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新型フルワク意見交換会 さらにご意見

2009-08-28 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
欠席でしたが、予防接種に疑問を持つ親の団体「カンガエルーネット」は印刷資料で意見を提出していました。ユーザーアンケート結果の紹介と“ゼロリスク症候群を煽っていないか?”という指摘がその内容でした。

【全国薬害被害者団体連絡協議会】
今回の会議に向けての各団体からの意見集約などはしていない。意見としてはワクチン輸入について。
この医薬品がなければ患者の生命が危うくなる、、というような薬品とは異なる。
健康な人に使う,現時点であまり情報がないモノ。インフォームドコンセントの際には医師が最新情報を提供できるようにするべき。
今日の会議で接種対象としてあげられた人の合計は2000万人程度。
年内に1700万人分のワクチン、、といわれているが足りるなら輸入は要らないのではないか。

【元・疾病障害認定審査委員をしていた立場から】
ワクチンでの健康被害認定は難しい。アヤシイ事例がかなりまじっている。
高齢者だと接種したその日に心筋梗塞、その日に死亡など、副作用とは言い難いものもある。季節性のワクチンならデータがあるが、新規薬剤についての情報がない。メディアが大騒ぎするリスクがある。
→若年層での接種結果をみて、安全性を確認してから高齢者には使って欲しい。

--------ここまでで97分(以下質疑応答・発言者名省略)------------

■基礎疾患についてのコンセンサスはできつつある。問題は基礎疾患の内人。小中学生は乳幼児より優先順位が低い、という話があった。また高齢者はワクチンが足りているなら,という話もあった

■元気で出歩く高齢者もいる。高齢者に安全に投与できるかどうか、データがでるまでは若い人に接種をしたらどうか。

■小児科団体の意見として小中高の優先順位を下げたことについては外来で親から怒られるかもしれないが、これを優先対象とすとそれだけで1500万人分のわくちんがなくなる。重症化しているのは基礎疾患合併者であり、沖縄の小児重症例をみるとやはり就学前の子どものリスクが高い。
ワクチン輸入について、臨床試験については協力するので実施してほしい。
海外のワクチンは抗体産生はよいが、そのかわりに発熱頻度が高い。日本は米国とくらべて熱に弱く、熱性けいれんの頻度が倍。人種間の差がある可能性もある。

■接種量はどうか?季節性とおなじでいいのか?


最後に・・・「受験生を優先接種枠にいれてほしい」という意見が2名の委員からありました。それは、「社会の混乱を避けるため」とのことです。
(センター試験が中止とかになったらたいへん・・という意味らしい)

19時に健康局長は「年内は千数百万人分のみ。なんとかこれで対処するのか?あるいは輸入して対応すべきなのかを検討して欲しい」とリクエストして退場(次の予定がある)。

(以上の傍聴メモは聞き間違い、タイプミス、その他あっても個人ブログのレベルとご容赦ください。一応ずっと起きてメモしていましたけど。各団体の主張はHPなどにあるのではないかとおもいます。配付資料はWAMネットなどで入手してください)
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