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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「春の祭り、イースターの卵」

2007-04-02 22:25:16 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 まもなくイースターの祝日です。今年は4月8日がイースター・サンデー。

ニューブリッジで買ったイースター用のお菓子。
 長い喪が明け、キリストの復活を祝うお祭りですが、この「長い喪」は「冬」を意味していたのでしょう。作物もとれず、寒さに震えながら、不安ななかで暮らした古代の人たちが、自然界に生命の息吹を実感する喜びのときだったのだと、少し田舎に暮らし始めて、理解できるようになりました。

 イースターに欠かせないのが卵。「新たな誕生」を象徴するのに、これほど適したものはありません。

 スライゴーに住む友人が「こどもの頃はイースターの朝、庭中を駆け回って、ニワトリの卵を探したもんだ。植え込みや薮のかげなんかに、ニワトリが卵を産み落としているんだよ。今では、こどもたちのために、親が前もって薮の蔭なんかに卵をかくしておいて、それを探すゲームになっているけど」と教えてくれました。

 養鶏場は別ですが、個人の農家で、数羽のニワトリを放し飼いにしているような場合、好き勝手な場所で卵を生んでいたようです。

 彼がこどもの時分は、そうしてゲーム感覚で卵を集めることが、家族の手伝いにもなったわけで、楽しみながら家の仕事を覚えていける、いい時代だったのですね。
 
 さて、近年は卵のかわりに、チョコレートがイースターの象徴になってきています。レントといって、キリストの受難を思い、イースターまでの約40日間に苦行をひとつ、という意味で、何か好物をひとつガマンする習わしがあります。

 そこでチョコレートをガマンする人が多かったから、というのが理由らしいですが、真相はどうなのでしょう。ずいぶん前から、イースター・チョコといって、卵の形をしたチョコレートが、この祝日にかかせないものになっています。

 案外、イングランドのチョコ会社キャドバリーあたりが始めたのかもしれませんが。

 グルメ化のすすんだ現在のアイルランドでは、手づくりの生チョコが人気です。

 自国のものはもちろん、ベルギーから直輸入の、うさぎの形をしたチョコなど、ちょうど日本でのヴァレンタインデーのような勢いで、様々なチョコが売られます。

 近所のベーカリーでは、チョコを使ったイースター仕様のお菓子が並んでいて、あんまりかわいいので、思わず買ってしまいました(写真)。

 メレンゲの台にチョコがけ。鶏の巣にみたてたチョコ味のバタークリームに砂糖菓子でできた卵が飾られています。
 今年は、どんなお菓子が登場するのかな?


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