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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「じゃがいも」

2006-02-20 07:25:33 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 アイルランド人といえば、ジャガイモ。確かにアイルランド人は、世界でいちばんのジャガイモ好きかもと思う場面をたくさん目撃してきました。アイルランドの主食が、ジャガイモではなく小麦(パン)だと知ったときは、とても意外な気がしたものです。え、イモじゃないの? でも、国民的人気食材といったら、やっぱりジャガイモでしょう。

じゃがいもの皮のフライ。
ビールにぴったり!!
 ケルトの時代からオーツ(カラス麦)のお粥、ポリッジを主食にしてきたアイルランドに、ジャガイモが伝来したのは16世紀後半で、各地でつくられるようになるのは17世紀に入ってから。後の大飢饉を迎える19世紀には、ジャガイモが主食の状態になっていて、1日ひとりあたり3キロから6キロものジャガイモを食べていたのだそうです。にわかには信じられない量ですが、ジャガイモだけに頼る食生活になっていた時期で、そこからすべての滋養を摂るために勧められた量でした。

 アイルランドのジャガイモの特色は、なんといっても「フラワリィ(floury)」なこと。ほくほくを好むのは、日本人に似ています。この間、オランダ産のものを買うときに、お店の人にどんなタイプ? とたずねると「ワクシー(waxy)かなー」。茹でてみると確かに少し、ねっとり系でした。どちらが正しいということではなく、料理に応じて、ジャガイモの種類を使いわけます。ほくほくは、茹でるだけでもおいしいし、マッシュドポテトも、ふんわり仕上がります。どんな使い方をしても合いますが、これはワクシーな方が合うという料理もあります。たとえば、グラタンなど、薄くスライスしたジャガイモを並べてオーブン焼きにするような場合。ほくほく系は、汁っ気を含んで煮くずれることがありますから。

 アイリッシュスチュウのような煮込みは、煮くずれるくらいがいいけれど、ポトフのように、野菜の形をきれいに残して仕上げたいときはワクシーなものがいいかも。というように、ジャガイモ選びも楽しいです。できれば料理を先に決めてしまわず、どのタイプの野菜が手に入るかで、レシピを決めるのが望ましいですね。

 友人の家は農家で、収穫期になると門柱に「ポテト」という看板が出ます。ふつうは20キロ単位で小売り(??)してくれるのですが、あまりに多いので半分にしてもらうのですが、こんなに安くていいのと驚く値段。20キロで、7ユーロ。アイルランドの物価って高いの? と質問されると、返答に困る理由のひとつがここにあります。

 ジャガイモは皮にたくさんの栄養がつまっているので、なるべく皮つきで食べるといいそうです。パブなどで、皮を厚めにむいてカラ揚げにしたものに、ガーリック風味のマヨネーズソースを添えたものを見つけたら、絶対お試しください!


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