感染症診療の原則

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セレウスと菌血症 と その周辺

2013-08-22 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
セレウスでのアウトブレイク?なニュースがありました。
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菌血症のモニタリング、対応の早さ、さすが がんセンターです。

患者の発熱の原因の検討の甘い施設、複数症例を見渡しての分析をする仕組みがない病院だとこういった問題は全く早期探知されません。

血液培養検査も迅速に行われているからわかったケースです。


もともと抗がん剤などで、他の人よりも感染症に弱い人ばかりがいる病院ですから、職員の意識も高いのだろうと想像します。


調査をするとセレウスがリネンやおしぼりから検出されることは珍しくはありませんが、(いないほうがいいですが)もともと滅菌レベルの清潔さが求められるものではありませんし、あるものから菌がでることと、誰かが菌血症になることは別の事象であります。

菌血症になる原因としては、血管内に菌が入り込むチャンスを考えるわけですが、採血や点滴ルート確保の時の手指が汚染されていたとか(直前に手袋手洗いが徹底されていたのか)、輸液を作る際に不潔になって混入、などがうかびます。
清潔ゾーンを作って、手指衛生のうえで準備がされていれば考えにくいことです。
こうしたニュースの際には院内の啓発につなげて再発防止につとめたいものです。

今後、菌のタイピングの結果をふまえて詳細な検討が行われるのだと思います。レポートを待ちましょう。

経営や事務方のみなさま、
外注業者の安全管理レベルを確認し契約したり評価する際には、事務方のコスト試算だけでなく、感染管理チームの目や意見をぜひとりいれてください。
あの検査をやれ、この工程を入れろと基準をあげていくとコストはかさみます。
感染管理チームが指摘する問題(放っておくと怖いことになるよ)には速やかに対処をお願いします。
(明らかな無理難題は言わないんですよ。プロですから)


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