ」「便利な世の中になったからかな、根本の人間の力を失ってきたんだろうな」と。


【投稿3】


読者女性が「番組で運動会の『ジェンダーレス徒競走』が物議を。男女混合で競争させれば、そりゃ、体力に上回る男子が、全て1位になるは当然の事だよね。オリンピックでも男性の記録に、女性の記録が、上回ってるものなどないでしょ。なんかこの頃、おかしくないですか。無理矢理、平等を固辞入れようとする傾向」と。「平等と公平は、そもそも違うもんね」と。


某党の代議士達と拙僧、意見交換した折「健全者を対象として、時給千円で4時間働けば4千円、8時間働けば8千円、は当然ですよね。『同等にせい』と、これに文句を付ける人達がいますが、人間に働き者と怠け者がいる以上、この差が出来るは当然の事。平等と公平は、根本的に違うと思うのですが。これについて、どう思われますか」と代議士の先生方に尋ねた事が。


【投稿4】


檀家若者が「住職は、カッコよく人を助けた事ってあるか」と。「数年前、食堂で拙僧の娘と同じ年頃の女性が、2人の男性にしつこくナンパされ困ってるを見て、家内と近寄り『何や、お前の知り合いか』と声を掛け、その男性らを退けた事が」「それは、それは。常日頃、住職は作務衣でウロウロしてるんでしょ。怖い人かと、ナンパ師は思ったろうね」「さあ」と。


カッコ良かったといえば、拙僧が30代の頃、繁華街でヤンキーが数台、車を路上に止め、救急車の妨害を。そこに極道風の男性がやって来て、低い声で物静かに「救急車がどれだけ有難いものか、お前達、1度、大怪我して乗ってみるか」と。ヤンキーは顔色を変え、即、逃走を。周囲から自然と拍手が起こり、極道風の男性は照れながら、人混みの中に。これには、スカッと。


【投稿5】


不当寄附勧誘防止法が、令和5年4月に第210回国会で、罰則を含んだ法律が成立、施行が決定を。やっと、やっと信仰界にメスが。「悪霊、先祖が祟っとる。除いてほしくば、金を出せ、と言われた」との拙僧への相談は、今日まで後を絶たず。釈迦も達磨も各祖師も、脅して指導したなんて話、聞いた事がない。これで少しは、信仰による犠牲者が減るかも。


先祖、悪霊が祟る、以外に、家相を出汁に使われて、拝み屋さんから多額のお祓い料を取られている人が『拙僧のところへ相談に』は少なからず。悪の根元と指摘された便所、風呂を毛嫌いするその人達(相談者達)に「毎日、大小便させてもらって、体を綺麗にしてもらっているに。毛嫌いする前に、有難う、が先でしょ。感謝の心で生活すれば、全てが好転するよ」と。


【最後に】

拙僧も『出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝』というグループを持っておりますので、過去の法話を読む事が出来ます。また、Instagramでも『tentokuz-kongouji山本英照』、facebookでも『山本英照』、X(元Twitter)でも『天徳山金剛寺』、また、生声法話のSpoon (@kongouji 093、天徳山金剛寺)で検索して頂きますれば、同じく過去の法話を読む(聞く)事が出来ます。そちらの方にもどうぞ、お越しくださいませ。


次回の投稿法話は、11月5日になります。








【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 銀行というところは、支店長によって対応の仕方が、かなり違いますよね。わが寺は、よか支店長に縁があり、大変助かりました。

2023-10-26 17:35:26 | 法話

【 これは昨年の4月中旬頃に投稿した法話です。昨今、檀家さん達の間で結構、銀行に対する不満が出ておりますので、この話が何かしらの参考になりますれば 】


読者が「番組『ダウンタウンDX 』で出演者が、銀行に小銭を大量に持って行ったら『幾らあるか数えて下さい』と言われたとの事。住職のところはお賽銭があるでしょ。どうしてるの」と。「そんな事を言ってくる銀行はあるとは聞いてはいましたが、拙僧がお世話になってる信金は、入金手数料は取られますが『数えろ』とまでは、ないですよ」と。


この読者が「数えろ、と言われたら、どうしますか」と。「数えなくてもよい銀行に、移るかもしれないね。結局、銀行側は煩わしいのかな。『数えろ』なんて言われたら、頭にきて他に持っていくだろう、と、もしかしたら、そう思ってるのかもね。ただ、そうなれば、顧客を失うというリスクも。仮に、小銭を数えて持って行ったとしても、銀行はまた、数え直しをするでしょ。その日の業務終了後に1円合わなくても、夜中までその1円の行方を探すと、拙僧知人(高校時代の友人)の銀行員が言ってたよ。『面倒臭いから、誰か1円出しとけや』では、済まんらしいよ」「という事は、銀行側は、面倒臭いからそう(手数料、数えて来い)した、に落ち着くのか」と読者が。

 

因みに、銀行といえば、20年程前にこんな話が。檀家の爺様が癌に。先を心配して爺様が、預金を全て婆様名義に。間もなくして、婆様が痴呆に。この夫婦には子供も、遺産相続者もいないので、戸籍と婆様の診断書を持って拙僧、爺様を連れて銀行に。すると支店長が「奥様直筆の委任状がないと、どうしようもないですね。キャッシュカードを作っておれば、私達も見て見ぬ振りが出来るのですが。こういうお金が銀行には沢山あって、我々も困ってるんですよね」と。これには流石にカチンときて「カードでの引き出しを、見て見ぬ振りが出来るのなら、通帳で降ろしてやってもいいじゃないですか。こういうお金があって困ってるとは、どういう事ですか。この様なお金(お客の預金)を運用して、あなた達はご飯を食べてるんでしょうが」と。が、結局、受け入れられず、爺様「自分が一生懸命働いて、女房と2人で貯めてきたお金なのに」と泣いて拙僧に。結果、亡くなるまで、100円降ろすのにも、司法書士に書類を書いてもらい、裁判所に提出し、認可をもらって銀行に。以後、わが寺の檀家お年寄り達には「全て普通預金にして、キャッシュカードを作り、信頼出来る人に預けておきなさい」と指示を。最近は少しだけ、緩和されたみたいですけど。これじゃ、箪笥預金は減らないよね、金利も安いし。


某銀行本部次長さんに拙僧、講演会を依頼された特、その次長さんに「銀行の名前は言えませんが、こんな事(上記の話)があったのですが、次長さんならどうされますか」と尋ねると「私なら黙って、お金を引き出してやったかな。但し、日本銀行にその事がバレたら、責任問題になりますが」と。「そうなんですね。銀行側も色々と大変なんだ。だけど、上に立つ人(対応する人)によって、融通を利かせてくれる人もおられるんだ」と。すると、話ついでにこの次長さんが「昨今の銀行を、住職はどう見てますか」と。「そうですね、拙僧父の時代(40年前)は、支店長に融資の権限が。が、今ではほとんどが本部決済。拙僧が融資を依頼した時も、通るまでには、かなりの時間が。お金は人間の体でいうところの血流。この血流が悪くなったら、病気に。支店長に融資の権限が与えられていた時代の方が、街は元気だった様な気がしますよね。映画『踊る大捜査線』で、青島刑事役の織田裕二さんが『事件は会議室で起こってるんじゃない。事件は現場で起こってるんだ』と言ったセリフは、世間に向けての風刺だったんじゃないかな」と。この会話をした頃から、20年以上経ちましたが、今はどうなん(銀行対応)でしょうね。


これは余談ですが、ドラマ『半沢直樹』を見た時に拙僧、大学時代(40年以上前)を思い出しました。バイト先で縁あった金融業の社長さん(その方は、任侠界の人)が「わしらは弁護士が出てきたら、悔しいが引くしかない。が、最もエグいは銀行だよ、山本君(拙僧の事)。平気で掛けた梯子をはずして、根こそぎ回収していきよる」と。檀家の中にもそういう仕打ちを銀行からされた人が、過去に何人(自営業者)かいましたね。勿論、全ての銀行がそうではないと思いますよ。拙僧が世話になった信金の支店長さんは、常に庶民の味方をしてくれてましたもんね。


次回の投稿法話は、10月30日になります。






【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 普通の生活がどれ程に有難いか、身に沁みて思い知らされたコロナ禍真っ只中で、人間は戦争ば、おっ始めよる。

2023-10-24 18:50:49 | 法話

【 10月25日投稿分 】


2022年2月24日から始まったウクライナ戦争以降、国内外を問わず、下記の様な若者からのメールが時折、入ってまいります。先日もイスラエル紛争勃発後に、下記の様な会話が読者外国人若者と拙僧との間で交わされました。拙僧妻の妹は英国人に嫁ぎ、4人の子供を。先日、2ヶ月間日本にいたその妹の息子(22歳)は、母親が日本人なので日本語が大変に流暢。この度、会話した外国人若者も、その様な経緯の子供なのかも。


外国人若者読者が「住職さん。地上、どの位まで空に上がって下を眺めれば、地球が平和そうに見えるのかな」と。対し、拙僧「面白い疑問(表現)だね。そうだね、地上の人間が見えなくなるまで空高く上ったら、地球が平和に見えるかもね。いやいや、そうではないか。ロケット弾を撃ち込まれたら、火柱と煙が立ち、もしかしたら爆音までもが聞こえるかもな。それを確認する事が出来ないくらい、地上高く上がらないと、駄目か」「じゃ、相当だね。という事は、地球から人間が消えてなくならないかぎり、地球は平和に見えないという事か。人間が地球から消えたら、他の生物は過ごし易い環境になるのかな」「いやいや、人間が消えてなくならなくても、人間が欲さえ抑える事が出来たら、随分と違ってくるんじゃないかな。そう思うけどね」と。


続けて拙僧、この外国人若者に「人間の総数は、地球の総生物の0、01%に過ぎず、誤差として無視出来る程僅かであると、その筋の識者達が。地球上に生物は何種類いるかといえば、137万種以上もいるんだと。その内の7割が最も繁栄した生物で『昆虫』であると。地球に生物が現れて38億年。人間の得手勝手で生態系のバランスが崩れ、環境破壊(18世紀に英国から起こった産業革命以来、僅か300年程で、地球をこんな状態に)も加わって、今、6回目の大量絶滅(過去4回は火山大爆発が要因、残り1回は1億年前の白亜紀恐竜時代、隕石落下が要因)の危機状況にあると専門家達が。この見解が話半分だとしても、考慮せにゃならん問題である事には違いないよね。人間が人間以外の生物の弱肉強食(捕食為の殺し)にあまり関心がない様に、人間以外の生物も、人間(地球上の総生物の0、01%)同士の殺し合いには、何の関心もないだろうね。0、01%が消えようが、消えまいが、地球にとっては、何の影響もないだろうね。何をやってんだろうね、人間は。昆虫(総生物の7割が昆虫)の星(地球)で、我が物顔で高飛車に振舞って」と。


対し、この外国人若者が「人間が地球から消えると、そう長くない期間で地球はジャングルに変わる、と言われてますよね」と。「庭の草を放置していたら、一夏で草ぼうぼうになるもんな。そろそろ地球という生命体が『もう人間は、ここら辺でよくないか。黙っときゃ、好き放題やりやがって』と人間に対し、怒りを露わにし、排除(リセット)の方向に。その後、本来の自分の姿(地球の姿)に戻して、新たな生命体にこの星の事(将来)を託していくかも。地球の長い歴史の中で、絶滅していない生命体は1種類もない、と言われてますもんな。もう既に、人間に対する地球の怒りが、あちこちに現れている様な気がするが」と。


対し、外国人若者が「牛(狂牛病)、鳥、豚(インフルエンザ)など『もう、お前達(人間)には、食べさせん』と言わんばかりに病気にさせてるも、地球の怒りなのかな。残飯量(他生物を殺して、食い散らかして、捨てる)においては、日本は世界においてトップクラスですもんね。段々と酷くなっている異常気象(台風、地震、ゲリラ豪雨による洪水、温暖など)も、地球の怒りの1つなのかな。如何に、文明、科学が発展しても、自然の猛威に人間は、木っ葉の如く右往左往逃げ回るしかないですもんね。地球(自然界)の怒りに対し人間は、もう、お手上げ状態なのかな、住職」と、この外国人読者若者が。


対し、拙僧「いやいや、それが、そうでもないかもよ」と。「えっ、何かまだ、改善の余地が残ってるって事ですか」「具体的な改善策は拙僧、その筋の専門家じゃないからわからないが、コロナのお陰で人間は、ヒントをもらえた様な気がする」「どういう事ですか」「例えば、ロサンゼルスだが、この街は年中、スモッグで視界が。ところが、コロナで人間の足が止められ、遠くまで視界が見通せる様に。他にも、スエズ運河、パナマ運河では、あれほど海水の濁りが酷かったのが、コロナが人間の足を止めてくれたお陰で、かなりの水深まで海底が見透せる様に。『なんだ、環境改善をやろうと思えば、出来るんじゃん』ってなもんだよ。要はそれを人間が、やるか、やらないか、という事だけ。まあ、しかし、コロナが落ち着いたら、また、欲が優先するのかな、人間は。普通の生活がどれ程に有難いか、身に沁みて思い知らされたコロナ禍真っ只中においても、ロシアは戦争をおっ始めたもんな。喉元過ぎれば熱さを忘れるが、人間の性、だもんね。情けなかは、人間」と。


次回の投稿法話は、10月30日になります。投稿写真は、右側がコロナ前のロサンゼルスと、左側がコロナ禍中のロサンゼルス。





【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 高齢化社会になって、色々と考えらにゃならん事が。

2023-10-22 18:16:04 | 法話

【 臨時法話。これは昨年4月中旬頃に投稿した法話になります。自分の身は、自分で守らにゃならん事が、必須になってきた今日この頃、何かの参考にして頂きますれば 】


独居の檀家婆様が「最近な、住職よ。立て続けに怪しげなセールスマンが訪問して来る。何か怖いよな」と今日、仏壇参りに伺うと。「居住状況を調べりゃ、簡単にわかる(独居かどうか)時代だもんね。拙僧が大学時代、古い手だけど女子学生達が、玄関先にエナメルの白い靴を置いていたり、極道さんが着る様な背広を、外から見える位置に掛けてたよ。結構に効き目があったみたい。警察官の制服の様な物や、または、男物の服でもいいかも。取り敢えず、そんな物を置くってのは、どうよ」と。


すると、婆様が「1人暮らしは、観察してたら、わかりゃせんかいな。それって、通じるんじゃろか」と。「少しは効き目がありゃせんかな、何もせんよりも。一緒に住んでないにしても、息子か孫にその筋の人が、もしかしたら、いるのかも、と思ったら、流石にそんな危険なリスクを背負ってまで、押し寄せては来ないのかな、と思うけど。それと、ペット用のカメラを玄関入り口に向けて置いておくも、有効だと思うよ。家族かどこかに、この映像がライブで繋がっておると思ったら、流石に怪しい人間は帰っていくよ。わが寺の檀家には、老人1人暮らしの家が結構あって、その中の何軒かは、このペット用映像カメラを置いてるよ。目的は勿論、生存確認だが、如何に親とて、プライバシーの問題があるので、倒れ易い場所とはいえ、風呂やトイレに置くわけには。常に使用する台所と、出入りする玄関に1台づつかな。その場所に長い時間、親が映らなかったら、もしかしたら、と思うでしょ」「なるほど、そりゃ、いい手だ。早速、息子に相談してみるわい」と。


余談ですが、時折、読者の方々が「住職は、SNS に3000話以上の法話を投稿されていますが、よくそんなにネタがありますね」と。「ないよ。1人の人間の経験値なんて、たかがしれとる。拙僧の法話のネタ元の大半は、檀家のご老人達の知識、知恵、経験を参考にさせてもらったもの。仏壇参りに伺うと、誰かと喋りとうてたまらんご老人達が、首を長うして待っとる。その会話の中には、教訓になる様な話が山ほどあってね。勿論、そのままは書かないよ。何人かの似通っている話を組み合わせて、アレンジして投稿しています。アレンジといっても、嘘は書きませんよ。対し、ご本人達は『あっ、この部分は、わしの事だ』と、大変喜んでくれてます。自分の経験(話)が活字に載って世間に知れるなんて、そうそうないですもんね。嬉しそうに家族、親族、知人達に自慢をしている様です。ご老人達との会話は、2時間、3時間はザラ、時には5時間を超える場合も。それもその間に、何度も同じ話が繰り返される。『また、この話に戻ったか』とヘキヘキしながら、ボ〜、と聞いておったら、何の教訓も受け取れません。拙僧にとってこの時間(ご老人との会話)は、研修の時間ですね」と。


次回の投稿法話は、10月25日になります。