感染症診療の原則

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第三世代→第四世代へ

2009-09-14 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
昔々の電話相談では、次のような相談事例が多数ありました。

「き、きのうですね、酔っ払ってしまってですね、上司につれられていけないところに行き、いきおいでヤってしまったんです。気が大きくなっていたので、コンドームはしてません。エイズが不安になってネットで調べたら思い当たる症状があるんです。どうしたらいいでしょう?」

昔々の対応は、「検査を受けられるのはリスクのあった日から3ヵ月後です。それまでは他に心配になるようなことをしないで待ってください」というものでした。

当事者にとって、不安をかかえたまま検査を待つ間と結果を待つ間はとてもとても苦しい時間です。

現在この対応は×です。

今は、「そうですか。でも人生でコンドームを使わない性交は他にもありませんでしたか?。まずは早めに検査を受けて、8週後に今回のことを含めて再度検査を受けるという方法がありますよ」といいます。

せっかく検査を受けようというリスク因子のある人を遠ざける必要はありません。
ガイドラインもこのように指示しています。
『保健所等におけるHIV即日検査のガイドライン第2版(平成17年3月)』
http://www.hivkensa.com/index.html#

検査して結果がわかる日もだいぶ早くなりました。

現在の検査試薬についてはエイズ学会のガイドラインでも第四世代となっています。抗原・抗体を同時にチェックすることができ、21目(3週間後)から検査が可能です。

第四世代が出てだいぶたつこともあり、医療機関での導入状況をみると、すでに65%が第四世代、第二世代が24%、第三世代が10%になっているそうです。

自分の施設がどの試薬を使っているか知らない医師もたくさんいるそうですが、今後日本にとって重要なのは早期診断→感染拡大予防ですので、機会があったら検査室にきいてみてください。

これより早く、Acuteのときに診断するためにはPCR検査が必要です。

参考 青木編集長座長の座談会
「HIV検査 検査のタイミングとコツ」
http://www.abbott.co.jp/medical/library/hiv-point/hiv-point.pdf

(トラベラーDr.かてつ が食したヤシガニ料理)
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