1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 大阪、京都に仕事へ。京都に行くと必ず、下京区小田原町の懐石料理店『松粂(まつくめ)』さんへ。

2024-01-29 21:00:28 | 法話

【臨時法話】 


現在、大阪、京都へ仕事に。今晩は、下京区小田原町(五条通近く)にある懐石料理店の松粂(まつくめ)さんに。定休日でない限り、京都に仕事で伺った時には、必ずこのお店に。5年程前に偶然入店したのがきっかけで、それからはずっと。値段はリーズナブルで、近所の京都の町衆(ご老人達)が集まっておられ、京都風情が味わえるお店です。檀家さん達には「京都に行ったら是非に」と紹介を。この事を以前、法話で載せたら読者さんから「住職が行かれた日(夜)の昼に行っておりました。夜だったら会えたのに、残念です。ホームページでお顔はわかってますので。大将(店長)は中学の同級生で、昔は『仕出し屋さん』だったんですよ」と。「そうなんですね、それで美味しいんだ」と。大将ご夫婦と、バイトの女子大生数人でやっておられる、こじんまりとした雰囲気の良いお店です。


大学(京都の龍谷大学)を出て、もう40年に。早いもんですね。学生時代の1番の思い出は、楽しい学生生活と言いたいところですが、朝7時から夜10時まで4年間、ほぼ毎日働いたバイトがやはり1番の思い出ですかね。講義は、と言えば仕事の合間に。よって、コンパとか色々学生時代に満喫する事は、ほぼやった事がないですね。バイトの方が思いっきり楽しかったもんで。そのバイト先でお客さんだった極道の方々(満州帰りの店長の知人)との交流は、非常に勉強になりましたね。住職になった今でも、その時の教訓は参考になっております。その教訓の中でも、金融業を営んでおられた極道さんの言葉「山本君(拙僧)よ、お金、時間にルーズな奴は、全てにおいてルーズや。酷い奴になったら、お金を借りとる事すら忘れよる。わしらはそんな連中を相手にせにゃならん。こいつはどうしようもないな、と判断したら、丸裸にしてやる。人間、裸で生まれてきたんだから、立ち直らせようと思ったら、丸裸にしてやるが、最も早い近道や(詳細は過去の法話で投稿。今回は略)」は、印象深い言葉でしたね。いや〜、懐かしいですな、40年以上前の話です。


下記で過去の法話を読む事が出来ます。


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次回の投稿法話は、2月1日になります。投稿写真は、松粂さん。





【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 結婚相手を選ぶ時は、彼氏の父親を見て、彼女の母親を見て、決めるがよかろうかな。誰に育てられたかは、大事にて。

2024-01-27 21:26:24 | 法話

【臨時法話】


読者女性が「1月25日の投稿法話を読みました。住職さんは奥様を、本当に大切にしておられるんですね。私の知人、友人には、亭主関白の夫婦が多いので、是非ともこの日の法話を紹介したいと思います」と連絡が。対し、拙僧「結婚は、競馬で馬券を買うに同じ。どれが勝ち馬か負け馬かもわからんのに、男女共が人生を賭けての大博打です。そんな大勝負を私に賭けてくれた人(妻)を裏切る訳にはいかんでしょ。勝敗(各々基準は別)は時の運もありますが、相手(伴侶)を納得させられるだけの努力はやらないとですね。この話も含め、学校講演に呼ばれましたら、保護者の方々に向けて、必ず次の様な話をします。


『世に、頭が高い、と言われる人達がいますが、案外に力のないのが多い。力がないから威勢を見せつける為、威張った態度をとる。弱い犬ほどよく吠える、とはこの事にて。能ある鷹は爪を隠す、と言いますが、能(実力)がないから、爪を剥き出しにして威嚇してくる。本当に力のある人は、弱い人を支える側に立つもの。拙僧は買い物などに行った時、妻(拙僧より4つ下)に荷物を持たせた事がありません。どんな軽い、小さな荷物でも、必ず拙僧が持ちます。街中に出ると、か細い奥様が両手に荷物を持って歩かれているその前を、主人の威厳を履き違えた旦那が、手ぶらで偉そうに歩いている姿を、ほんとによく見かけます。バカと変わらん。荷物を持ってやらんかい、と周囲は見とりまっせ。それと、家庭のゴミ出しですが、これを奥様にさせている旦那が多いと、結構耳にするんですよね。拙僧は妻にゴミ出しをさせた事がないので、これには、ほんなこつ、たまげました。旦那がゴミ出しをしない理由ですが、その中で最も呆れた理由は、男(主人)にゴミ出しなんかさせるな、というもの。ほとほと空いた口が塞がらん。今1つは、昨今はあまり聞かなくなった言葉ですが、あまりですよ、俺が働いてお前(奥さん)に飯を食わせてやってるんだ、というもの。いやいや、違うでしょ。交通事故で1ヶ月入院された専業主婦さんの賠償を、どこぞの地裁が、1日9800円×日数、つまり、専業主婦の月給は約30万円と言いおった。この金額が妥当かどうかは、各々異論はありまっしょうが、旦那が安心して外で働けるは、奥さんが家庭を守ってくれてるからでっせ。まさか、とは思いますが、この講演会におらっしゃるお父さん達に、こんな情けなか旦那はおらんでしょうな。この話は、拙僧が妻を大事にしている事の自慢話をしている訳じゃなかですよ。父親と母親がお互いを尊敬し、助け合い、労りあって生きている姿を見て育った子供は、やはり違いますもんな。躾(しつけ)は、するものじゃない。躾は、見せるものですばい』


と、学校の講演会では常に保護者さん達に。すると講演後、決まって数日後に数名ですが、奥様から『あの講演会以来、旦那が荷物を持ってくれる様になりました。有難うございました』とのお礼の手紙が拙僧のところに届きます。昭和の頃に比べたら、奥様を大切にする旦那は増えてきた様には感じます(拙僧への夫婦間相談の範疇)が、それでもまだまだ、亭主関白の話は耳に入ってきますよね。『蛙の子は蛙(父親と息子、母親と娘)』のケースが多いのかな」と。


続けて拙僧、この読者女性に「偶に、檀家の独身女性から『結婚相手を選ぶ時、どこを注視して決めたらいいですか』なる問い掛けが。対し、拙僧『確認せにゃならん事は色々、様々あるが、結婚してもいいかな、と思う彼氏の家に行って、彼の母親が、彼の父親から、どういう扱い(仕打ち)をされているかを見てきてごらん。将来(結婚後)の君の姿(状況)が見て取れるかもよ』と。限度や内容にもよりますが、まあ、亭主関白は見ていると、不愉快でしかない。かかあ天下の方は、夫婦円満、なる言葉がある様に、幸せそうに見えるケースが多いかな。わが寺の檀家夫婦の狭い範疇での事ですが、そう感じる事が多いよね。何にしろ、家庭円満の秘訣は、やはり、夫婦の絆が最も大事かな。家庭の要は、夫婦だもんね。明治時代の教育者の森信三さんが『人間は一生のうち、逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早過ぎず、一瞬遅過ぎない時に』との言葉を残されておられますが、但し、その縁を活かせるかどうかは、本人次第かな。徳川将軍家の兵法指南役を務めた柳生宗矩公が『縁に逢って、縁に気付かず。縁に逢って、縁を活かさず』の言葉を後世に。拙僧も妻と出逢えたタイミングは、当にそれだったかな」と、この読者女性に。


過去の法話が下記で読む事が出来ます。


金剛寺ブログ    :https://blog.goo.ne.jp/junko-0808

金剛寺ツイッター  :https://twitter.com/kongouji093

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次回の投稿法話は、2月1日になります。








【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 結婚は人生に墓場、の本来の意味は、墓場は永眠の場所、つまり、結婚とは安息の地を頂いたという事。

2024-01-24 06:14:38 | 法話

【1月25日投稿分】


読者の女性が「住職さん、実は、古くからの友人が、昨年の12月に4度目の結婚を。過去3度は、ほぼ同じ理由で離婚を。自己反省がないから、相手が代わっても、また、同じ状況を作り出してしまって。何度注意してもあかん。この度も既に、そんな状況になってるみたいで。結婚式の度に祝儀を払うこっちの身にも慣れ、ってんだよ。政界のパーティーかい。政界のパーティーでさえ、自粛しようとしてるぞ。1度や2度ならともかく、3度も、4度も。1年以内の離婚の場合、離婚式を開いて祝儀を返還する、というのはどう思いますか、住職さん、この案は。こんな事を言うと『そんなに祝儀を払いたくないなら、出席しなきゃいいじゃないか』と言ってくる人が、特にSNS の中では。出席するは『今度こそ幸せになってくれ』という思いからだっちゅうの。『人の気持ちを何も知らん外野は、すっこんどれ』と言いたくなる。『どこにもこのイライラを向けるところがないから、この住職さんに愚痴を聞いてもらってるだけじゃ』と。すいません、興奮してしまった」と。


この読者の女性に拙僧「えろう、荒れてるね。余程、その友人が心配(好き)なんだね。因みに『離婚式』って、ほんとにあるみたいだよ。さて、拙僧の受けた結婚、離婚の相談範疇では、バツ1、バツ2、バツ3と繰り返す人達は、男女問わず、離婚後に相手の悪口ばかりを言っている印象が強いかな。喧嘩は両成敗だもんね。6対4、7対3、8対2の割合はあっても、全面的に相手が悪いという事はないもんね。まあ、離婚の原因は男性側にある事が多いが、女性においても、お金遣いが荒いとか、食事は即席物か外食ばかりとか、掃除はしないとか、子育ては主人任せで遊んでばかりとか、おまけに不倫なるものも。男性も同様に、家庭の仕事を担う責任があるとはいえ『こりゃ、酷いわ』と思うケースは少なからずあったよね。そんな場合は離婚の時『子供達は、母親を選ばず、父親について行く』となるケースが多いかな。何にせよ『そうすれば、そうなる。そうなったのに、まだ、そうするか』ですわな」「私の友人の場合も離婚後、子供(女児)は、父親の方を選択しました」と。


加えて拙僧、この読者女性に「あなたの友人に伝えといてもらえませんか。『人というは皆、大なり小なり、自分の都合で是非の判断をするもの。つまり、自分にとって都合が良いか、悪いかが、善悪の基準。そうなれば、人間関係に割り切れる物など殆どない。その割り切れない物を無理矢理割り切って、わが心と折り合いを付けていくが、人間関係にて。時折、信仰とは何ですか、と聞かれる事が。対し拙僧、鶯(うぐいす)が鳴かずとも、陽気、開花、虫の動き、などで春の訪れは容易に知る事が出来る。が、そこに鶯が鳴いてくれたら、春に彩りを添えてくれる。この鶯の鳴き声こそが、信仰の役目にて。人間関係も、これに同じですよ』と。『その坊主が言わんとしている意味がわからん』とその友人がもし言わっしゃたら『人は教えられても身に付かん。人は気付かにゃ身に付かん』とその坊主が言ってたと、あなたからその友人に言ってあげて下さい」と、この読者の女性に。因みに、拙僧の結婚観は「天から貰った最高のプレゼントは、わが女房殿」かな。女房殿に出会えた、これ程のラッキーはなかった。女房殿は何でも話せる大親友にて。大親友なら、当然、大事にするでしょ。


【余談】

檀家の60代男性が「住職さん、ちょっと前の事だが、とんでもない夢を見たんだ。死んで35日目に、閻魔大王と対面した。その隣になんと女房が立っていて、閻魔と2人して、不吉な笑みを私に向けてくるんだ。どうも、私の悪行を閻魔に垂れ込んだみたいで。閻魔から『こっちへ来い』と、手招きされたところで目が覚めた。横で寝ている女房を見ると、偶然とは思うが、口元が笑ってる様に見えた。背筋が凍ったよ」と。


更に、その檀家の男性が「身に覚えがあるから、尚の事、この夢は怖かったよな。ところが、この夢の話には、続きがあるんだよ、住職。実は、その夢を見た同じ日に、家内(妻)が『昨夜さ、見た夢だけど、凄いストレス解消になったんだ』と、えらく清々しい顔で。恐る恐る『どんな夢だったの』と尋ねてみると、私と殆ど変わらない夢を。偶々同じ夜に、お互いの心に潜んでいた事が偶然、お互いの夢(潜在意識)の中に出てきたんでしょうね。どうしよう、住職」と真剣な顔で。思わず吹き出しそうになったが、拙僧も真剣な顔で「どうしよう、住職、じゃないでしょ。身に覚えがあるんなら、これから改善していく以外、ないでしょ。閻魔と奥さんがタッグを組む前に」と。


投稿写真は、わが寺の閻魔大王。尚、独自のグループ「出会いは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」を持っています。過去の法話は、ここでご覧くださいませ。

次回の投稿法話は、2月1日になります。





【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が。楽しい人生に】 松本人志さんの問題に関して、法話読者に問われた事。

2024-01-21 07:11:44 | 法話

【臨時法話】  松本人志さん問題に関しての話。あまりに問われるので、ここに。


毎日の様に、松本人志さんの問題が話題に。そうなると、頻繁に「住職はこの問題、どう思いますか」の質問が方々(檀家、知人、SNS 内)から。「どう思いますか」と聞かれてもですね。拙僧は全く無関係(部外者)にて、その事に対して全くの無知(情報無し)、の人間だから、意見の出しようがないですもんな。テレビを見ても、SNS を見ても皆、よくそんな『講釈師、見てきた様な嘘をつき』の様な意見が出せるな、と思う。実際にご本人と関わってる人達なのかな、意見を述べている人達は、と。それとも、ご本人に対する映像越しの『好き、嫌い(印象)』だけで、ここぞとばかりに、勝手な評価をしているのかな。


ただ、この問題に対する意見を聞かれる度に、ある出来事が思い出されます。それは、過去に2度程投稿させてもらったお話ですが。ある知人男性が1人でエレベーターに乗っていた時、別の階から2人の女子高生が。すると、別の階でドアが開くと同時に、その女子高生達が「この人、私達を触ってきたんです」と大声で。が、知人男性は至極冷静に、その女子高生達に「君ら、ほら」とエレベーター内の防犯カメラを指差すと「チッ」と舌打ちして、悪びれもせず立ち去って行ったとの事。その一連の事を報告に来た知人男性が「防犯カメラがあるを確認もせず、仕掛けてきたんですかね。こんな稚拙な子らに、人生をズタズタにされる人もいるんだろうな、と背筋が冷えましたよ。手っ取り早く、お金になりますもんね、こんな行為で。なんか、怖くないですか、昨今の世の中」と拙僧に。


その後、これと同類の話を拙僧、SNS で1度読んだ事が。こんな話は世の中に、結構ある話なのかもしれませんね。だからと言って、この度の松本人志さんの話がそうだと言っている訳ではないですよ。映像や音声が残っていないなら『言った、言わんかった』類いの争いに。双方共(もしかしたら、被害者、加害者)に、当事者(家族を含む)の人生が掛かった大問題ですので『無関係の人達は口を閉じ、当事者間だけで慎重にやってもらいたい』というが、拙僧の意見と言えば、意見ですかな」と、質問者には答えています。


この件に関連して、檀家の爺様がこんな話を拙僧に。「住職よ、松本人志さんの問題をテレビで見てるとな、自民党が失態した時だけ騒いで出てくる『職業政治家』のそれに似てるな、世の中の騒ぎ方は、と感じるんだよな。松本人志さんの問題とは無関係だが、この先の政治だけどな、選挙があるとしても、またいつもの如く、野党よりは自民党の方が『まだマシ選挙』になりそうな気がせんか、住職よ」と。「そうだね、日本国内だけの政治なら、この国は平和だからね、どの党がトップになっても出来るだろうけど。問題は外交なんだよね。野党に外交(国民の命を守る事)が出来る人がいるとは、思えないんだよな。それよりもさ、もう大概聞き飽きてきた選挙のある度に『〇〇選挙』なんて皮肉っぽい言い方をしたら、爺様も野党の人達と何ら変わらんばい」と拙僧。


すると爺様が「そうやな、いかん、いかん。だけどな、住職よ、話を元戻すが、松本人志さんの件なんだが、悪い事を本当にやってたのなら償わないといかんが、だけどくさ、今日までに、どれ程の人達を笑いで救ってきたんだろうな、彼は。この問題が出なかったら、今後も、どれ程の人達を笑いで救っていったんだろうな。わしも結構、救われてきた側の人間なんでな。間接的ではあるが、孫との会話の潤滑油にもなってくれていたしな」「爺様よ、まだ、結論(白黒)は出てないがな。まあ、世間が騒いでいる事が事実なら、当然、償わないといけないだろうが。しかしですね、叩いて埃の出ない人間なんて、恐らく誰1人もいないもんね。こう言うと『じゃ、生まれたばかりの赤子はどうなんだ』と、明後日の方向から物を言ってくる人達が必ずいますが。対し、その人達には拙僧『自分で考えたら、わかろうもん』と返しますけどね。自分も叩かれたら埃の出る人達が、ここぞとばかりに寄ってたかって叩きにやってくる。恐らく、次に叩かれる人(叩く標的)が出てくるまで、この叩き(松本人志さんへの)は続くだろうね。叩かれたら埃の出る人間を片っ端に吊し上げ、排除していったら、世の中、どうなってしまうんだろうね。こういう表現はいけないのかもしれないが、面白くない世の中になるんだろうね」と拙僧、この檀家の爺様に。


次回の投稿法話は、1月25日になります。













【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 今日の法話は、読者さんからの問い掛けで、日本三大怨霊(菅原道真、平将門、崇徳上皇)のお話を。

2024-01-19 05:54:57 | 法話

【1月20日投稿分】


読者で若い男性から「住職は年末年始には、太宰府天満宮さんには、必ず参詣されていると聞きましたが、でも菅原道真公といえば、日本三大怨霊(他2人は、平将門、崇徳上皇)の1人というじゃないですか」と。「さて、どこから話をしていこうかね。右大臣まで上りつめた菅原道真公だったが、左大臣の藤原時平公の圧力によって、醍醐天皇が命を下し、太宰府に左遷を。その左遷の日が、901年の1月25日だったそうだ。その左遷の道中で詠まれたが、あの有名な『東風(こち)吹かば、にほひをこせよ梅の花、あるじなしとて春な忘れそ』で、解釈は『東の風が吹いたなら、梅の匂いを私のところまで届けておくれ。主人がいないからとて、春を忘れちゃいけないよ』とその様な思いで。左遷後、失意のうちに903年、道真公は太宰府の地でご他界を」と。


続けて拙僧「ところが、そこから不可解な出来事が連発したんだと。道真公の左遷に関わった人物の相次ぐ死。日照りによる作物の不作。加えて、流行病や天災で京都は大混乱を。これが道真公怨霊伝説の始まりになったんだが、いやいや、人は寿命がくれば死ぬし、流行病も天災も、来る時は来るさ。が、その様々な被害を、道真公が京都にいた時に住んでおられた、桑原地区だけが偶然にも逃れられた事が、怨霊伝説に拍車をかける事になったんだろうね。今でも雷が鳴ったら、被害がない様にと呪文の様に『おお、くわばら、くわばら』というは、この『桑原』地区の事なんだよね。当時、この道真公の怒りを抑える為に設けられたが、北野天満宮さん。よって、世に『天神さん』というは、菅原道真公の事にて。その天神さんをお祀りした神社は、全国に12000社ほどあると言われるが、思えば、人間の都合で、悪い事が起こった時には、怨霊にされたり、願い事が出来た時には、神さんにされたり、と。なんともはや、失礼な話だよ。道真公も忙しいこって」と。「そういう事か、怨霊は人間の作為だったのか。じゃ、学問の神様にされたは、どういう経緯からですか」と。「江戸時代の時、読み書き算盤を教える『寺小屋』というが普及されてね。その教室に道真公のお姿を描いた『御神影』を掲げ、学業上達を願ったが『学問の神様』として人々(世間)に広く知られる様になったが、始まりらしいよ」「そうなんですね。何か、何もかんも、人間の都合だった、という事か」「そういう事だね。道真公を怨霊にするも、神様にするも、人間の心持ち次第という事。責任転嫁が得意な人間のやりそうなこった」と。


加えて拙僧、この若い男性に「この話は余談だけどね、60歳を超えるまで、大きい病気は何1つ患った事のない男性がいてさ、その男性が『神や、仏や、先祖など、眼中にないわ。自分の事は自分で何とかするわい』と豪語していたんだが、いざ、自分が癌と宣告された時、それも初期の初期の癌で、命に関わりのない癌だったんだが、オロオロしながら『住職さん、神様、仏様、ご先祖様に、病気全快をご祈願してくれませんか」と、それはそれは丁寧に頼んできた。呼び捨てだった『神、仏、先祖』にも、ご丁寧に『様』が付き、拙僧の住職にも『さん』が付きおった。いやいや、祈願するが悪い事ではないんだよ。人間は皆、大なり小なり、弱い生き物だからね。こんな人、これまでに何人いたかな。それも全て男性。まあ、宣告されてすぐというは、誰しも不安でオロオロしますわな。初めて経験する事(死)だからね。ところが、死が迫ってくると大半の人は落ち着いて、腹が座り、旅立ちの準備(家族に残す物の整理)を始め出す。1000人以上の葬儀、その数倍の人の『生き死に』に携わってきた拙僧の経験範疇(檀家、知人)での所感だけどね」と。


最後にこの若い男性読者が「ところで、住職さん。こんな法話を投稿して『悪霊が祟った。先祖が祟った』等の話が好きな拝み屋(僧侶)さん達から、文句のメールは来ないんですか」と。「殆ど来ないよね。が、偶に来た時には『この意見は拙僧の意見を書いただけで、あなたの意見を書いた訳じゃないから、気にされないで下さい』と言ってるけどね」と答えると「その回答、もらった。結構来るんだ、私にも文句メールが。それ、使わせてもらいます」と。


投稿写真は、本文中の桑原地区です。現在は、京都御所南側、丸太町通り内にあります。次回の投稿法話は、1月25日になります。