感染症診療の原則

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予防接種とホメオパシー2 親の決定権

2010-06-21 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
ホメオパシーその2です。
以前、ホメオパスの知人には、予防接種もダメだが、低用量ピルもダメだといわれました。
ダメダメダメダメなものがたくさんあるようです。正面トークはなりたちません。

また、Evidenceなんてなくてもいいの。好きでやっているの、と言う人もけっこういますので、趣味の世界だとはっきりいう人たちをとめる理由もありません(プラセボ効果しかないならなおのこと)

「風邪引いたり何か症状があっても病院にいかなくてもこれをつかえば2-3日で治るから」
「抗生物質なんかいらないよ」
(そりゃそうだろう。もともと2-3日で治るのよ)

そこだけ感染症トークが成り立ちました^^;。

問題になるのは、親がどの代替医療が好きかということよりも、親はどこまで子どもの健康に決定権があるのか?です。予防接種は時期も大切。集団もケアし、集団にケアされる側面があります(それは納得しがたい話のようですが)。

医療関係者ならば、成人になってからのほうが重症になる感染症の怖さを知っているわけですが。一般の方は想像のつかない世界、とおもったほうがよいです。ホメオパシーでは、麻疹で子どもが死んでも、その子が弱いのだという説明になるそうです。

はまる人も大勢いいますが、疑問を持つ人たちもいますので、予防接種を理解する情報や機会が足りないという意見には善処していかねばです。
日本政府は反対派の人の意見もも踏まえた啓発活動などはまだしていないのかもしれません(今のところみつけられません)。

情報がたりねーよ、といわれてもしかたない状況であることは確かだとおもいます。

Yahoo知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1236273942

子どもに予防接種をしないのは「虐待じゃないか」というオーストラリアの議論。

息子への予防接種を拒否し一家で逃亡、オーストラリア(2008年6月 AFP)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2510013/3256710

HIV感染の事実を隠して出産-子どもの感染予防の機会を与えなかった母親の事例(2006年 カナダ)
http://www.theglobeandmail.com/news/national/article838047.ece

親が決定してよいことなんでしょうか?(国や社会が決めていいのかよ、という意見もあるか)
赤ちゃんの場合はさておき、思春期になった子どもが自分で接種する、と決める場合には親の反対はどこまで有効なのか調べてみたいとおもいます。
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