続・山形そば黄門漫遊記

記載する情報は、一部のそば好きの食べ歩きによる個人的感覚の押し付です。嘘も少しはあるでしょうから文句はご勝手に。

続 山形そば黄門漫遊記 その88 奥のそば道-めん工房 さかい

2009年06月22日 | そばの細道

   毎度毎度申し上げますが、山形のそばは面白い。 オヤジや看板娘(とは言ってもオバチャンまたはバーチャンの場合が多い)は勿論のこと、店も粉屋も、そして今日は製麺屋の話。
  以前から粉屋や製麺所が直売所を設けることはありましたが、そば屋をすることはありませんでした。 以前お話しいたしました鈴木製粉の石臼の館”なんかもそうでして、そば屋と思って入った人がガッカリしたなんて言うことを何度か耳にいたしました。 聞いたところによれば、粉屋はそば屋の営業妨害はしないということなんだそうですが、どこか紛らわしい感じも否めませんでした。
 酒井製麺 が工場のそばで直売をしていることは前から知っていたのでしたが、最近模様替えしたと言う話しは知りませんでした。先日、ひょんなことから貰ったそばが”七割”のそばで、前にお話ししました鈴木製麺が山形駅前のデパ地下で売っているヤツと同じ程度のものでした。 結構美味しかったので話を聞いてみたところ、なんと酒井の販売所で買ってきたと言うことでしたので、さらに聞いていったところ前述の店舗の話しだったわけです。 ただ、「半分がそば屋みたいな所で、食べられるみたいでしたよ」との言葉には、”そんなことするわけないだろう”と疑念を抱きつつ、ならばとのこのこ出かけることにしたわけです。  場所は千歳公園という山形では霞城公園と並んで市民は誰でも知っている場所の近くで、バス停から東に5分くらいのぼったところ、山形大学の前の通りを北に来て馬見ヶ崎川を渡る一本手前の交差点のすぐそばです。 もともと酒井の工場があるところで、以前から売店はヒッソリあったと思いますが、最近面目を一新したのであります。 もちろん駐車場も結構ありますので”ダイジョーブ、ダイジョーブ”です。
 で、店に入りますと左半分に乾麺主体で何十種類もの製品がズラーリ並んでおりますし、ケースに積んで、うどん、麦きり、そばの生麺が売られております。 こちらは4~5日は日持ちのするヤツで、そばは4割くらいのものだそうです。 さらに冷蔵用のショ-ケースがありましてあまり日持ちのしない『七割そば』なんかが売られています。 こちらはせいぜい2日程度ですので、できればその日の内にいただくのが良いと思います。
 さて、ここまではよくある直営の売店、今回の話題はこの売り場の隣側にある誰がどう見てもそば屋の店になっているスペースなのです。
   「こごなにや」   (ここはなんですか)
   
「こちらは試食いただいたりするところです」
   「ん~、いづでもかしぇんのがっす」 (何時でも試食できるのですか)
   
「いいえ、その日その日で品物が違います。 時間も決まっております」
   
「あぁ、今日はそば、今日は麦きり、そんな感じですか」
   「はいそうです」     
ということだそうでした。
 試食の時間はお昼を挟む時間と夕方にかけて(11~14/15~17時)だったと思います。 メニューは一点、先日は冷やし中華でした。
  一応「ください」とか何とか言って注文?いたします。 待っていると席まで運んで来てくれます、しかも先日は注文受けてから茹で始めたのでした。
 ことわっておきますが、これはあくまでも”試食”ですので量は一口、腹を満たすには10回くらいはいただかないとムリ! 果たしてそこまでつきあってくれることはないように思いますがいかがなものでしょうか。 面の皮の厚さに任せてしつこく食い下がればどうだか知りませんが、われわれ羞恥心がこびり付いている年代には”チョットムリ”であります。 いずれにしても、”そば屋”のスペースの居心地の良さは、”もったいない”気もするくらい結構なものでして、いつでも飲めるそば茶の茶碗が『紙コップ』でなかったら、商品の品定めの談義に花が咲くのは請け合います。 結局我々も知らぬ間に店の魂胆?どおり、試食の前後に買い物をしてしまい、おまけにスーパーで買った方がズ~ットお安いはずの”ラーメンの具”まで買ってしまいました。
 さて、よけいな話しですが、山形の『冷たいラーメン』は、この頃売れ出したからかどうかは知りませんが、なかなかスーパーなんかでも見かけることが少なくなっております。 その点ここは製造元ですので常時入手可能なようです。 また、タレだけも販売していましたので少々求めてまいりました。 このタレは、麺はインスタントでも、普通の生麺でも乾麺でも合うはずですので、しっかり冷やしてこれからの季節いいと思います。 因みに山形以外の知らない人のために書きますが、この『冷たいラーメン』とは、ふつうのラ-メンと同じ作り方で、麺を冷たい水で締めるのと、これ用のスープを氷水で割る以外は、具も薬味もほとんど一緒、どんぶりだって同じで、でも冷やし中華とは全然違うものです。