忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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ゲーム業界に「ハイセンス」は通用するのか

2005年09月12日 | 業界四方山話


任天堂
ゲームボーイミクロ(ファミコンバージョン)


既に店頭に並んでいるショップもかなり多く見受けられるが、
いよいよ明日「ゲームボーイミクロ」が発売になる。

ファミコンが発売された1983年から丸10年、
市場の主役がスーパーファミコンに完全に移行していた
1993年に発売されたニューファミコンは、買い換え需要も手伝って
定番商品として2003年まで長く売れ続けたが、
2001年の初代ゲームボーイアドバンス発売から
4年を経て登場したミクロは、ニンテンドーDSやPSPなど、
優れた性能を持つ携帯用ゲーム機がひしめく中で
どの程度売れるものなのであろうか。

ミクロ登場で私が最も強く感じたのは、
「ようやくゲーム機もハイセンスを売りにするようになったか」
ということである。
ゲーム業界は今まで、「ハイエンド」にはこだわってきたが、
「ハイセンス」にはさほどこだわって来なかったように思う。
ミクロの12000円という価格を、
アルミボディだ液晶だというパーツで説明されても割高感が残るのは、
ミクロがゲーム機としての機能ではなく、
「ファッショナルブルか」「持ってみたいか」という、
価格に換算しにくい部分をウリにしているからであろう。

ゲームソフトの価格をクリアするまでにかかった時間で判断し、
ゲーム機の価格を、スペック表を眺めながらパーツの原価を足していき、
これなら得だ、これなら損だという「損得勘定」でしか判断出来ない
ゲーマーにウケが悪いのも、当たり前と言えば当たり前の話なのだ。
「中身は所詮アドバンスじゃないか」「SPで充分だ」という方々は、
同じ素材で作ったTシャツが、
ロゴマークひとつで数十倍になる世界もおそらく理解出来ないのだと思う。
時計やライターなどのブランド小物に関しても同じだ。
「時間がわかればいい」「火がつけばいい」だけなら、
どちらも100円で売っている。
「ブランドに金を払う」というのは
今までのゲーム業界には無縁の消費行動だったのだ。
プレイ時間やスペック表からしか価値を見出すことの出来ない層には
理解出来なくて当然とも言える。

これは出張所にも書いたのだが、
ゲーマーの集まる街のショップでの予約状況が今ひとつ振るわない一方、
ネットショップや大手量販で予約締め切りが相次いでいるのも、
ミクロに反応しているのが若年層ではなく、
「無駄遣いと分かっていて買ってしまう大人」だからであろう。
家で飲めば安くつくコーヒーを景色の良いカフェで飲むのは、
コーヒーの味とは別に「雰囲気」に金を払っているからなのだ。
そしてそれは、大人だけの密かな愉しみでもある。

DSとたった3000円差のミクロがどこまで売れるのか、
それとも大して売れずに終わっていくのか。
個人的には次世代ハードよりも今後の動向が気になるハードである。


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コメント (153)
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