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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「サンボ」

2006-04-24 00:21:21 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 日本でいえば、おにぎり。手軽に食べられるサンドウィッチは、アイルランド中どこでも大活躍です。パブや食堂ではもちろん、スパーとかセントラなどのアイルランド版コンビニあたりでも、ちゃんとデリカテッセンのコーナーがあって、具だくさんのサンドウィッチをその場でつくってくれます。

Birrで食べた“ほんものの”ハム入りサンボ。
 ダブリンの町中には、今日びサンドウィッチ・バーがひしめき、昼どきにはオフィス・ワーカーたちでごった返します。サンドウィッチは、親しみをこめてサンボの愛称でよばれることも。田舎の方(特にティパレリあたり)の人は、サンゲッジって言うよ。わかーい男の子が、サンゲッジって言うの、けっこうかわいい。

 目の前でつくってくれるタイプの店では、ショウケースの中に並んだ様々な具を自分で選んで、はさんでもらいます。オーソドックスなところで、ツナ、エッグマヨ、チキン、ハム、これにコールスローや、コーン、トマト、たまねぎなどの野菜がちょこちょこと。専門店になると、チキンもタンドゥーリ風味とか、ベーコンやサラミ、ブラックプディングなんていうのもあったりして、組み合わせに迷います。

 さんざん迷った挙げ句、私が選ぶのは“ハム、コールスロー、コーンを少し。まだのるようなら、トマト”。これをふんわりした白いスライス・パンにはさんでもらうのですが、アイルランド的なおおらかさで、具はすっかりてんこ盛り。手渡された包みは、どっしりと重いほど。

 アイルランドで行ったことのないエリアは、まだまだたくさんありますが、地元人のマークも、近いのに行ったことがないと言うのが、Birrでした。アイルランドのへそといわれるように、国のちょうどど真ん中に位置する小さな町です。10年ほど前にデビューしたシンガーソングライター、マンディが、この町の出身で、彼がメジャーになるまで、人々の口にのぼることもない地味な場所でした。

 たまたま近くを車で通ることがあり、Birrに立ち寄ってみました。初めての町は、やっぱりわくわくします。小さな町は、角を曲がるともう町はずれという感じでしたが、品揃えの充実したオーガニックの食材屋を見つけました。そしたらびっくり、自家製チーズを売っていて、それはイングランドのチーズ・コンテストで金賞をとったものでした。店主兼チーズをつくった職人はスキンヘッドの若い青年で「いやー、金賞をとれたのは、僕もびっくりだったよー」と無邪気な発言。こういうさりげなさが、アイルランド人のいいところです。

 彼のすすめで、すぐ近くにあるカフェに行ってみると、これがまた穴場。サンボの具に、ちゃんとかたまりになったハムをスライスしてはさんでくれたのです。たいていの店は、ぴらぴらのスライス・ハムを使用します。良心的な店では、少し厚めのスライス・ハムを使います。しかし、ここではちゃんと、塩漬けした豚もも肉の正しいハムを使っているのです。食べたときの満足度が、ぜんぜんちがいます。塩気もほどよくきいて、ひさしぶりに本物のハム・サンボを食べられました。
 
 こんな風に、ふらっと出かけた場所で、おいしいものに出会えると、感激も大きいですね。気に入ると、同じ店に何度も通ってしまう方なのですが、なるべく冒険するように心がけています。アイルランドにはよく、地図にも載っていないような小さな集落がひっそりと存在していて、そういうところを宝探しに似た気分で見つけに行く楽しさは、尽きることがありません。


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