続・山形そば黄門漫遊記

記載する情報は、一部のそば好きの食べ歩きによる個人的感覚の押し付です。嘘も少しはあるでしょうから文句はご勝手に。

続 山形そば黄門漫遊記 その112 そばの細道-山形・無想庵

2011年02月09日 | そばの細道

 そば仲間に「行って見ろ、行って見ろ」と言われても、いろんな事情でなかなか行けないでいるお店が何軒かあります。  その一つ   無想庵つくもそばきり  にやっと行ってきましたという話しです。 たぶんこの一~二年で10回くらい素通りしたと思います。 なにせ店の前の駐車スペースが2台しかないので、止められなかっただけなのでしたが、こういう場合もあるのです。 もっとも、先日やっと入って聞いたところによりますと、駐車場はすじ向かいと脇を入って裏の方に何台かづつあるのだそうです。 何と言うことか、、、まぁいいでしょう。 
  護国神社の大鳥居を左に見て馬見ヶ崎橋を渡るとすぐ道が分かれます。 左が山寺街道ですがここは右?(真っ直ぐ)の方へ進みます。 2~300mくらい先の右側にありますが、そんなに大きくはないし、地味というわけではありませんがあまり目立たないので、見落とさないようにして下さい。  店はこじんまりとした感じで落ち着きがあります。 入って右側の方が一応禁煙席の張り紙がありましたので、たばこを吸う方も安心して入れるようです。  注文して待っている間にレジの所にあった”のうがき”を読んでみましたが、そば粉からタレ、薬味にいたるまでまで結構拘りがあるようです。 中でも『いつも打ち立てをご提供いたしますよう、少量生産を心がけておりますので、売り切れた場合は少々お待ちいただく場合もございます・・・・・』の下りはたいへん結構ですし、『大勢様でご来店の節は、前もってお電話いただければ・・・』と書いてあり、どんなものなのか人数集めて一度ぜひ試してみたくなりました
 そばは十一(トイチ)と書いてありました。 厳冬のど真ん中でしたので水も冷たく、ギッチリ締まってたいへん結構でした。 ところでメニューに『京にしん』と書いてありました。 山形では普通”にしん煮”と表示され、ものはやわらかい出来上がりとなっている場合が多く、どちらかというと”硬い”歯ごたえバッチリ等というのはあまり見かけることがないのです。 以前にも話題として取り上げたことがありました。 私なんかは”京にしん”ということになるとけっこう硬いイメージがあります。 いわゆる”にしんそば”ということになると、イメージとしては温かいかけそばの上ににしんが載っているというものになりますので、山形の多くの店にある”やわらかなにしん煮”ですと箸でつまむと『ほろけて』(くずれる?)しまったりいたしますので、別の皿に分けて出したりすることもあります。  一方、硬い方はネットなんかで見てみると”棒煮”という表現も見受けられますようにしっかりとしておりますので、最後まで崩れることはないということなのでしょう。 まぁ京都も昔は海からのなまものがあまり入らなかったらしく、にしんなんかは身欠きにしんなどの乾物を戻して使ったということでしょうか、お好きな方は少し研究なさってみて下さい、この京にしんが硬いか軟らかいかだけでも結構いろんな考え方があるようでこれはこれで面白いものです。  余談ですが私の周りでは、私の好みに反してやわらかければやわらかいほど「おいしい」とおっしゃる方の方が多いです。
  さて本題に戻します。 正直「そば湯がうまい」と感じましたのでおかわりをいたしました。 最初に持って来てくれた『湯桶』が小さかったせいか、少しさめてしまったのもありまして”熱いの”に換えていただきました。 なんというのか”なめらかな”かおりがするのです。 拘りの山葵をチョット溶くとたいへん結構な香りもいたします。 後で前述の”のうがき”を読んでみましたら、『そばが主、つゆは従との考えで昆布や鯖節等を使用せず、鰹枯本節いっぽんの仕立てでございます』と書いてありました。だから感じがこれまでと違ったのかどうかは分かりませんが、そうなんだそうです。 もちろん良いか悪いか好きか嫌いかは人それぞれ、行ってみて飲んでみて「ふ~ん」と思ってもらえればそれで結構です。  またまた余談ですが、この店 は”無想庵つくもそばきり” となっています。 ”つくも”が気になったので「お宮さんとこの”門前つくもとは親戚かなんか?」と尋ねてみましたら、向こうさんはここから分かれていったんだそうです。 最近”つくも”とつく店が何軒か見られますが、それはさらに向こうさんから分かれた店なんだそうです。 要する『本家』なんでしょうか、まぁどうでもいいことです。 どうでもいいこともう一つ、ここはそもそも”なんでもあり”の食堂?が始まりなんだそうでして、二代目さんからそば屋になったんだそうです。 だからどうだということは何もありませんが、そうなんだそうです。