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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ウエリントンと帽子」

2007-02-19 00:39:24 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 冬のアイルランドの必需品といえば、ウェリントンと帽子。ウェリーの愛称で重宝されるのはゴム長のことです。掃除機をフーヴァーとよんだり、ボールペンのことをバイローといったり、メーカーの名前がそのまま固有名詞として使われるように、ゴム長もメーカーにかかわらずウェリントンとよばれています。

グレイストーンにあるお店で見つけたデンマーク製ゴム長。
 秋ぐちから、牧草におおわれたアイルランドの土は、いつも水気を含んで、ぬかっています。うちの庭でさえ、芝生はいつも雨上がりのように湿気を帯びて、サンダルばきでは出られません。

 スニーカーも、どろどろになってしまうし、なんといっても便利なのはゴム長です。ニューブリッジに引っ越してきた頃、誰しもに勧められて、ゴム長を手に入れました。ガーデンセンターで見つけたのは、実用重視の、素っ気ないもので、ブルーグレイの色みも地味なものですが、いやー、履いてびっくり。今までは、ウォーキングに出かけても、足元を気づかっても意味ないのは知りつつ、それでも、ついついぬかるみにズボっと足をつっこまないよう下ばかり向いてしまって、景色を見るどころではなかったの。羊なんかのフンを踏むのも、イヤだったし。いくら「草しか食べてないから、きれいなもんだよ」って言われても、ねぇ?

 で、ゴム長。これなら、ざーっと洗えるし、ちょっとぐらいの水たまりでも、へっちゃらだし、カントリーサイドに住む人たちが、みんなこぞってゴム長を履く理由が心底理解できました。

 最近は、花柄や水玉、ペイズリーやヒョウ柄など、とてもかわいいゴム長を売っていて、私もほしいなぁと思っていた矢先。

 グレイストーンのファーマーズマーケットを手伝いに行っているときに、近くのブティックで見つけちゃったのが、写真のこの青いブーツです。一見、ドック・マーティンのブーツみたいですけども、立派なゴム長。デンマーク製です。

 100ユーロちかいし、アヴォカ・ショップでも扱っていると雑誌に紹介されているのを後日見てしまい、きっとみんな履くわね、と、ちょっとがっかり。
 狭い国ですから、誰かとおんなじものを身につけて、ばったり会っちゃう確率は大。

 それでも、半月ほど悩んで、結局クリスマス直前に、自分へのプレゼントで買っちゃいました。

 さっそく履いて出かけたのは、ナヴァンの競馬場。
 クリスマス前で、ガラすきのレースコースで、このゴム長は、かなり目立ってくれたようです。これなら雨の日が楽しみになりそうだ。

 それと、もうひとつの必需品は帽子。
 マークいわく「体温の70パーセントは、頭から逃げる」のだそうで、寒い日に外出するときは、マークに必ず「帽子は?」とチェックされます。

 ニット・キャップとウェリーさえあれば、アイルランドの冬も、ぐんとしのぎやすくなります。


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