感染症診療の原則

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コンドームの限界・予防ワクチン・oral sex・尿検査

2011-09-18 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
5年に一度の見直しが行われているエイズと性感染症の予防指針の会議が大詰めです。

こんなん、何につかえるんだよーという意見を時々聞きますが、国や自治体での予算や施策立案根拠となりますので、どんなことが記載されているか、は重要です。

すでに会議資料が掲載されています。(はや~い)

感染症分科会感染症部会エイズ・性感染症ワーキンググループ
9月16日配布資料

初めて見る方は「あれっ」と思われると思いますが、性感染症の感染予防指針とエイズのそれが分断されているのは日本独特の状況です。
扱う課も前者が結核感染症課、後者は疾病対策課で実は別です。

性感染症予防指針のほうの改定案、左の色マーカーがついているところをみると、何が新しいのかがわかります。

まず、オーラルセックスでの性感染の問題が明記されました。

性感染症は無症候が多いのが特徴ですが、特に咽頭のクラミジアや淋菌は症状がわかりにくいため、そのリスクについて明記された意義は大きいです。

また列記される性感染症にエイズ以外にB型肝炎が加わることもよいとおもいます。性感染することを知らない教育/行政関係の人が想像以上に多いからです。

コンドームは1次予防で重要ですが、予防の限界があることを明記し、1次予防としてのワクチンがあることがもりこまれたのは画期的(世界的にはあたりまえでしたが)な追加事項です。

犯罪被害時の対応のところに緊急避妊について加筆されたのも2011年ならではです。

クラミジアや淋菌の検査に尿検査もいいでしょう、という追記もあります。

まず保健医療関係者、そして教育関係者がこのupdateをできるかどうか。

このあとまだ検討が行われ早ければ最終的に12月に新しくなるという話です。













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