感染症診療の原則

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「MRワクチンをうってないMRは出入り禁止」

2013-03-16 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
東京はだいぶ暖かくなりました。桜の季節です。
編集長、今日は北九州におでかけです。
山口先生たちの、北九州総合診療カンファレンスです。
毎回ハードコアな症例のチャレンジがあります。

(出発前)
-編集長、北九州に風疹ウイルスをもちこまないようにお願いします。

「まもなく還暦の私に何を言う」

-知らないんですか?50代のおじさんも発症して報告されていますよ。

「え・・・・」

-妊娠可能年齢の女性の半径2mには近寄らないようにお願いします。

「え・・・・」

(無自覚オジサンのしぶきがどれくらいの距離飛ぶのか想像したくないのですが、安全のため、この会話においては2mとしました)

さて。自分に何ができるだろうとお考えの方もいらっしゃるとおもいます。

医療関係者、特に医師のコトバが大きな影響力をもつのは患者さんだけではありません。

病院に出入りしている「営業」の方たちもそうです。

皆さんの施設ではMRの出入りルールはどのようになっていますか?

アポ無し訪問禁止の病院では、よくわからない人たちがうろうろしている風景はみかけません。セキュリティ上ものぞましい管理スタイルです。

いっぽう、組織としてルールの定まっていない病院では、通りすがりの医師をつかまえなさいというかたちで(ナンパ式、流しそうめん式、と呼んでいます)、午後3時くらいからわいてでたようにたくさんのMRがあらわれます。

病院によっては外来待合室のソファーに陣取って座っていたりします。

患者さんもまだいたりするので、携帯いじったり、仲間とおしゃべりしていたり、座り方も足を前に大きく投げ出し広げていたりでたいへん見苦しいです。

通りすがりの若い医師に粗品をわたしています。
こういったことは禁止されている病院も増えています。


いえ、どこの病院とはいいませんが、たいへん有名な病院の一風景でございます。

このふらり公共スペースに現れている人を眺めると、9割が男性、20ー50代とおぼしきひとたちです。

そう。現在、風疹が大流行しているリスク層とかぶっています。
ご自宅には妊娠適齢期の女性もいるかもしれません。
社内にだっているでしょう。

果たしてこのひとたちは、病院に出入りをする医療関連職という自覚をもって、予防接種等はしっかり終わっている人たちなのでしょうか。

感染管理チームがそういったことも確認している施設が増えています。皆さんの施設はいかがですか?


風疹にかぎらず、外部からの感染症持ち込みリスクのひとつにMRさんの出入りがあります。

今日から出会うMRさんには
「風疹流行しているよ、知ってる? MRワクチンはおわっているんだろうね?もちろん2回」
と声をかけてください。

そして、営業所の所長が「なんのことでございましょう?」とあわてて電話をしてきたら、現状を説明し、事業所(流行地)や本社の人事や安全管理担当者のマターであると宣言し、早急に対応をするようにと啓発をお願いします。

それが仮にワクチンを売っているメーカーだったら。
処分の仕方はお任せいたします・・・・。


別に医療機関がお金を負担するわけではないです。

今もなお、多くの人は風疹という病気がなんだかわかっていませんし、赤ちゃんに影響が出ることも知りません。


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