一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

タイトル戦のこの組み合わせが珍しいトップ10

2018-02-05 01:14:37 | ランキング
第3期叡王戦は、今期からタイトル戦(序列3位)に昇格。決勝に残った2人が七番勝負を争うことになった。
その2人は、金井恒太六段と高見泰地五段(現六段)に決まった。C級1組とC級2組の対戦で、棋士名はともかく、この段位とこのクラスの組み合わせは、誰も予想しなかっただろう。
金井―高見のタイトル戦は、これが最初で最後だろう。そこで今日は、私が珍しいと思ったタイトル戦の組み合わせトップ10を記す。

第1位
桐山清澄棋聖(3勝)VS西村一義八段(0勝)(第50期棋聖戦・1987年)
西村現九段は1969年の第10期王位戦以来、18年ぶりのタイトル戦登場。相手の桐山棋聖は当時、タイトル戦の常連ではあったが、それでもこの顔合わせは珍しかった。

第2位
内藤國雄王位(2勝)VS高橋道雄五段(4勝)(第24期王位戦・1983年)
高橋五段が当時の最低段記録でタイトル戦に登場。無口の高橋五段相手に内藤王位はやりにくかったらしく、タイトルを明け渡した。

第3位
山田道美棋聖(3勝)VS中原誠六段(2勝)(第11期棋聖戦・1967年)
大山名人の名がないタイトル戦は1956年以来、11年ぶり。山田棋聖は36歳で急逝したが、中原十六世名人とのタイトル戦があるのは素晴らしい。
当時の中原六段は弱冠20歳。このタイトル戦ではあと一歩で敗れたが、翌期リターンマッチし、見事初タイトルを獲得した。

第4位
南芳一棋王(3勝)VS大山康晴十五世名人(0勝)(第15期棋王戦・1990年)
大山十五世名人は66歳でのタイトル戦登場。これだけ息が長いと、「花の55年組」とのタイトル戦も実現する。南棋王は現在でこそC級2組だが、55年組の中では出世頭だった。

第5位
南芳一棋聖(2勝)VS田中寅彦八段(3勝)(第52期棋聖戦・1988年)
田中八段がタイトル戦初登場。フルセットで棋聖を奪取。このころが田中八段のピークだった。

第6位
米長邦雄名人(2勝)VS羽生善治四冠(4勝)(第52期名人戦・1994年)
中原十六世名人は引退会見で、羽生竜王とタイトル戦を戦えなかったことが心残りだと述懐した。その羽生竜王と米長名人が、名人戦で交えていたとは、感慨深い。

第7位
中原誠棋聖(3勝)VS屋敷伸之四段(2勝)(第55期棋聖戦・1989年)
屋敷四段はデビューから1年2ヶ月・17歳で中原棋聖への挑戦を決めた。当時の新進四段から見たら、中原棋聖は雲の上の人。屋敷四段自身も将棋ファンも、この顔合わせが信じられなかったことだろう。屋敷四段は惜敗したが、翌期はリターンマッチで棋聖を奪取した。

第8位
谷川浩司棋聖(3勝)VS郷田真隆四段(1勝)(第60期棋聖戦・1992年)
郷田四段がタイトル戦初登場。四段での挑戦は3年前の屋敷四段以来だ。この五番勝負では敗れたが、続く王位戦(第33期)で谷川王位に挑戦。何とタイトルを奪取してしまった。
現行では、四段がタイトル挑戦を決めた時点で五段に昇進するので、四段タイトルホルダーの記録は永遠に破られない。

第9位
米長邦雄九段(0勝)VS島朗六段(4勝)(第1期竜王戦・1988年)
この組み合わせもかなり珍しい。米長九段は実力を出し切れず、シティーボーイ・島六段はマイペースを貫き、初代竜王に就いた。

第10位
中原誠名人(4勝)VS大山康晴十五世名人(1勝)(第44期名人戦・1986年)
大山十五世名人が63歳で名人戦に登場。「名人」同士の対戦は空前絶後。相手はもちろん中原名人で、名人戦でこの対決がまた見られることを、嬉しく思ったものだった。
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