続・山形そば黄門漫遊記

記載する情報は、一部のそば好きの食べ歩きによる個人的感覚の押し付です。嘘も少しはあるでしょうから文句はご勝手に。

駅前クラブ本丸

2006年06月24日 | そばの裏通り

 今年(平成13年)山形の駅西に山形市では一番高い24階建てのビルが出来ました。大都市の人と違って高層ビルがなかった町では、自分の町を上から眺めるには飛行機かヘリコプターにでも乗らないと難しいことだったので、たいへん珍しい眺めを楽しむことが出来るようになりました。 なんだかんだとパットしない時代ですが、高いところから眺めてみるとそれなりに町は発展してるんだなぁと感じられるものです。 それにしてもきれいな山々が連なり、あらためて水に苦労しない町のありがたみを感ぜずにはおられないのであります。 米、酒、そば、、、、。
 24階から見るとすぐそばに山形の城跡が堀に囲まれて見えます。 霞ヶ城二の丸跡で、山形の桜の名所でもあります。 まだですがそう遠くない将来には歴史と文化の香りがするように整備されるようです。 今でも霞城公園と言って市民に親しまれているのですがなにやら大改造するんだそうで、賛否両論があるんですが、体育館や野球場やプールやテニスコートや武道館や弓道場なんかを追い出してしまうんだそうです。 
 まぁそれはそれとして、ちょっと昔まではこの二の丸のお堀には水が湧いていたのであります。 扇状地の下の方ですのであたりまえと言えばそうなんですが、結構そんなところがあったのです。 道路なんかが整備されるのにつれて、さらに西へ行っても水は湧かなくなりました。 掘り返しが悪かったのか、舗装工事のせいなのかそれと何なのか誰もわかりません。
昔のそこそこの規模の城跡ですから二の丸の外に三の丸があります。ずいぶん広かったんだなぁと見渡すと、そこはそば好き、点々とそば屋を辿ってしまいます。当たり前の事なんでしょうが、三の丸の城壁の外は一般の町だったわけですから、商人や一般の家が町を作っていたわけで、そば屋だってあったと言うことなんでしょう。
 三津屋、庄司屋から始まって十日町、七日町、旅篭町、、、、そして城西へとそば屋がならんでいます。いったい何軒のそば屋がこの広そうで狭い町にあるんでしょうか、美味かろうが不味かろうが所詮好みが全ての食べ物の世界、こうやって雲の上から(言い過ぎ)眺めると心がうきうきしてきます。 さぁそば食いに行こう!
 久司 は駅のすぐそばにあります。 まえは”名人そばやながわ”といったんですが、改名いたしました。 先日行ったら「今日から新そばだよ」って教えてくれました。そばが良いのか、粉屋が良いのか、やっぱりそば屋が良いんでしょうが、「今年は甘さがしっかりだねぇ」と誉め言葉が出てしまいました。 時期的に山形は少し早いので、北海道かなと想いつつ、「今のはどこのかなぁ」と問いかけてみたら、「北海道かなぁ」との返事でした。 ここなんですよねぇ山形のそばって、別に地物に拘る必要は無いんです、美味しいそばを出せればそれが山形のそばなんです。 確かに地物のそばが増えては来ておりますが、だからといってベストとは限らないし、産地までこだわる向きはそんなにいらっしゃらないと思います。 勿論地物が増えていくのは大賛成なんですよ、前に書きましたが寒晒しそばのような工夫にも出会えるわけですし、最近ではそばの品種まで拘りが出てきているようですし。 でも山形のそば好きは贅沢で、我が儘です、そばに関しては。地物だろうが何だろうが文句は痛烈、「んまぐねぇ」どころか「なんだこれ」にはじまって
「あどこねは(二度と来るもんか)」は『まさに日常チャメシゴト』、甲子園の虎ファンよりキッツ-イです。 
  さてさてこの久司、そばもそうですが天ぷらもグー!です。小えび入りの掻き揚げとの掻き揚げ天ざるは人気商品、それからお昼なんかは”やなてん”と言って、なんと豚肉スライスの天ぷらでも良いかなと思います。 それからお昼は一言言えば小鉢に炊きたてのご飯をサービスしてくれます。 そばのおかず?に結構合ってますので、おなかに自信のある方はお試しなさってはいかがでしょうか。
 ところで駅前を歩いていますと、山形のそばがそれなりに知られてきたもんですから、たまに余所の方?に聞かれることがあります。 そう言う目で見れば、山形駅前にはあの旗がありません。奥ゆかしいというのか、けちなのかはたまたバカなのか全く情けないのであります。 さわぐわりには、駅前にはそば屋は少なく、案内も殆どありません。 結局”どうしても”と思いの深い方だけが意を決して、「山形のそば屋で、その何と言うかどっか近くにないですかねぇ」と尋ねてくださるわけです。もちろん『あなたのお奨め』をお聞きになりたいわけだと思います。 近くですと 久司 となるわけですが、休日はやってませんので、今度というわけにもいかない方々にはちょっとなんです。 三津屋、庄司屋、羽前屋、萬盛庵、、、、と続けますが、「車で5分位」と言いますと、「せっかく来た山形、それくらいなら歩いて行きたい」とおっしゃられます。 歩けば15~20分、まぁそれも結構ですが、でも山形初めての方にはどうかなぁと考えてしまいます。羽前屋、萬盛庵方面なら歩道の整備も良いのですが、三津屋、庄司屋方面となると歩道の整備状態があまりにも”立派過ぎる”し、見るものも無いのでどうかなぁ、、、、、。
 近年、駅前大通りに、そして史跡”三の丸跡”のすぐそばに、しかも歩いて駅から五分の所に三津屋の出店”出羽路庵”が出来ました。 まぁ大概の場合このへんで落ち着くようになりましたが、それはそれとして三津屋だったら本店へ御案内したい気がするのは私だけでしょうか、庄司屋も見て欲しいような気がしますし・・・・・。