感染症診療の原則

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そうじゃなくって、、、派遣村のTB症例

2009-01-07 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
以前、SHAREの沢田先生のご紹介で、新宿中央公園での年末年始の越冬プログラム
に関わらせていただいたことがあります。
ホッカイロやマスクを配って診療補助をしていました。

医療テントの中では問診と自分の手と聴診器のみ。
ボランティアでやってきた若いドクターに「ここの音きいてごらん」と説明をしながら手際よく診察をすすめていく熟練ドクターたちの姿がありました。

そして、呼吸器症状や高熱の人はつきそわれて都立病院の救急外来等を受診していました。路上生活者だけで受診するのと、医療関係者がつきそって受診するのでは医療機関の対応がゼンゼン違います。

狭いテントの中で咳をしている人がたくさんいて、結核等が問題にならないのか・・ということはずっと考えていたことでした。

今朝のニュースでは派遣村にきた人が結核だった、しかし滞在は15分だからだいじょうぶだろう・・という記載があります。
結核の接触者調査はそのような狭いレベルで検討するのではありませんが、まあ記事そのものはパニック防止的なことを狙って書いたのかなと思いました。

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東京都は6日、東京・日比谷公園の「年越し派遣村」を訪れた無職男性(37)が、渋谷区内の病院で肺結核と診断されたと発表した。
 男性が同村に滞在したのは約15分間だったため、都は感染拡大の恐れはないとしている。
 都や関係者によると、男性は今月2日に派遣村を訪れたが、せきが止まらないなど体調がすぐれない様子だったため、ボランティアの医師の指示で直ちに病院に運ばれた。肺結核と診断され、病院が5日、渋谷区保健所に届け出た。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090107-OYT1T00031.htm?from=navr
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越冬支援をしているひとたちは、他でも行政の委託を受けて外国人健診を運営したり、医療アクセスの悪い人たちにアウトリーチする活動をしています。

医学生の皆さん、時間のあるときにこうした地域活動に学ぶのおすすめです。
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