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感染症診療の原則

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性感染症は自然に治るか?

2011-01-10 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
コメント欄でもときどきあるのですが、「性感染症は自然に治るのか?」はよくある質問です。

病気による、ともいえますし、

治った!と騒ぐ人も、そもそも確定診断されてないのに症状が消えたことを治った、といっているだけのひともいます。

自然に治った!という人も、実は呼吸器感染症で抗菌薬飲んでいたじゃん、みたいなこともあります。

自覚症状が消えても、実際には感染症が二次的問題をひきおこしているような場合もあります。

いずれにしても、「自然に治る」を説明するためには、

1)性感染症になるリスクをとった人(同じ病気)を集め、
2)ラボ診断で「その病気になった」ことを確定し、
3)治療をあえてしないで観察する
4)定期的に検査して、自然消失するかみる

ことが必要になります(倫理的な問題がひそんでいるので、研究の承認をもらうのもたいへんですが)。

そして、分母と分子をみます。
そして、「12%の人は自然に治りました」という数字が仮に出たとします。
で、私の研究ではこうだったよん、と論文を書いたりはできるかもしれません。

問題は、自分はもしかして「性感染症なんじゃ・・・・?」と不安になっている当事者にはあまり意味をもたないということです。

特に、何らかの症状があって、実際に曝露が生じている(予防なし性行為・性的接触)があるなら、積極的に検査治療を医師と検討します。

本人は性感染症と思っていたが、実はべつの病気の症状だたった、なんてこともあります。
ネット情報をみまくると情報ノイズが増えます。誰かの経験は別の人の経験を説明しません。
受診して、リアルの健康問題を確認してもらいましょう。

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