続・山形そば黄門漫遊記

記載する情報は、一部のそば好きの食べ歩きによる個人的感覚の押し付です。嘘も少しはあるでしょうから文句はご勝手に。

続 山形そば黄門漫遊記 その65   そばの細道-南陽(小滝)・宝山 

2007年10月24日 | そばの細道

   とある昼飯時、「そばでも食うか」ということで、美濃の守様と山形の西の外れで待ち合わせ、国道348を白鷹方面へ、最初の長いトンネルを抜けてすぐに小滝街道へと左折します。 少し進むと左側にそば屋が見えてきますが、今日のところは通過いたします。 そのまま進んで行くと、やがて左前方の小高い丘の上にある大きな『百姓屋』に続くあの旗”の並びが見えてきます。 「こんな所にそば屋があったのか」思わず声が上がりそうな佇まいでして少しワクワクしてきます。
 オープンしてまだ半年になるかならないかだそうですが、知らないというか気づかなかったという人が多いようで、どうやら宣伝不足というか、”へた”と言うことでしょう。 思うにまだまだ試行錯誤の日々なのかも知れません。  一件広そうに見えるお屋敷なのですが、駐車スペースに昔風の水場がチョット邪魔?していまして、たいした台数は止められないようでした。 へたすりゃ冬場なんか落ちないだろうかと心配になるくらいでしたので、蓋しろとは言いませんが、なんか工夫してもらわないといらぬトラブルの元にもなりかねない感じで気にかかりました、余計なお世話は百も承知の上です。 一方お庭は結構立派で、鯉の泳ぐ池があったり、奥の方には何やら文化財的石塔なんかがありまして、またそこそこ手も入れてあるようでした。
  先に召し上がっている方のを見ると、そばは一見二八風なのですがこれで十割なんだそうです。 店の案内を見ると道案内に先程通り過ぎた ゆかり屋 が載ってましたので、この辺のお仲間かなと思って聞いてみましたが、余所からの”新規参入”ということでした。 その日はそんなにお客さんがいませんでしたので、いろいろ話しをすることができました。 最初このご立派な百姓家の御曹司か縁続きの方かなとも思いましたが、実際は借りているのだそうでして”通い”だそうです。 もしかしたらこの家は今流行?の後継者不足が原因の”抜け殻”なのかも知れないなどと思ってしまいました。
 山形あたりでは良く聞く話ですが、息子や娘が皆出て行って、年寄りだけになってしまい、田畑ももはやもてあまし気味、買い物も楽でないし、冬の雪掃きなんてとてもとても、、、その時目についたのが”マンションのチラシ”。 かくて立派な百姓やという抜け殻が一つ、二つと出来るのことになるのです。 ところがところが、”捨てる神あらば拾う神”というわけでもないのでしょうが、今の浮き世に見切りを付けてかどうかは別にして、一攫千金を夢見たの訳でもないのでしょうが、近年田舎にやってくる方も結構増えてきているそうです。 現世に十分後ろ髪を引っかけたままなんですが、元気のあるうちは何かがしたいということで、退職金や年金片手?に、いわゆる『団塊の世代』さん、まぁそうじゃない方もおりますが、10年くらいの期間限定で『田舎で暮らそう』と進出する方もおられるのだそうです。 念のため断っておくますがこの店はそうではなさそうでして、因みにここは打ち手が息子で”オッカサン”が手伝いでした。 まぁいずれにしてもそう言う時代なのです。
 さてこの店の名は 宝山 果たして宝の山になるかどうか。 話によりますとチョット前までは、”尾花沢そば街道 13番所”で頑張っていた実績がある方だそうですので、初めてということもありますし評価は避けておきます。 まぁこれまでの実績、それはそれとして、ここではここの実績を作られるよう期待いたしたいものです。
  山形は今まさに今年最後の果樹の候、りんご洋なしラフランス。 もぎ放題、食べ放題(サクランボと違ってそんなに食えませんが)、その辺の農道に車を止めてにおいを求めると”いい香り”が分かります。 「あぁ、また金のかかる季節が来た」とケチなことを言うのは私だけでしょうか。 余計なことですが今流行の”格差社会”は果物にもありまして”家庭用””贈答用”という”格差”があるのです。 トラック便に乗せられてどこかへ行ってしまう、言うなれば『♪赤い靴はいてた女の子』が ”贈答用”、価格的にみればまぁ1個200~300円。 スーパーなんかで安売りしている、チョット小振りのやつが”家庭用”で、1個100~120円。 驚く無かれ、チョット傷のある不揃いのが”雑リンゴ”という札の下で 1個70~80円で売られています。信じられませんが、これが『産地の現状』なのです。
 もっとも、知っている方は周辺の”産直”なんかに行って求めてきます。 選果前のもぎたてを買ってくると、”贈答用”とは言いませんが、一個100~150円見当で結構良いのが買えるものなのです。 たとえば、朝日町への県道沿いに出る無人店舗などですとじっくり選べてより良いものが買えることが多いのです。 ただし、皆さん考えることは似ていますので他人様より早く行くことが絶対条件となります。