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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「アイリッシュ・ウィスキー」

2006-12-04 22:16:06 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 アイルランドの冬は、太陽を見る機会が、ぐっと少なくなります。
 庭の芝生も、朝露が乾かないうちに夜露を迎えるような具合で、いつも水気を含んで土もぬかるんだまま。ゴム長なしでは暮らしていけないのが、この国本来の冬の自然です。ゴム長もね、底の厚いやつを買わないと、地面の冷たさが伝わってきてつらい。土がこういう状態になる頃、競馬はフラットレースからジャンプレースに移行します。10月くらいから、すべてのレースコースが超・重馬場になり、タフさを競うレース展開になっていきます。そうなると、ジャンプレースの馬たちの出番。

 アイルランドでは圧倒的にジャンプレースの方が人気で、競馬ファンの大半が冬を待ち望んでいます。長く暗い冬にも、ちゃんとエキサイティングな楽しみを見つけるところがアイルランド人たちのたくましさですね。

 ナショナルハントといって、キツネ狩りをとりしきる協会がジャンプレースも管理しているため、ジャンプレースをさして「ナショナルハント」と呼ぶこともあります。このシステムはイングランドも同じ。しかしながらイングランドではキツネ狩りが全面禁止になりつつあり、ナショナルハントの行方が懸念されています。

 アイルランドは健在よ。ファーマーたちの国ですからね。
 ジャンプレース観戦にかかせないのが、ホットウィスキー。アイリッシュ・ウィスキーのお湯わりで、レモンとクローブの実をうかせ、お砂糖を加えます。

 身体の底から温まってくるので、風邪の特効薬でもあります。
 ウィスキーをおいしいと思ったのは、アイリッシュウィスキーと出会ってから。まろやかなので、生のまま飲む楽しさも知りました。

 スコットランドの人に言わせると、アイリッシュウィスキーはマイルドすぎるのだそうですが、こちらでは、スコッチはきついって言うよ。私もそう思う。

 大きなジャンプレースのスポンサーをしているので、親しみを覚えて愛飲しているのはPOWERS GOLD LABEL。

 ビーフステーキの焼き上がりに、じゃっとウィスキーを注いで、さっと生クリームをまぜあわせてソースにしたりすることも。




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