感染症診療の原則

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研修医の新型インフルニュース

2009-06-23 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
最前線で診療に当たる人たちのリスクは、一般人や管理職・事務方とは異なり高いことが知られています。
(彼らを守ろうという意思のある人はぜひ定期的に現場を見にいきましょう!)

研修医には入職時、それ以後も定期的に感染管理予防のための研修が提供される必要がありますし、必要な物品もそろっていることが重要です。設備に不備があるなら改築、それがむりなら何らかの工夫の検討も必要です。

それでもインフルエンザは100%予防する方法はありませんので、流行すれば医療者も職場や地域で感染しても不思議はありません。


各社の報道に研修医が新型インフルエンザに感染したという記事がありました。

現時点で「性別や年齢まで書いて発表することかよ?」ですが、さいたま市には感染症の専門家もいるので、ちょっとトホホな気分ですね。
(たいていはそういった人にコンサルなく情報が出ちゃうみたいで、各地の専門家はお嘆きです)

「感染ルートは不明」→別に驚くことではありません。

「厚生労働省は「これまで国内で医師の感染例は聞いたことがない」としている」
→この発言にはぎょぎょっとおどろくばかりです。

「同病院は、研修医と接触したと思われる患者や看護師らに予防的にタミフル投与を開始した。院内感染の兆候はないが、拡大した場合は研修医の勤務している病棟を閉鎖する方針という。」

げげ。

「勤務している病棟」を、ではなくて、院内で症例が集積している病棟を、、の間違いでしょう。きっと記者の誤解でしょう・・・。

閉鎖する前にやるべきことはいろいろありますが。

これとは別に大流行期に学校や保育園が閉鎖されて、勤務できる職員が少なくなったらケアを集約するためにいくつか病棟を閉鎖するという話もあります。


医師が新型インフル感染=さいたま市立病院(6月23日 時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090623-00000008-jij-soci
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2 コメント

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「牟田口コピペ・インフル編」 (都筑てんが)
2009-06-23 17:25:32
「諸君、担当医は、院長命に背き患者の診察を放棄した。受け入れ態勢がないから医療は出来んと言って患者の診察を勝手に断りよった。これが病院か。病院は受け入れ態勢がなくても受け入れをしなければならないのだ。検査キットがない、やれタミフルがない、リレンザがないなどは診察を放棄する理由にならぬ。

(中略)

担当医には応召義務があるということを忘れちゃいかん。病院は公立である。市長が守って下さる…」

以下、訓示は一時間以上も続いたため、当直明け通常勤務後の残業の連続で、抵抗力の落ちている医師がウイルスに罹り、病気で抵抗力の落ちた入院患者および外来患者に伝染する事態となった。

…本当に「牟田口コピペ・インフル版」のような事が起こりましたね。

インフル患者を受け入れる設備や資材がなくて患者を受け入れられないと「診察拒否だ」とか「医師法違反だ」などと言われ。

無理をして受け入れて院内感染が起これば「院内感染」「問われる安全管理」などとマスコミや医療破壊ブロガー達に叩かれ。

本当、医療従事者の方々が可哀想です。
返信する
Unknown (編集部)
2009-06-24 07:08:41
今回気づいた問題点について、管理者だけでの会議で扱うのではなく、現場のドクターから改善したほうがよい点などをヒアリングする必要がありますね。
そのような立場にある人はぜひ配慮をお願いします。
返信する

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