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ホメオパシーとこどもの命

2010-07-09 | 非・悲・否・避「常識」
編集部です。
先日、ホメオパシーと予防接種について2つほど記事を書きました。

なんでそれにはまるのかな?という単純な疑問と、保護者のシュミや関心で赤ちゃんが本来受けられる保健医療サービスが受けられないとはどういうことなのか?と考えさせられたからです。

インターネットで予防接種について調べようとすると、この反対派の意見にたくさんヒットし、正確な情報が得られない、困っていると指摘するお母さんたちがいます。
情報が探せない状況については関係者はもう少し努力が出来るのではと思うところです。

別件ですが、7月9日の読売新聞にはホメオパシーが原因と思われるニュースがありました。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100709-OYS1T00214.htm

助産師の責任が問われるのはもちろんですが、所属団体としてホメオパシーの団体、助産師会、看護協会などの見解なども社会が期待するところではないかとおもいます。
死亡事例ですからね。position statementを出さないと。(と、メールをしてみます)

死亡事例ですから、国も何らかのコメントを出したりしないでしょうか。
英国NHSは2010年、ついに公的医療からはずしましたしね。

公的にアラート情報が出ることは今後の被害防止につながるとおもいます。
厚生労働省・大阪市
医薬品成分(グリベンクラミドとシルデナフィル)を含む製品摂取との因果関係が疑われる健康被害
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail1047.html
「バイアグラ使用後に死亡した事例について」(当時未承認)
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1007/h0715-2.html
「人工妊娠中絶薬→健康被害が懸念されます」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1025-5.html
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4 コメント

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紹介 (mishimahiroshi)
2010-07-10 16:53:38
インフルエンザ騒ぎ以来、いつも拝読しています。
度々ブログにしょうかいもさせていただきました。

ホメオパシーの件はわたしの仕事である鍼灸も人事ではないと紹介させていただきました。
http://yukijuku.blogspot.com/
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正しい、正しくないの判断 (HH)
2010-07-12 08:46:05
ホメオパシーや自然派についての記事を、興味深く拝読いたしました。
私自身は内科医で、娘がいますが、くだんの「出産後に急にナチュラル系に走る派」に該当すると思います(笑)。ちょっとしたかぜなら、できるだけ薬を使わずに、重症にならないか常に目を配りながら、様子をみています。時には漢方薬を飲ませたりもしています。ホメオパシーにも興味はありますが、まだ検討段階で、使ったことはありません。
予防接種は、必要だと思うものはもれなく受けました。

今回コメントさせていただいたのは、西洋薬にせよ、東洋薬にせよ、予防接種にせよ、ホメオパシーにせよ、いずれも、体にとってはプラス、マイナスの面があり、(それもその人によってプラスかマイナスか異なる場合がある)、それを体に取り入れるかどうかは、個人のその場の判断にゆだねられていると思うので、「予防接種までさせてもらえないなんて、ホメオパシー信者の親って、ひどいよね~」という印象は持ってほしくないと思ったからです。ホメオパシーでも、きっと有効な場合は、有効だと思います。(思います、というのが肝心です。本当に正しい、正しくないの判断を、100%できる人はいないからです。)

私自身、出産前までは、西洋薬一辺倒で、その他のものは「エビデンスがない」と信じることができませんでしたが、出産という原始的な体験をすることで、エビデンスがあるなしだけをものさしにしていては、本物が見えてこないということに気づくことができました。許容範囲が広がったというか、自分の生き物としての無力さを痛感したというか。何事にも、「絶対」は、ない、とわかったというか。

情報が氾濫している現在、個々人が、自分や子供にとってどのような行為をとったらいいのか、判断するのは難しいと思いますが、出来る限り「よい選択」をできるような判断力を磨いていくしか、ないのだと思います。

長々とすみませんでした。
貴重な記事をありがとうございました。
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論点は (編集部)
2010-07-15 21:37:54
宗教や試験ではありませんので、正しいか正しくないか、絶対というようなことではなく、感染症での検討事項は「どれだけのリスクを引き受けるか」ということですね。

成人が自己責任で話をする場合と、子どもの場合で少し違ってくるのですが、このあたりは弁護士さん達の話が参考になりました。

代替医療は一切みとめない、というドクターもいますが、本来受けるべき医療の機会を奪わないという条件のもと、プラセボ効果でもご本人の満足感や幸福感を重視してどうぞという人もいますが。
今後、議論が深まることも期待しています(このブログでは扱いませんが)

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ご紹介ありがとうございます (編集部)
2010-07-15 21:41:20
ブログにご紹介いただきありがとうございます。

お子さんが亡くなってしまった助産院での事例で現在、助産師会の動きが注目されていますね。

どのスタンスで人の健康にアプローチするのか。安全第一は当たり前ですが、適切な説明、助言のタイミングなどいろいろ考えさせられる事件が続いています。
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