感染症診療の原則

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新たに2名 ヒトのH5N1(とりふる)

2009-05-07 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
東京は今朝は寒く温度差の激しいこのごろだなあとしみじみ感じます。
感染症情報でも温度差を感じますが・・・。

“トリフル”H5N1のヒト症例数のUpdateがありました(5/6 WHO確認情報)

5月6日に、WHOは新たに2例のヒトでのH5N1症例を報告しました。
1例は死亡しています。メディアで報道されたのは4月24日でした(確定まで時間がかかるんですね)

【23歳・ベトナム人女性】
Tranh Hoa地域の女性が4月16日に発症し、5日後の21日に入院。翌日22日に死亡。
調査の結果、自宅近くでH5N1によるトリの死亡があったことが確認された。
ベトナムではこれで111例目(死亡は56例目、Case fatality rate 50.5%)

【34歳・エジプト人女性】
Gharbia地域の女性が4月21日に発症し、同日入院しタミフルで治療を受けた。
体調は安定している。
調査により体調悪化の前に病気・死亡の家禽との接触が把握された。
エジプトではこれで68例目(死亡は23例。CFRは33.8%)

この2例を加えて世界全体ではヒトのavian influenza H5N1は423例(死亡が258例
、CFR61%)
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/country/cases_table_2009_05_06/en/index.html
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/other/news/may0609scan.html

トリさんブタさんとLiving togetherの国は世界各地にあり、なくすこともできないし、「死にそうなやつから食卓に上る」ということも共通しているそうです。

先進国ほどに医療機関やラボがありませんので、調べていないけど似たような症状があったひともわんさかいるはずです。WHO報告されたのはごくごく一部と考えられます。

WHO報告の数字が一番遅いのは確認をしてから扱うためで、おっせーな、といわれようともこのような機関は必要ですね。
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