月想記

戯言日記

トム・アット・ザ・ファーム

2014-11-19 | 映画
グザヴィエ・ドラン監督の「トム・アット・ザ・ファーム」を観た。

首の後ろに何かがずっと張り付いているような感覚になる、怖い怖い映画。
田舎の閉塞的な空気の中、主人公トムが狂気に染まって行く心理がジワジワとくる。

死んだ恋人ギョームの葬儀に参列する為彼の故郷を訪れたサム。
ギョームの兄フランシスの暴力に支配されながらも彼に惹かれて行くのだけれど、
フランシスのイカレっぷりがスゴイ。



トムとフランシスがタンゴを踊るシーンがあって、そこがすごくエロティック。
フランシスはゲイであるトムを否定し母親には絶対に真実を告げぬよう脅すけれど、
実はフランシスもゲイでありそれを認めたくなくて暴力に走っているように見える。
過去の事件は弟の事が露見するのを恐れたにしてはひどすぎるし。
作中では特に触れられてなかったけど、相手の口を裂いたりしたら傷害罪で服役してた
はずだよね?

フランシスがトムの首を絞めるシーンも、あのままヤッチャってもおかしくないぐらい
のエロさ。(実際にはキスもしないで終わるけど。)
ギョームと同じ声、同じ香水の香り・・・。
「いま残された者が君のいない世界でできることは君の代わりを見つける事」
トムにとって彼はギョームの代わりだったのか。

恐ろしい状況なのにトムが逃げ出そうとしなかったのはなぜなのか?
フランシスへ傾倒していただけではなく、あの家に充満していた虚無感に取り込まれ
隙間にピッタリと彼のピースが嵌ってしまったからなのではないか。
そんな風に思った。

この作品のグザヴィエ・ドランはとても美しい。私が男なら惚れる。
いや、女のまま惚れてもいいんだけどねw


↑ラストはシネマカリテにあった、等身大グザヴィエ・ドランパネルww

コメント
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