一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第51回将棋大賞雑感

2024-04-03 13:09:57 | 将棋雑記
第51回将棋大賞が発表された。まずは記しておこう。

最優秀棋士賞…藤井聡太竜王・名人(4年連続4回目)
優秀棋士賞…伊藤匠七段(初)
敢闘賞…丸山忠久九段(初)
新人賞…藤本渚五段
最多対局賞…伊藤匠七段 69対局(初)
最多勝利賞…伊藤匠七段、藤本渚五段 51勝(初)
勝率一位賞…藤井聡太竜王・名人 0.852 (46勝8敗)(6回目)
連勝賞…佐々木大地七段 15連勝(初)
最優秀女流棋士賞…福間香奈女流五冠(14回目)
優秀女流棋士賞…西山朋佳女流三冠(3回目)
女流最多対局賞…加藤桃子女流四段 52局(2回目)
東京将棋記者会賞…小林健二九段、小山怜央四段
升田幸三賞…伊藤匠七段(棋王戦第1局などにおける持将棋定跡)
升田幸三賞特別賞…村田顕弘六段(村田システムなど独自の工夫に対して)
名局賞…第71期王座戦挑戦者決定戦 藤井聡太竜王・名人VS豊島将之九段
女流名局賞…第3期白玲戦第2局 里見香奈白玲VS西山朋佳女流三冠
名局賞特別賞…第71期王座戦第4局 永瀬拓矢王座VS藤井聡太竜王・名人

記録部門は、伊藤七段が謎の1勝を加え、69対局51勝。この結果、最多勝利賞にすべりこんだ。
個人部門の雑感だが、藤井竜王・名人の最優秀棋士賞、伊藤七段の優秀棋士賞は当然として、丸山九段の敢闘賞には首を傾げた。丸山九段は藤井竜王・名人を破っての銀河戦優勝がアピールポイントだが、それよりも私は、C級2組所属ながら棋聖、王位の挑戦者になった佐々木七段を推したわけだ。
だが実際は、丸山九段と永瀬九段(藤井竜王・名人を破っての朝日オープン優勝)の決戦投票となったらしく、佐々木七段は候補にも挙がらなかったようだ。
素人と評論家の見方は違うのだと、痛感した次第。
東京将棋記者会賞は、小林健二九段と、小山怜央四段。同賞は、受賞理由がいつも分からないのだが、今回もそうだった。
小林九段の受賞理由は、まったく推測できない。
小山四段が棋士編入試験で四段昇段を決めたのは2023年2月で、受賞するなら昨年度の気もした。
私の予想の青野照市九段が外れたわけだが、ただ、2022年3月に引退が決まった田中寅彦九段は、その後もまだ対局が残っていたこともあり、2023年の将棋大賞で東京将棋記者会を受賞している。
その伝で言えば、青野九段の受賞は来年になるのかもしれない。
升田幸三賞は、伊藤七段の「持将棋定跡」が選ばれた。この受賞が今回最大のクエスチョンで、私は意味がまったく分からなかった。持将棋定跡のココロは、角換わりの後手番で不利になった場合、持将棋に持ち込んでドローにする、ということでいいのだろうか。だけど何かなあ……思想が退廃的な気がする。
それよりも私は、序盤から作戦勝ちを狙う、村田六段の「村田システム」のほうがふさわしいと思ったのだが……。泉下の升田幸三先生に、感想を聞いてみたいものだ。
名局賞以下は、ああそうなのか……と感心した。
来年も最優秀棋士賞は藤井竜王・名人が濃厚だが、その藤井竜王・名人からタイトルを奪取すれば、その棋士が受賞をかっさらう可能性がある。皆さま頑張ってください。
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2 コメント

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将棋大賞と渚先生 (将子)
2024-04-04 10:23:53
小林健二先生受賞、失礼ながら、私も「?」となりました。
匠先生の持将棋は、中村太一先生もYoutubeで大絶賛していらしたので、プロ的にはすごいことなんでしょうが、「観る将」には、全く面白くありませんでした。

来年の最優秀棋士賞は、一公さんのおっしゃる通り、藤井先生からタイトルをとった棋士になるかもしれません。

あ、藤本渚先生、王位戦挑決リーグで、豊島先生に完勝してましたね。
藤本先生がヒタヒタと、藤井先生に迫ってきているような気がして怖いです。
期待 (一公)
2024-04-04 19:40:35
>将子さん
持将棋定跡は、中村先生がホメてましたか。やはり、プロ的には素晴らしい作戦なんですね。
藤本先生は、何かのタイトル戦に出なきゃしょうがないですね。期待しています。

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