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先日看護学生に緊急避妊薬が国内未承認であるという説明をしたら「コーラで洗うのはどれくらいの効果がありますか?」ときかれました。
それは母親からのアドバイス。昭和から平成へ「伝承」されているのだと知りびっくりしました。緊急避妊薬の専用薬が未承認の日本ですから仕方ないでしょうか。
実際に、コーラで洗うといいという伝説はこれまでにもいろいろな研究者がその殺精子効果の検証を試みました。
1985年にはNew England Journal of MedicineにUmpierreらが "Effect of 'Coke' on Sperm Motility."を投稿しています(November 1985、p. 1351)。
夏休みの自由研究みたいですがClassic Coke、 New Coke、 Pepsi cola、 Diet cokeを比較した研究者もいます。
(複数の人がかなり真剣にチャレンジしています!)
2008年、British Journal of Medicineに総説記事があります。
Coca-Cola douches and contraception
http://www.bmj.com/cgi/content/full/337/dec17_2/a2873
It was rumoured that the acidity of Coca-Cola killed sperm, and the classic coke bottle provided a convenient "shake and shoot" applicator.
(ボトルをシェイクしてアプリケ-ター・・・。痛そうなんですけど・・)
実験レベルでは殺精子効果もなくはないのですが、問題は膣内に射精された精子は数秒で子宮口にいってしまうので、プシュっとあけてシャカシャカ・・・シェイクしてたら間に合わないということです。先に膣内に入れておくというアイデアもありますが、こぼれて汚れ、現実的ではありません。
(フローラが泣きます)
話をもとにもどしまして、1950-60年代の検証はむなしくおわりました。
混合ホルモン剤をオフラベルで使っての緊急避妊Yuzpe(ヤツペ)法が正式に記されたのは1974年、IUDを使っての緊急避妊は1976年。
ノルレボ単剤のPlanBがFDA認可を受けたのは1999年。
2003年にはFDA Advisoryが「OTCにしよう!」と強く推奨。
その前の2002年、米国産婦人科学会(ACOG)ha定期受診の女性に前もって緊急避妊を処方しようという推奨を出しています。
米国では専用薬の「PlanB」のパテントが今月24日に切れます。
インドのシプラ社がつくったジェネリック薬は先月米国FDAの認可を受けています。
すでにネット上でも超格安で購入が可能です。
米国では2006年から18歳以上はOTCになり、CMEを終えた薬剤師のいる薬局では何歳でも医師の処方箋なしで緊急避妊が買えるようになっています。
日本では、ネットカフェで子どもがトイレに産み落とされて死亡する事故があっても、女子高校生が学校のトイレで産み落としても、なんとなくその人たちが悪いという話になりうやむやです。
エイズも中絶も選挙の話題になっていませんが。
細々と話題を続けます。
世界で認可されている緊急避妊薬一覧(プリンストン大学のWebsite)
http://ec.princeton.edu/questions/dedicated.html
(写真:ジョンコバ先生を囲む会)
それは母親からのアドバイス。昭和から平成へ「伝承」されているのだと知りびっくりしました。緊急避妊薬の専用薬が未承認の日本ですから仕方ないでしょうか。
実際に、コーラで洗うといいという伝説はこれまでにもいろいろな研究者がその殺精子効果の検証を試みました。
1985年にはNew England Journal of MedicineにUmpierreらが "Effect of 'Coke' on Sperm Motility."を投稿しています(November 1985、p. 1351)。
夏休みの自由研究みたいですがClassic Coke、 New Coke、 Pepsi cola、 Diet cokeを比較した研究者もいます。
(複数の人がかなり真剣にチャレンジしています!)
2008年、British Journal of Medicineに総説記事があります。
Coca-Cola douches and contraception
http://www.bmj.com/cgi/content/full/337/dec17_2/a2873
It was rumoured that the acidity of Coca-Cola killed sperm, and the classic coke bottle provided a convenient "shake and shoot" applicator.
(ボトルをシェイクしてアプリケ-ター・・・。痛そうなんですけど・・)
実験レベルでは殺精子効果もなくはないのですが、問題は膣内に射精された精子は数秒で子宮口にいってしまうので、プシュっとあけてシャカシャカ・・・シェイクしてたら間に合わないということです。先に膣内に入れておくというアイデアもありますが、こぼれて汚れ、現実的ではありません。
(フローラが泣きます)
話をもとにもどしまして、1950-60年代の検証はむなしくおわりました。
混合ホルモン剤をオフラベルで使っての緊急避妊Yuzpe(ヤツペ)法が正式に記されたのは1974年、IUDを使っての緊急避妊は1976年。
ノルレボ単剤のPlanBがFDA認可を受けたのは1999年。
2003年にはFDA Advisoryが「OTCにしよう!」と強く推奨。
その前の2002年、米国産婦人科学会(ACOG)ha定期受診の女性に前もって緊急避妊を処方しようという推奨を出しています。
米国では専用薬の「PlanB」のパテントが今月24日に切れます。
インドのシプラ社がつくったジェネリック薬は先月米国FDAの認可を受けています。
すでにネット上でも超格安で購入が可能です。
米国では2006年から18歳以上はOTCになり、CMEを終えた薬剤師のいる薬局では何歳でも医師の処方箋なしで緊急避妊が買えるようになっています。
日本では、ネットカフェで子どもがトイレに産み落とされて死亡する事故があっても、女子高校生が学校のトイレで産み落としても、なんとなくその人たちが悪いという話になりうやむやです。
エイズも中絶も選挙の話題になっていませんが。
細々と話題を続けます。
世界で認可されている緊急避妊薬一覧(プリンストン大学のWebsite)
http://ec.princeton.edu/questions/dedicated.html
(写真:ジョンコバ先生を囲む会)
効き目ゼロとも言い切れないけど安心とも言い切れないものですね。
望まれず生まれる人が増えてほしくないこと、人それぞれ幸せの形が違うこと、人にはそれぞれ事情があることを考えたら、産める体から産めない体にする手術や薬も必要に思えます。
望まないからつくらない、望むからつくる。どちらも自然なことですものね。
平安時代に戻ったような気分です。
まあ縄文時代(膣会射精)よりは文化な気はしますが・・・・。
寿命が延び、子どももそう簡単には死ななくなり、「少なめに産んで大切に育てよう」時代ですので、確実な避妊のための技術やサービスは重要・・・・でも日本は習う場所がないんですよね。
昨日の木曜日は産婦人科の開業医の休みが多く、今日からは臨時の休診が増えるので、緊急避妊は救急外来頼みになります。