アイルランドは酪農のさかんな国で、牛乳の品質の高さはEU圏でもトップクラスを誇ります。酪農の守護聖人でもあるセイント・ブリジッドが、丹念に魔よけを繰り返し、牛たちの世話に励んだ成果が、今のアイルランドの礎となりました。
牛乳自体がおいしいので、加工して保存するという発想があまりなかったのか、長く貧しい生活を強いられてきたために、手をかけることができなかったのか、チーズやヨーグルトなどの乳製品の歴史は、あまり長くないようです。
牛乳は、もっぱらそのまま飲むものと、バターが重大要素。後はせいぜいバターをつくる過程でできる残り汁バターミルクや、上澄みからつくるコテージ(カッテージ)チーズくらいのものでした。アイルランド島全体が、ちょうど冷蔵庫ぐらいの温度に保たれているため、熟成の必要な発酵食品をつくるのは難しかったのでしょう。
逆にいえば「フレッシュ」ということが、アイルランドではいつも「おいしいもの」の同意語で、フレッシュ・ミルク、フレッシュ・クリームと謳われます。
ヨーロッパの中では、やや遅ればせにスタートしたチーズ文化ではありますが、肝心な牛乳の品質の高さで、大きく巻き返しをはかりました。チーズの欧州選手権といった感じのコンテストなどで、次々に金賞を受賞するのは、アイルランド国内に点在する、大小様々なチーズメーカーたちです。
広く一般に親しまれているのは、やはりチェダーチーズ。かつての支配国イングランドの影響ですが、アイルランドの自然環境を考えると、頃合いのいい品種のように思えます。私自身、いちばん好きなチーズはチェダー系です。いつも常備するのは、やはりこれ。後はその日の気分で、ゴーツチーズやブルーチーズなどをワインに合わせて調達します。
最近は、北の方の人たちが好む食べ方を真似て、チェダーチーズにレリッシュをのせていただくのが気に入っています。レリッシュは、薬味という意味合いで、ピクルスを細かく刻んだものや、チャツネなどジャムっぽいものの総称です。
簡単な、トマト・レリッシュのつくり方をご紹介しましょう。
【材料】
トマト 500g、タマネギ(小)1個、リンゴ(小)1個、ニンニク 1片、
レーズンかサルタナ 大さじ 2、塩 小さじ 半分、三温糖 カップ半分、ヴィネガー カップ半分、ピクルス用スパイス 小さじ 1。
※ピクルス用スパイスは、唐辛子、マスタードシード、黒コショウ(粒)、ニクズク、クローブ、ドライド・ジンジャー、セロリ・シードなどをモスリンの袋に入れます。入手できないものがあっても気になさらないこと。要は香りづけと、自然な防腐剤の役目ですから。
★つくりかた
トマトは青かったり、すっぱかったりするもので、ぜんぜんオッケー。
干したいちじくや、デーツなどを入れたり、なんでもあり。
チーズとサンドウィッチにするのがポピュラー。でも、これはポーク、チキンにも合いますよ。
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アイルランドの ファームハウス・チーズ |
牛乳は、もっぱらそのまま飲むものと、バターが重大要素。後はせいぜいバターをつくる過程でできる残り汁バターミルクや、上澄みからつくるコテージ(カッテージ)チーズくらいのものでした。アイルランド島全体が、ちょうど冷蔵庫ぐらいの温度に保たれているため、熟成の必要な発酵食品をつくるのは難しかったのでしょう。
逆にいえば「フレッシュ」ということが、アイルランドではいつも「おいしいもの」の同意語で、フレッシュ・ミルク、フレッシュ・クリームと謳われます。
ヨーロッパの中では、やや遅ればせにスタートしたチーズ文化ではありますが、肝心な牛乳の品質の高さで、大きく巻き返しをはかりました。チーズの欧州選手権といった感じのコンテストなどで、次々に金賞を受賞するのは、アイルランド国内に点在する、大小様々なチーズメーカーたちです。
広く一般に親しまれているのは、やはりチェダーチーズ。かつての支配国イングランドの影響ですが、アイルランドの自然環境を考えると、頃合いのいい品種のように思えます。私自身、いちばん好きなチーズはチェダー系です。いつも常備するのは、やはりこれ。後はその日の気分で、ゴーツチーズやブルーチーズなどをワインに合わせて調達します。
最近は、北の方の人たちが好む食べ方を真似て、チェダーチーズにレリッシュをのせていただくのが気に入っています。レリッシュは、薬味という意味合いで、ピクルスを細かく刻んだものや、チャツネなどジャムっぽいものの総称です。
簡単な、トマト・レリッシュのつくり方をご紹介しましょう。
【材料】
トマト 500g、タマネギ(小)1個、リンゴ(小)1個、ニンニク 1片、
レーズンかサルタナ 大さじ 2、塩 小さじ 半分、三温糖 カップ半分、ヴィネガー カップ半分、ピクルス用スパイス 小さじ 1。
※ピクルス用スパイスは、唐辛子、マスタードシード、黒コショウ(粒)、ニクズク、クローブ、ドライド・ジンジャー、セロリ・シードなどをモスリンの袋に入れます。入手できないものがあっても気になさらないこと。要は香りづけと、自然な防腐剤の役目ですから。
★つくりかた
1.トマトは皮をむいてみじんぎり。
2.材料全部と、分量半分のヴィネガーで、ゆっくり煮る。
3.スパイスの袋を取り出し、砂糖を加え、残りのヴィネガーを味みしながら加えてさらに煮る。すぐに食べてしまうなら、30分くらい煮ればできあがり。
トマトは青かったり、すっぱかったりするもので、ぜんぜんオッケー。
干したいちじくや、デーツなどを入れたり、なんでもあり。
チーズとサンドウィッチにするのがポピュラー。でも、これはポーク、チキンにも合いますよ。
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