1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 他人が私のこの足を足を止める事はない。自分で自分の足を止めない限り、足が止まる事はない。前へ前へと、進んでいける。

2022-10-31 21:39:34 | 法話
今月は末の息子の29歳の誕生日。人見知りが酷く、4歳まで殆ど言葉を。が、しっかり会話を交わす事で、小学1年までには、小声だが普通に会話も。この息子が大学に入学した時「父さん。俺、何のバイトをしたらいいかな」と。「人間の幅を広げたいと思うなら、自分が不得意とする分野の職種を選んだらどうだ」と。

【追伸】
更に、息子に拙僧「自分にとって居心地が良いと思える場所よりも、居心地が悪いと思える場所の方が、新たな発見に出会える確率は高いと思うよ」と。で、息子が選んだは、銀座アスター。その中華料理店の接客係を。6年間(東京理科大、同大学院在学中)勤め続け、奨学金とバイト代だけで、学費、生活費、下宿代を。親(拙僧)からの仕送りを貰わずに。親が子供を育てるは、やはり限界がある。可愛いからね、それ以上の事は。不得意なバイトをする事で、随分と社会に育ててもらいましたね。この話は高校講演で時折、生徒達に。「この話、拙僧は『子供自慢話』をしている訳ではないよ。『親に経済力がないから、大学に行けない』と不満、不足を抱く者がいるが、親の援助なしに行ってる者が、わが寺の檀家の中にも何人かいる。大学で本気で勉強したいなら、何とでも出来る。置かれた環境に文句を言う前に、それを実現出来る方法は何か、を探し出しなさい」と。


【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 勧誘する時には、如何にもよか会社、と。が、実際は災害後、保険料を出し渋る会社の多い事。保険会社に保険料を寄付してる訳じゃないのに。

2022-10-31 16:59:05 | 法話
読者男性が「今年9月に来た台風14号で被害を。保険調査員さんが数日前にやっと来ました。被害補修の見積は、知人の宮大工さんに依頼を。その方も立ち会ってくれたのですが、調査員さんが『ああじゃ、こうじゃ』と難癖を。『私は1級建築士の免許を』と口に出した途端、宮大工棟梁が「実際に、建築の経験は」と。

【追伸】
棟梁のその質問に「えっ」と調査員(20代後半)さんが。「設計(机上仕事)だけでなく、ノコギリや釘打ち、墨付けなどの実践はあるのか、と聞いてるんだ」「いえ、それは」「そうか、もう帰ってくれていいぞ」と。その後に棟梁は私に保険会社に電話をさせ、棟梁が直に「ペーパードライバー(免許だけ持ってる)の調査員ではなく、本物を寄こしてくれ」と。棟梁が私に「今日の1級建築士さんだが、知識だけで仕事が全くわかっとらん。あれじゃ、話にならん」と。数日後、建築(大工)経験のある1級建築士(50代男性)さんが調査に。棟梁との話はスムーズに流れて昨日(11月1日)、見積通りの保険料が支給されると通知が。
【追伸】
この宮大工棟梁は以前、台風損害の見積を保険会社に提出。が、その時も大工経験が一切ない1級建築士が調査に。300万円の見積に対し、半額の決定が。そこで、保険会社に裁判を起こし、満額支給の判決が。棟梁曰く「家を自らの手で1度も建てた事のない者が、見積なんぞ出せるはずが。そんな簡単なもんではない」と。



【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 子供は親の言う通りには動かない。子供は親のする通りに動く。人間の汚い所、綺麗な所、子供が生まれてまず見聞きするは、親から。

2022-10-30 21:28:55 | 法話
今秋彼岸中日法要で「ご存知の通り、拙僧の両親は離婚を。5歳頃の記憶から先、家族団欒はなく、両親が会話する姿は皆無。事ある毎に2人から『お父さんとお母さん、どっちが好き』と問われ続け、遂に7歳の時、両親を前に置いて饅頭を2つに割り『どっちが美味しいよ』と突き付けた。環境がこんな子供を」の話を。

【追伸】
この法話の後、30代の若夫婦が拙僧に「この話の子供、住職が7歳の時の話ですよね。何か、何とも言えない気持ちに」と。「その割った饅頭は覚えてるよ。北九州小倉にある湖月堂(明治28年創業)さんの栗饅頭だった。今思い出しても我ながら、可愛げのない子供だったよね。子供が理解してないと思ったら大間違いだよ。口に出して言わないだけ」「そうですよね。わからない振りをしてくれてるだけなんですよね、子供は」と夫婦で顔を見合わせて。昨日(10月30日)、この若夫婦が「あの法話のお陰で」とお寺へお礼に。




【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2426話目】 如何なる死因も、これ全て、寿命にて。自殺だけが特別扱いはない。懸命に生きた人に、追い討ちを掛ける様な言葉はあかん。

2022-10-27 15:55:19 | 法話
読者女子高生が「3ヶ月程前、友人が自ら命を断ちました。その日(自殺日)の前日、みんなでカラオケに。あんなに楽しんでいたのに。葬式の時、その友人のお母さんが『食事の用意が出来たので、娘の部屋へ呼びに。ドアをノックしたと同時に、ドン、という音が。マンションの自室から投身を。あの音は恐らく、一生耳から離れる事は。家族葬にせず、あなた達お友達を葬儀に招いたのは、あるお坊様(拙僧の事)の法話を読んだからです。その法話には、19歳で自殺された子供の親御さんにご住職(拙僧)が言われた言葉が書かれてありました。 ◦◦◦ 出来うるならば、最期がこうだったからといって、この子の生きた時間全てを否定する様な送り方はして下さいますな。この子もこの子なりに、19年間、懸命に生きて来られたんですから ◦◦◦ なる話が』と言っておられました。住職、質問があるんですが、自殺は永久に地獄って本当なんですか。私の周囲にはそんな事を言う人達が」と。「江戸時代に近松門左衛門という人がいて『曽根崎心中』を発表。で、心中が多発を。阻止する為『自殺は地獄行き』と当時のお坊様達が方便で。結果、自殺者が減少を。現在の風評は、その時の名残り。哀しく他界されて逝った人を、根拠なき憶測で、更に、死者を追い込む様な言葉を向けるは、あかんよな。人間の死は、病気も、事故も、災害死も、突然死も、勿論、自死も、拙僧は全て寿命と考える。1000人近くの葬儀、それ以上の人の『生き死に』に立ち会ってきた結果『この世の役目が終わった人が、向こうの世界に逝くんだな』と、そう思える事が多々あった。自死だけが地獄堕ちなんて、そりゃ、あかんやろ。が、寿命とはいえ、止められるもんなら、止めた方がいいに決まっちょる」と。

更に拙僧、この女子高生に「ある檀家の爺様が拙僧に『時折、先に旅立った父や母、友人達、20代で他界した息子(交通事故)は、今頃何処で何をしてるんだろうか、と思う事がある。住職よ、浄土は絶対にあるよな。向こうに逝ったら、また、みんなに会えるよな』と。対し、拙僧『死んだ事がないから、浄土があるかどうかは、はっきりとは言えんが、拙僧も祖父母、父母には会いたいし、向こうでも家内と一緒に居たいから、そういう場所は必ずあるんだ、と信じたいよね』とその爺様に言ったんだよね」と、この女子高生に。「そうですよね。死んだら終わりは、あまりにも悲しい。そんな場所があると思う方が、いいですよね」と。

因みに、この様な自殺の話は、遺族の要望を受けて、投稿させてもらっています。遺族が投稿を要望される意図は「こんな悲しい思いをするは、私達だけで沢山。子供達のほんの僅かな異変をも、気付いてあげて下さい」と世間に、が、本意のようで。

わが寺にも、自殺をした若者が何人かいます。その内、数人が19歳という年齢。加えて、自殺の原因は、仕事関係、友人関係、いじめ、などではなく、わが寺に限っての事ですが、大半が親子の不仲(家庭環境)にて。年間に何人かですが「死にたい」と、お寺へ相談にやって来る若者(檀家の子供以外にも、拙僧の法話を読んだ方も)がいます。が、相談にやって来る若者は死なない。生きたい、という気持ちがどこかにあるから。死ぬ事(自殺)を決定している人は、他人に邪魔をされたくないから、決行するその日まで、誰にも気付かれない様に行動を。この様な話を投稿すると「自殺を防止する方法はないのですか」という問い掛けが。なかなか難しい課題ですが、その質問者達に「子供は幼い頃から『これは何、あれは何』と疑問を親にぶつけてきます。最初の頃は丁寧に答えてあげていた親も、それが長くなってくると、面倒臭くなってきて、適当な対応に。子供の疑問、抱える問題は、年齢を重ねる内に、切実な問題に変わってきているのに、親は「そんな事、後でいいでしょ。今は、忙しいの」とあしらう様に。それが続くと、子供は親に頼る事をやめ、親に不信感を持つように。相談相手を失った子供は、解決されてない不安が心に溜まり、最後は悲しい結末に。拙僧の経験(相談を受けた)では、このパターンが多いような気がします。

お寺に縁(ゆかり)が深い子供達(幼い頃からお寺に慣れ親しんでいる)なら、家族、友人、先生の中に話す相手がいなくても、お寺に行けば、話を聞いてくれる住職がいる、と。わが寺には、そんな子供達が何人もいます。お寺に限らず、話を聞いてくれる人、場所が、周囲にいるか(あるか)、いないかでは、最悪の状況を回避するに、大きな違いが。

因みに、新型コロナ感染拡大後の小中高生の自殺者が、2020年には、499人(小14人、中146人)。2021年には、473人(小11人、中148人)。2022年には、過去最高の514人(小17人、中143人)と。自分の事だけで精一杯だったここ数年、周囲に自分の思いを話せる相手がいなかったんですかね。人間関係が希薄になってきた昨今、これは大きな社会問題ですよね。

次回の投稿法話は、3月25日です。







【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 野田佳彦元総理の安倍元総理への追悼演説。リアルタイムでは見る事が出来ませんでしたが、後日、文章化されたものを全文、目に。

2022-10-26 20:34:46 | 法話
檀家爺様が「10月25日、衆議院本会議での野田佳彦元総理の安倍さんへの追悼演説、見たか、住職」と。「後日、全文を」「どう思った」「まず感じたは、与野党に関わらず、演説中に凶弾に倒れた人、国の為に働いてきた同じ議員、への誹謗中傷に釘を刺したかったのかなと。何とも遣る瀬無い感情が言葉の中に」と。

【追伸】
檀家爺様が「わしも昔は会社の代表を。トップは孤独だもんな」と。対し拙僧「どの分野もトップと言われる人は、そうだよね。社長、学長、校長、師匠、任侠界の組長、住職、家庭の柱である父親、あるいは、母親も、そう。大なり小なり大半の人は、必ずトップの辛さを経験する。Vシネマ『ミナミの帝王』では、クライマックスになると、舎弟である山本太郎(現議員)さんが、兄貴である萬田銀次郎(竹内力さん)さんに『兄貴、どうしますか』の言葉を投げ掛けるシーンが。必ずトップは最後『どうしますか』の言葉を向けられ、責任と決断を強いられる。国民全員が納得出来る様な政策など、あろうはずがない。人は自分にとって都合が良いか悪いかで是非の判断をします。どちらかが上がれば、どちらかが下がる。シーソーと同じ。それを安倍元総理は、7年8ヶ月もの間。野田さんの演説は、これからの国会運営に、何かしらの影響を与えるんではないかと思います。期待したいですよね」と、檀家の爺様に。

【補足】
縁というは、自分に足らない物を補うかの様にやってきます。夫婦の縁が当にそれにて。自分とは真逆の人を伴侶に。自分が持ってないから、魅力に感じたり、嫉妬したり。見えてくるもの、聞こえてくるものも全て、自分に足らない物を補うかの様に、目と耳に。政治を含む世相(社会)の流れも、そういう風に理解して受け止めれば、自分にとっては、よき教訓となる縁になるかも。