感染症診療の原則

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問題発言続出

2009-05-18 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
思考停止症候群が増えています。
正直ウイルスよりもこの人たちのほうが怖いですね。

学校でインフルエンザがアウトブレイクし、学級閉鎖などがよくおこるのは密なコンタクトで広がりやすいからです。

米国のアウトブレイク報告で学校内あるいはスポーツ交流でMRSA感染などが増えています。タオルの共有はダメよ、、なんてのが介入ですが。

でもスポーツ大会は中止にはなりません。

とるべき対応は傷を覆うとか、受傷したら早めに適切な手当てをする、タオルを自前にするということであり、会場をバンコマイシンで消毒するとか、バンコマイシン入りシャンプーで洗いましょうとかいうことではありません。

MRSAがはやっているらしい地域の人は参加させないよ!なんていったらもちろん人権問題です(事前に全身スクリーニングをしてみろという話になります)。

さて、ではお互いチョーよそよそしく、集団というのもはばかるような集まりはどうでしょうか。

ホテルの大会場で密度も高くない学会が中止だと人気レストランなんかもってのほかですし、そこまで人の接触をたちきらないといけないほどの感染症ならば電車もとめて交通封鎖るレベルの話ですね。

メディアでみかける「感染経路を特定する!」とか鼻息あらい人は皆よくみると素人です。感染症対策が何かわかっていない以前に「インフルエンザがどういう病気か」がわかっていないんだな、とわかります。

人を「県名」で差別する発言まで出ています。専門家(になる学生)の皆さんは自分の発言が社会に与えるメッセージ性をよく考えましょう。
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