感染症診療の原則

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ムンプスのアウトブレイク(米国・カナダ)

2009-12-10 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
ここ数年、ムンプス(Mumps 流行性耳下腺炎)が各地でブレイクしています。

11月に米国CDCは2006年以来の大ブレイクを指摘。
2009年11月MMWR
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm58d1112a1.htm
2006年MMWR
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm55d518a1.htm

ニューヨークとニュージャージーで179例の確認例が把握されています。
http://ozarksfirst.com/content/fulltext/?cid=206261

カナダのオンタリオ州では現在集団感染の調査が行われており、米国北東部で流行しているウイルスと同じタイプであることが把握されています。
感染者の平均年齢は20歳、ほとんどが男性で、60症例は同じ行政区から報告されています。
1992年以後生まれた人はMMRを2回接種している層ですが、1970~1992年生まれの人は1回接種のみのこともあり、追加接種が必要。

上記MMWR2009年11月号のレポートでは、ワクチン情報のある症例のうち、72%はムンプスを含むワクチン接種を2回接種済み。ムンプスワクチンの有効性は1回接種で 73-91%、2回接種で 76-95% 。

カナダでブレイクしている地区では症例の62%は2回接種をしていることがわかっています。

North Bay Parry Sound District Health Unit
http://nugget.ca/ArticleDisplay.aspx?e=2211768

ワクチン接種群で発症? です・・・

そのワクチンに問題があった(保管法含め)?
ワクチンの効果が持続していない?
ムンプスウイルスが突然変異した?

調査は進行中。

英国ではムンプス単身のワクチンの供給がストップ(MMRがあるので)2009年11月
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/6645284/Single-mumps-vaccine-production-stops.html

最近のアウトブレイクは年齢が上ですが、思春期以後の男性でおきる睾丸炎(約20-40%)、その後まれにですが不妊症なども問題になります。
妊娠3ヶ月までの妊婦が感染しますと、胎児死亡の原因になります。

日本の流行性耳下腺炎
http://idsc.nih.go.jp/iasr/24/279/tpc279-j.html

日本で今接種をしようとするとお金がかかります。任意接種のMワクチン、輸入モノのMMRワクチン。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3674118.html

(佐賀での一枚)
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