感染症診療の原則

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「ケアの視点」の欠落

2009-05-18 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
こうなることはわかっていてやったんでしょう?と担当者に聞くべきです。

拡大休校・休園をしたために、流行をしていない地域を含めて働く親(特に母親)が困っています。

当該自治体病院の小さいこどものいる看護職や職員には7日間の休暇でしょうね(市立・県立・府立の病院)。

まず、自己責任で預ける場所を突然さがすのは困難です。

ニュースによると『市保育課は「集団感染をつくらないことが目的で、代替措置は今のところ考えていない」と説明』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090518-00000091-san-soci

ただ預けりゃいいってもんじゃないのですが、誰かがみてりゃいいんだろう?的暴言を吐くひとたちもいます(自分で育児に関わったことがないおじさんが多い)。

通常保育園や保育ママを利用する場合も“慣らし保育”をします。小さい子にだって緊張はあるし、突然知らないところや人に預けられるのはけっこうたいへんなことなんですよ。

臨時で遠いところにあずけるとなれば、電車や地下鉄に乗らなくてはならないこともあります。赤ちゃんは抱いていけるとしても曝露リスクを容認しろということでしょうか。要介護の高齢者はどうでしょう。

こうやって巻き込まれる人が増えていきます。

今後米国のように検査を減らすよう外来患者は検査しないように、というようなことでもやらないかぎり報告数は増えていきます。
増えている間は「拡大中」として閉鎖を無期限に延期するシナリオもあるのかもしれませんね。

いずれにしても感染症に必須の「ケアの視点」がなさすぎ。
一番弱い人たちのことを忘れないようにしましょう。
(マニュアル対応ってほんとうにこわい)

新型インフル:一時保育に殺到(保育園と幼稚園が休園で)
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090518/lcl0905181111000-n1.htm
働く親困惑
http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/medical/mm20090517kk01.htm
介護施設も閉鎖
http://www.sankei-kansai.com/2009/05/18/20090518-009927.php

(いつも編集長がお世話になる2名)
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