1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 昨日、ツイッター、Facebook、で投稿した法話を少々書き添えたもの。どの様な日本を大人は、今後の人達に手渡していくのか。

2023-05-29 08:36:01 | 法話
【5月30日投稿分】昨日、ツイッターで投稿した法話の続き。

檀家学生(高校生男子)が、一昨日、朝1番にメールで「住職、知ってるかい。神戸の繁華街で外国人数十人が乱闘だって。確か、数ヶ月前にもこんな事があったよね。人の庭(日本国内)に来て、喧嘩ば、おっ始めよる。これから先、日本はこんな状況が頻繁になるのかな。僕達の子供や孫は、どの様な状態になった日本で、暮らしていく事になるのかな」と。

更に、この子が「住職が度々法話の中で『何でもが、してきた事だけが、今現在ここにある答だよ。そうすれば、そうなる。そうなってるのに、まだ、そうするか』と。ほんと、これが真理だよね。先行き真っ暗だわ。冷静に考えてみるとさ、国が抱えている問題の大半は、少子化が絡んでると、そう思わないですか。人の世界を作り上げているは、間違いなく『人』ですもんね。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所、2020年度調べだと、50歳までに1度も結婚してない人が、男性が約28% 、女性が約17% だって。まあ、昨日までの事を、とやかく言っても仕方がないので、今後、僕らがどうすべきかを考えていかなきゃ、自らで、墓穴を掘る様な事になるりますよね。結構、友人達とこんな話をしてるんだよ」と。

これは、ほんとに余談ですが、拙僧は今年で61歳になりましたが、思えば小学生だった頃、50歳だった祖父母の布団を毎日、敷いてあげておりました。考えたら50歳って、今現在なら、まだまだ若々しく「いやいや、自分で敷けよ」という年齢ですよね。だけど、祖父母は当時50歳でも、歳をとっていた、という印象があるんですよね。

話を戻しまして、この子が「一昨日、番組『そこまで言って委員会』で、A I が普及していくと、今ある職業の約50% が、A Iに取って代わられると。僕の周囲の大人の中には『A I によって、人間の職業がなくなるんだから、人口が減っても、然程問題ではないだろ』という人達も。なんか、凄い違和感を感じるんだよね。『勝ち組以外の人間はいらん』と言ってるのかな、と思ってしまう。A I が土を耕し、米や野菜を作るのかな。A I が船を動かし、漁をするのかな。A I が戦闘機を操縦して、防衛をするのかな。まだ、僕は、社会に出てないから、詳しい社会の仕組みはわからないけど、こんな事ばかりが、若い人達の周りで話題になったら、そりゃ、勉強(学問)を不得意としている若者達は、一攫千金を夢見て、ユーチューバーになったり、大人に踊らされて受け子になり、東京銀座の時計店を襲ったりする様になるよね。いつの時代でも、時代のせいにせず、夢は自分で抱いて、自分で夢を叶えていくもんだけど、だけどね、なんかね」と。

この様な若い人との会話を投稿すると「今、若い人は、こんな不安な心で、世の中を見ているんだ」と、若い人達の心情を理解しようとする大人もいれば、自分達の作った社会を反省せず、批判口調で若者に、物を言ってくる大人も出てくる。大人も今現在において抱えている問題を、今後の人達に丸投げをせず、少しなっとは片付けて、若い人達に手渡したいものですよね。

次回の投稿法話は、6月5日です。





【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 世話になった人の通夜、葬儀に顔を出さない理由を尋ねると「もう、この人からは、何もしてもらえないから」と。

2023-05-28 21:10:31 | 法話
【6月5日投稿分】

嘗て、勝海舟さんが「行いは己のもの。批判は他人(あんた)のもの。俺の知った事じゃない」と。いやはや、ほんと、同感ですな。印象としては、動かない人間に限って、文句や講釈を言いよりますもんね。文句も、建設的な意見を含んだ文句なら大歓迎ですが、只々、感情に任せた文句、不平不満なら、3才の子でも親に向かって言ってますもんね。せめて、動いている人間の邪魔だけは、してもらいたくないもんですな。

拙僧の法話読者で、他宗のご住職が「わが宗では、年収300万円以下の寺院が45% 、年収50万円以下の寺院が10% にて。住職の給料どころか、お寺の維持費にも足りません。よって、後継する者がなく、次々廃寺に。『先祖を大事にする檀家さんが存在する間は、頑張ろう』と皆(知り合いの住職達)、学校の先生や様々アルバイトをしながらでも、お寺の維持を」と。

このご住職が「コロナ前からそうでしたが『親の葬式は、自分の好きな人(子供の知り合い)だけを呼ぶ。親が好きだった人、親と付き合いのあった人は、私達は知らないし、気を使いたくないから、呼ばない』という子供が増えてですな。誰の為の葬式なんでしょうね。故人に世話になったは、家族だけじゃないのに。『通夜、葬儀は、故人への御礼報謝だよ』と、ある程度は言うて聞かせるんですが、聞く耳は持ってくれないですね。まあ、それでも『葬式などしない』とまでは言わないので、それだけでも、まあ、いいか」と自分を納得させてますけどね。

更に、このご住職が「住職(拙僧の事)は、孤独死というをどう定義付けされていますか」と。「そうですね。独居暮らしで、死後に発見されるが、孤独死であるに、間違いはありませんが、家族、親族が何人おろうと、誰1人も故人を弔う気持ちのない葬式もまた、故人にとっては、孤独死でしょうね」「その様な葬式をした事はありますか」「1000人近くも葬儀をしてまいりますと、そりゃ、ありますよ」「弔う気もないのに、何故にその家族は、葬儀をするんですか」「一言で言うと、世間体ですね」「その様な家族は、その後は、どうなりますか」「拙僧の狭い経験範疇では、ですよ、大半は家庭崩壊していきます。今年もそんな家族がありました。『そうすれば、そうなるよ』と、注意をしても『お金がもったいない。面倒臭い』と目先の損得を優先して、聞く耳などないですもんな。仕方がないですよね、子供や孫はその状況を見て育ってますから。『親も、爺や婆にそうしたんだから』と、親が祖父母にした仕打ち以上に、徐々にエスカレートを。勿論『私は、親と同じ様な人間にはなりたくない』と、親を反面教師として学習していく子供達もいます。頭の痛い問題ですが、やれるだけは、やりましょう。これは、住職の責任範疇ですから」と拙僧、このご住職に。

因みに、日本には約77000の寺院が存在を。コンビニが約52300というから、その多さは際立ってますよね。が、その内の2万以上の寺院が現在既に、住職不在に。将来は、5万以上の寺院が住職不在になると。寺院だけの話ではないですよ。2040年までには人口が急減し、900近い自治体が消滅する可能性があると。『そうすれば、そうなる』は、当たり前の事。『そうなっているのに、まだ、そうするか』を続けていくのかな、という問題。人口減少も、環境破壊も、犯罪大国も、世界大戦も、人間の欲がやらかしてきた事の結果が、出ているだけなんだが。

因みに、寺院、神社に限らず、企業も寿命が短くなってきましたよね。東京商工リサーチ調べでは、2022年度の企業寿命は、23、3年で、新興企業の短命化が進んでいると。これは、5年程前の話ですが、ある会社の代表が「新入社員が長続きしない」と拙僧に。「理由は、わかってるんですか」と問うと「新人育成問題です。中堅クラスが自分の仕事もあってか、面倒臭がって『何度教えればわかるんだ』と、きつい言葉を。それに耐えられず、辞めていく新人が続出を。何か、策はありませんかね」と。対し、拙僧「私の祖父は戦後、満州(彼の地で土木会社を経営)から戻り、北九州で会社経営を。その時、新入社員の教育は、退職された方々をパートで雇い、手取り足取り指導してもらってましたね。退職者は、小遣い稼ぎと生き甲斐を貰え、新入社員は、温厚な退職者(自分の仕事に追われてない優しい老齢)から、納得出来るまで手厚く指導してもらえ、これで、良き人材が育ったみたいですよ。参考になれば」と、この代表に。

更に、この代表に「ある知人の会社では、幹部連中が『イノベーション、イノベーション(新発想)』と声高に訴える割には、凝り固まった自分の考え方を、部下に押し付ける傾向が強い為、そこで社長(知人)が、徹底的に幹部研修を。幹部の力量が頭打ちでは、それ以上の伸びは、期待出来ませんもんね。幹部が会社の頂点に君臨しておりますもんでね。組織力も自ずと停滞を。新たな知識を身に付けずば、何年経ってもマンネリ化の打開は。向上心のある若い社員は『この会社から、得るものは何もない』と見切りを付けて、他の会社へ。残るは、事勿れ主義者か、恩義の厚い者、と社長(知人)が」と。

次回の投稿法話は、6月10日です。





【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 日本では「結婚は、人生の墓場である」の意味を履き違えている人が多いんだよね。墓場とは死後の安眠の地。その安らぎを結婚で得たと。

2023-05-23 17:39:07 | 法話
【5月25日投稿分】

読者の女性がお寺まで来て「住職さん。ある番組で『結婚したいと思う男性が現れたら、彼のご両親に会いなさい。母親が父親から常日頃、どういう扱いをされているかを、自分のその目で確かめなさい。自分が将来、夫からどの様に扱われるかが、見えてきますから』と。これって、ほんとにそう思いますか」と。「そうだね。これまでに拙僧が接して数多の家族から物申すと、確率は低くはないかな」と。「やっぱり、そうなんですね」と、ため息をつくこの女性に拙僧「結婚相手を決める時、何を参考にすればいいですか、と若い人達に度々問われる事があります。『女性は男性の父親を、男性は女性の母親を、参考にするがいいかな』と答える事が多いですね。親が作った家庭環境で、その親が育てる。親に似た子供が育つ確率が高くなるは、当然の事。子供の頃は、父親や母親の言動を批判していた子供が、いつの間にやら、親と同じ様な人間になっていた、つまり『朱に交われば赤くなる』という事例は、拙僧の周囲にも、少なからずありますよ。勿論、例外もありますけどね」と。

続けて、この女性が拙僧に「他にも伴侶選びで、気をつける事はありますか」と。「倫理論、道徳論を押し付けてくる男性は、厄介かもな。『自分だけが正しい』と思い込んで攻めてくるから、手が付けられんわな。事あるごとにネチネチ小言を。『正論は押し付け過ぎると、優しさが欠ける』という心が欠如してるから、わが子に対しても、頭ごなしに自分の主義主張を押し付ける傾向が」と。すると、この女性、更に大きなため息をついて拙僧に「住職の法話で以前『1人息子の家に、わが娘を嫁に出すな。息子と母親の間に、嫁の入る隙間なし』と。これは、これで、衝撃的な言葉なんですが」と。

対し、この女性に「拙僧が受けた相談の中では、母親と息子がそうなっている関係は、半々くらいかな。母親ベッタリの息子は、つまり『寂しがり屋さん』なんだよね。誰かが横にいて欲しいタイプが多い。専門家の見解では『浮気をする男性は、弱々しいタイプの人が多い。息子の浮気問題にも、母親がしゃしゃり出てくる』と。こういう話を投稿すると、烈火の如く噛みついてくる男性、女性が必ずいるが、人は他人に言われて腹が立つ時は、自分に身に覚えがある事が多いかな。身に覚えがないなら、腹は立たないもんね。最近また、拙僧周囲でも、浮気の話(浮気相談)が増え始めた気配がありますね」と。すると、この女性が「因みに、浮気をしない男性って、どんな人ですか」と。「これもまた、専門家が言ってたが『一緒にいても、つまらない人』が浮気をしないってよ。そりゃ、そうだわな。つまらない男性、魅力のない男性と浮気したい女性なんて、まあ、そうそうは、いないわな」と。ここまで話すと、この女性は、遠くに目線を向けながら「いやいや、今なら、まだ、間に合う。間に合うよ」と小声で自分自身に。

続けて、拙僧、この女性に「因みに、弁護士が言うには、昨今の離婚になる夫婦関係の特徴は、夫の方から『結婚ルール』を決めてくるケースが主と。夫が自分に都合のよいルールを決めると。そのルールとは『結婚式はしない』『お互いの事は詮索しない』『実家との付き合いはしない』『お金の管理は各々、お互いが決まった生活費を入れる』『お互いの部屋に入らない』など。この様な夫は奥さんに『電話番号、貯蓄額、収入額、勤めている会社』なども教えないと。教えない理由は、様々なプライベートを知られたくないから、と。例えば、バツ1で養育費を支払っている事がバレるから、実家には行かせたくないとか。この様な男性は、子供が出来ると『子供の費用は奥さんのお金から』と、払い渋る人が結構に多いと。その様な事情を抱えてるから、最初っから『生活費は、完全折半』と、自分が無理なく生活が出来る様に、明言してくるんだろうね。特に女性側は、しっかりと男性を把握した上で、結婚に踏み切った方がいいかもしれないよね。直情的な恋愛は、危険かもしれないよ」と。

対し、この女性が「弁護士の意見は意見として、住職が受けた結婚、離婚相談の経験から、どんな男女が離婚に至ってる気がしますか」と。「確かに、ルールを決めて結婚するカップルは、長続きしてない傾向があるかな。相手を信用してないから、ルールを作っているのかな。それとサプライズ好きも、また、然りかな。何故か、長続きしてない。武士の時代に、国々で独自のお触れ書きが。国によって箇条数(注意事項)の多い国もあれば、少ない国も。少ないは、国が安定しており、秩序が守られているという証拠。ルールも1つ、2つくらいなら、ね」と。

結婚問題、家庭問題、親子問題、夫婦問題、離婚問題、などの相談を受ける度に、オギャーと生まれて、そこに至るまでの教育が、如何に大事であるかが、わかりますよね。水は必ず、高い所から、低い所へと流れていきます。国を挙げての、根本的な教育環境の見直しが、必要不可欠になってきたのではないかと。

学校講演会では拙僧、常に「街に出ると、両手に荷物を持つ奥様の前を、亭主の威厳を履き違えた夫が、手ぶらで歩いている姿をよく目にする。馬鹿と変わらん。拙僧は家内に荷物を持たせた事がない。頭が高いと言われる人間に、力のある人間などおらん。力がないから、偉そうな態度をとってくる。能ある鷹は爪を隠すもの。能(力量)がないから、爪を剥き出しにして、威嚇してくる。弱い犬ほど、よく吠えるとは、うまく言ったもんだ」と、この様な話を。すると、講演後に奥様達から「あの住職の講演を聞いてから、主人が荷物を持ってくれる様になりました」と手紙で。

次回の投稿法話は、5月30日です。




【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 現在、四国八十八ヶ所巡拝中。只々淡々と1ヶ寺、1ヶ寺、順を追って巡礼を。この地に来たら人生は1歩、1歩、というを考えさせられます。

2023-05-18 19:52:08 | 法話
【5月20日投稿分】

5月に入り、70代の男性が他界を。葬式で拙僧(導師)入堂中、席においてお孫さん達が声を出して、泣き止まない姿が。「只今より、故〇〇様の葬儀、告別式 • •」なる司会者の声が掛かる前に拙僧、後ろを振り向き「ほれ、こっち来てごらん」と棺桶の前にお孫さん達を呼びつけ「ほら、爺ちゃんの顔を見てごらんよ。見れば見るほど、よう死んどろうが。こんな安らかな顔して死なれちゃ、笑って送るしかないじゃろ」と。この言葉で会場内の雰囲気が一変。「さあ、爺ちゃんの人間卒業式(告別式)をおっ始めっかな。『爺ちゃん、有難う。お疲れ様。また会いましょう』と送らにゃぞ」と言うと、お孫さん達に笑顔が。

葬儀が終わり、会葬者に向け、法話を始めようとすると、お孫さんの1人(小学生男子)が「住職さん。ほんとにあの世(浄土)って、あるんですか」と。「さあ、拙僧は、死んだ事がないからな。あるかどうかなんて、わからんわい。わからんが、君にとって、あの世(浄土)は、あった方がいいのかい、ないでもいいのかい」と問うと、難しい顔をしていたので「じゃ、わかりやすく聞こうかな。また、爺ちゃんに会いたいかい」と問うと「そりゃ、会いたいよ」「そうか。なら、君にとって、あの世はないと困る、という事だな。『人間、死んだらそれで、全てが終わり』じゃ、あまりにも寂し過ぎるよな。『あの世は、絶対にある』と信じた方が、先の楽しみがあって、よかろうばい」「そうだよね」「君が供える線香は、爺ちゃんのご飯だから、これからは、しっかり届けてやれや」「わかった」と、このお孫さんが。

1000人近くも送らせてもらうと、印象深き葬儀が、幾つかはあります。その1つが、次の葬儀にて。裏社会を歩んだ男性が、大きな借金を作って刑務所に。父親の退職金を全てつぎ込んだが、それでも借金を返すに至らず、息子の借金返しの為、60代の父親と母親がパートを。その間に母親が、乳癌から方々に転移を。それでも母親は、夜中まで皿洗いを。葬儀当日、その息子が拙僧に「母親をあんな体にしたは、私ですよね」と泣きながら。「そうだ。お前さんが、母親をあんな体にしたんだ」と。あまりに大泣きするので息子に「お母さんは、やっと楽になって、旅立とうとされとるんだ。最後ぐらいは、笑って送ってやらんかい」と。それから約10年、この息子さん、起業して社員約20人(極道から足を洗った若者達も含む)を雇用する社長に。こんな言葉を言った人がいる。『悪に強い者は、善にも強い。中途半端が1番あかん』と。とことん悪い事をする人間が、一度心を入れ替えると、今度は、とことん良い事をする。つまり、なんでもが一生懸命。問題はスタート前に何があったのか、かな。結構、家庭問題が大きいかな。

冠婚葬祭の仕事(デパート内)をしている知人女性が「住職、聞いてよ。結納を買いに来る息子の母親が、お嫁さんになる女性の悪口をボロカスに。結構にこんな母親、多いですよ。その母親の悪口に対し、苦い顔をしている息子さんもいれば、母親ベッタリで、一緒になって、嫁になる女性の悪口を言ってる息子さんも。母親に仕方なく同調して、話を合わせているか、ほんとに同調して悪口を言ってるか、1時間も見ていれば、わかるもんですよ。私『お嫁さんになる女性よ、早く気付け』と心の中で。また、親の世話をしていない人達に限って、財産分与で欲ったらしい事を言っておりますよね。その様な場面にも、よく遭遇します。結果、家族、親族間で大喧嘩。この仕事をしていると、人間の浅ましい部分が、もろに見えてきます。こんな話も昨今、時々耳に入ってきます。住職がいつも言ってますが、通夜、葬儀は、故人への御礼報謝の儀式(法要)と。故人が生前中は、散々世話になっておりながら『もう、故人から、何もしてもらえないから、通夜、葬儀には行かない』と言う人達の言葉を昨今、耳にする事が増えて。驚くばかりですよ。自己中心主義もここまできたら、もう、あかんわ」と。

余談ですが、現在、家族で四国巡礼中。昨日は、高知県の明徳義塾高校時代に朝青龍さんが、相撲部の練習で石段を上り下りをさせられた青龍寺に。朝青龍の青龍は、この青龍寺から名付けられたものと。因みに、朝青龍さんは、2年次で中退。スカウトで若松部屋に入門したため。まあ、なんにしても、努力もなしにその道を極めた人間など、ただの1人もいないですよね。また、四国巡拝で高知を訪れると、明治維新の獅子たちの事が脳裏に。拙僧は1962年生まれ。龍馬さんが脱藩して、志に向かい始めたが、1862年以降。たった100年前の事にて。思えば、時代が大きく動く時には、色々な役割の人間が必要となる。現在からその時代の人達の善悪を、判断してはいけないですよね。何も事情を知らないんだから。教訓にする事はあっても。


次回の投稿法話は、5月25日です。投稿写真は、朝青龍さんが上り下りをさせられた青龍寺の石段です。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 四国巡礼は、各札所のご住職に会いにいく訳ではない。ただ淡々と般若心経を唱えて、自分を振り返りにいく場所にて。

2023-05-17 04:26:20 | 法話
【 臨時法話。今日から、息子達と四国遍路に。この度は、徳島駅でレンタカーを借りて、高知から、愛媛に。20ヶ寺を巡礼 】

20代のベンチャー企業社長が「私の考え方、間違ってますか」と、拙僧に電話連絡が。「どうしたの」と尋ねると「社員が精神疾患になって『仕事が出来ない』と怠けるので『俺の父親は、お前と同じ症状になったが、2ヶ月で自力回復したぞ。甘えるな』と。が、結局、退社を。今年に入って、これで2人目です。自分は間違った事は、言ってないですよね、住職さん」と。

そこで、彼に拙僧「同じ病気でも、10人おれば、10人、100人おれば、100人の症状がある。君が持っている精神疾患患者のサンプルは、父親だけかい」と問うと、声を荒げて「俺の叔父も精神疾患でした」「なら、サンプルは2人だけかい。君って、自分が知ってる事だけが正解、という人かい」と返すと、それから約1時間、早口で自分の知ってる知識をフルに使って、拙僧に自分の正当性を主張。ところが、捲し立てる内に徐々に、話が自己主張とは別の方向に。気持ちが落ち着いたのか、この若い社長が「住職は何故、俺の主張に相槌を打つだけで、ご自分の意見を言わなかったんですか」と。「だって、君の話す内容が徐々に変化していって、拙僧が意見を言う必要がなくなってきたからね」「えっ、それって、どういう事ですか」と。

その若社長に「拙僧の父(金剛寺先代)は生前『相談者が来たら、お前は何も言わずに、ただ黙って言い分を聞いてやるだけでいい。すると相談者は初め、相手の悪口や文句を言ってくるが、徐々に『相手ばかりが悪い訳では』と自分の反省(懺悔)が始まりだし、最後は自分でその解決策に行き着く』と拙僧に。この流れを今、君は拙僧との会話でやったんだよ。だから、拙僧は君に、何も言う事がなくなっただけ」と。

最後に拙僧、この若社長に「如何に正しい事でも、言い過ぎれば、押し付け過ぎれば、優しさが欠けるよ。失敗を許してくれない社会は、自由な社会とは言えないでしょ。社員は社長が選んでいると、勘違いをしている人が多いが、社長も社員から選ばれている立場だよ、忘れない様に。ベンチャー企業は、一般に言われている数字だが、創業から5年後の生存率が15% 、10年後が6、3% 、20年後は0、3%と言われているよね。この数字の真偽は兎も角として、継続していくは容易い事ではないよね。これまでに縁があった会社を見ていると、長年続いている会社は、やっぱ、人を大事にしている気がするよ」と。

次回の投稿法話は、5月20日です。