アイルランド生活ブログ - 生活・料理・留学の情報満載 -

アイルランド在住者(精通者)によるアイルランド生活の情報を発信中!!

松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「サマー・トライフル」

2006-05-15 09:14:30 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 「トライフルは、クリスマスのときしかつくってもらえなかったなぁ」と、マークは言います。スーパーマーケットなどでは、パック入りのトライフルが年中売られていて、少し古風な印象のお菓子ですが、クリスマスのための自家製は、シェリー酒をたっぷりしみこませる贅沢なデザートです。

サマー・トライフル。
 つくりかたは簡単。大きなガラスの入れ物に、まずスポンジケーキをくずして敷き詰めます。次にカスタードクリーム、その上にぐずぐずとかきまぜて壊したゼリー、刻んだ果物、そしてまたスポンジケーキ・・・という具合に三段ほど層をつくります。最後にシェリー酒を惜しみなく注ぎ入れ、一晩冷蔵庫へ。翌日には、いちばん底のスポンジケーキまで、シェリー酒が染み込んで豪華なデザートのできあがり。てっぺんは、ホイップした生クリームをどんとのっけます。

 ちょっと時間を要しますが、絶対に失敗することがないし、ボリュームのある料理が続いた後には、冷やして食べるデザートは嬉しいもの。どんなにお腹いっぱいでも、これなら食べられます。

 クリスマスに食べるもの、という期間限定も、ありがたさが増していいのですが、たまには“Special Treat”(マークの口グセ。特別なご褒美という意味でよく使います)、なんでもない日にトライフルをつくることがあります。

 サマー・トライフルは、私のオリジナル。たいてい、いちごのゼリーを使うところをブラック・カラントとかダーク・チェリーといった濃い色のゼリーを使います。間に入れる果物も、ブルーベリーやラズベリー、夏の終わりならブラックベリーなど。

 バリエーションはいくらでも増やせます。スポンジをチョコレートケーキにしたり、カスタードクリームのかわりにマスカルポーネ・チーズを使ったり、果物もバナナやパッションフルーツなどトロピカルものもいいし。

 なるべく大きな器で、たくさんつくることをおすすめします。2、3日たって、残り少なくなってくると見た目は、おぞましいことになりますが、味はことさらよくなっています。

 5月1日、メイ・デーは、夏の始まりです。アイルランドは、まだ少し肌寒い時期ですけど、日はどんどん長くなり、木々や草花はぐんぐんと成長し、初夏の気配を実感する喜びに満ちた季節です。

 晴れた日は、庭にテーブルを持ち出して、シェリーのじんわりとしみこんだトライフルを大きなスプーンですくいあげる。これが、スペシャル・トリート。


★松井ゆみ子さんのプロフィールはコチラから★
☆「松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー」投稿一覧はコチラから☆

⇒「松井ゆみ子さんの著書はコチラから購入できます!」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。