遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

追い風、ローター、そして、雨

2010-12-12 22:20:56 | PARAGLIDER
天気予報は良かったンスよ。それがね・・・朝、雨音で目をさましました。ゆっくり準備して10時過ぎに獅子吼へ出勤。一足先に村Mさんが来ていてクラブハウスを開けてくれてました。「この冬は、お願いします」ってことで、来年用のオリジナルカレンダーを進呈。賄賂です♪

雨は程なく上がって青空が顔を出してましたが、風向きは追い風。こりゃあかんので、クラブハウスでだらだら。そうこうしているうちに11時半頃風が止まったりしたので、とにかく僕だけでも入山することにしました。

テイクオフに着くと小雨!風はしっかり追い風!!僕の他はお隣のスクールで入山した福井の方々。雨はそのうち上がるだろうからグライダーをザックから出して風待ちをしました。それから1時頃まで・・・最初の風の変わり際で福井のスクールのインストラクターさんが飛んだ。僕の方が先に準備し始めたんだけど、さすがイントラ。決断が早い。彼は後ろからくる風に押されてぐんぐん高度を下げ、しまいニャ自分でスパイラルをかけて降りていった。彼から彼の講習生に無線が入った。空域はローターになっていて荒れているから飛ぶのを待てとのこと。

僕がすぐに出られなかったのは、新しいハーネスALTAX2のライザーの位置が低すぎてフロントライズアップがちょっと難しく感じたこと。さらにフロントコンテナをカラビナに付けるタイプだったので、ライザーを握る手に余計な重みを感じる。結局、タイミングを逸してさらに2時頃まで待つ羽目になった。海風は手取川辺りまで来ていたのだが、それが北東風に押されてテイクオフにまで届かない。それをひたすら待っていた。1時半頃、隣のスクールのテイクオフディレクターさんが雨雲が来ているから撤収をかけた。規模は小さいが、たしかにこちらに向ってる・・・・これはピンチだけど・・・・雨雲の接近が風を変えるはず。テイクオフには翼を広げた僕ひとりぼっち。無線機でランディング場の村さんに呼びかける・・・反応がない・・・さっきまで生きていた無線機がバッテリーを失って沈黙している。すべての意味で一人になってしまった。

風が止まった。

リバースポジションから引き上げた。失敗。

みんな避難しててテイクオフに自分以外に誰もいない。一人で翼を広げ直して、今度はフロントポジション。風はまだ止まってる。雨雲は目の前だ。

気合い一発!翼を引き上げた。頭上に来た黄久蔵が揚力を発生させる・・・右翼だけ???
左翼は鈍い。

かまわずそのまま翼をコントロールして地面からはなれた。2-3機でも翼なんか半分あればフォローでも離陸できる・・・中途半端に上達するのはある意味危険ですよ。(笑) 左翼の動揺が激しい。遅い。失速しそうだ。揺れる。

「なんでだ?」

左翼側のラインを見ると、AラインはそろってるがBCDのラインがよじれて固まりになってる! 

「な、なんだ、こりゃぁぁ~」

スタビライザーラインを探ったがわからん。近づく雲とローター風に翼は揺らされ、揺れる揺れる。ALTAX2に乗って飛ぶのはこれが初めてだ。重心の位置になれてないので怖い。そもそも装備重量が軽くなってるのになまじ長く飛ぼうと思ってバラストを持ってなかった。よじれて一塊になったラインをわしづかみにしてひいたが、さらに黄久蔵が揺れるだけ! 上昇風帯もあるが、そこを避けて下降風帯に行くとバリオメーターが悲鳴を上げる。沈下警告音だ。マイナス4 m/sで高度を落とす。

迎え角が少し上がって突然、バンッ!と音を立ててよじれていたラインが一機に解けた。安定したがそれでも翼は揺れる。両翼端を折ろうと思ったが、アクセルラインを繋いでおくのを忘れてた・・・アクセルバーが意味もなく足下でぶら下がってる。アホだ、おれ。しょうがなくそれなりに安定した空域を探し高度を処理して着陸。長い長い5分間のフライトでした。

本日のお酒:SUNTORY THE PREMIUM MALT'S + 手取川 にごり酒 白寿 + 連峰白山
コメント (2)
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