(国試には出ないかもしれないが)B型肝炎ウイルスにはAからHまでの遺伝子型があります。
北米、北西ヨーロッパ、アフリカではジェノタイプAが、BやCは日本や中国、Dは南ヨーロッパ、中東、インド、Fは中南米でもともと流行しています。
日本でも最近増加傾向にあるジェノタイプAは、成人でのキャリア化率が高いことが知られています。
(Mayerat C, J Viral Hepatol 1999)
Universal Vaccinationの行われていない日本で今後どのような流行になっていくのか。
注意が必要ですね。
“B型急性肝炎が増加傾向にあること、特にHBV/Aeが増加傾向であり、今後HBV/Aeのキャリアが増加することが危惧される”
IASR Vol.27 p 219-221:2006年9月号
「わが国におけるB型急性肝炎の現状」
今後の対策として、Universal Vaccinationが重要です。
この1年の間にまた予防接種制度が見直されるとおもいますが、そこでこのワクチンがどうなっていくのか。
現時点ではネグレクトされている状況ですので、感染症の関係者も注目していく必要があります。
ワクチンの導入が遅れている背景には、WHOの勧告を無視することに抵抗のない(しかし、HPVの公費予算根拠はWHOの推奨だそうです)国と、医療従事者だけ接種すればいいんじゃないの?という専門家の存在など、複雑な要素があるようです。
B型肝炎訴訟のメディア記事では、予防接種で感染したというストーリーになっていますが、それ以外の感染経路もあることは専門家ならば皆知っています。
九州大学の先生方が1984年に発表された、HBVキャリアのいる家族での前向き調査。
Am JEpidemiol 1984;120:617-25.
TRANSMISSION OF HEPATITIS B VIRUS AMONG SIBLINGS
37家族125人を2-13年間フォロー。
母親(+)父親(-) 15家族中、(+)の子どもは5人。
母親(-)父親(+) 8家族中、(+)の子どもは1人。
母親(+)父親(+)
母親(-)父親(-) 14家族のうち9家族の中ので2名以上のこどもが(+)
この研究から、「母子感染以外の感染ルートが存在すること」「4歳以下の子どもがキャリアになりやすいこと」が指摘されています。
2009年に横浜の先生方が発表された、
Hepatol Res. 2009 Jun;39(6):569-76. Epub 2009 Feb 24.
Source of transmission in children with chronic hepatitis B infection after the implementation of a strategy for prevention in those at high risk
では、ハイリスクの母子感染対策事業があっても生じているこどものHBVキャリア症例について、その感染経路を検討しています。
母子感染予防を行った後にHBsAg陽性となった57症例を検討。
37例(67%)は母親がHBVキャリア、20例(35%)のこどもの母親はHBV陰性でした。
この20例のうち、14例は父親がHBVキャリアで、2例はきょうだいが陽性で、父親は陰性でした。
残りの4例は同居家族にはHBVキャリアはいませんでした。
遺伝子レベルの解析の結果、父親→こどもの感染が3家庭、きょうだい→きょうだいの感染がおきていること
が1家庭で確認されました。
現時点では、B型肝炎の母子感染予防の失敗(100%は予防しきれないわけです)が、こどもがキャリア化する主たる要因であるものの、家庭内での水平感染がおきていることも事実であり、ワクチンのユニバーサル化が重要であると指摘されています。
北米、北西ヨーロッパ、アフリカではジェノタイプAが、BやCは日本や中国、Dは南ヨーロッパ、中東、インド、Fは中南米でもともと流行しています。
日本でも最近増加傾向にあるジェノタイプAは、成人でのキャリア化率が高いことが知られています。
(Mayerat C, J Viral Hepatol 1999)
Universal Vaccinationの行われていない日本で今後どのような流行になっていくのか。
注意が必要ですね。
“B型急性肝炎が増加傾向にあること、特にHBV/Aeが増加傾向であり、今後HBV/Aeのキャリアが増加することが危惧される”
IASR Vol.27 p 219-221:2006年9月号
「わが国におけるB型急性肝炎の現状」
今後の対策として、Universal Vaccinationが重要です。
この1年の間にまた予防接種制度が見直されるとおもいますが、そこでこのワクチンがどうなっていくのか。
現時点ではネグレクトされている状況ですので、感染症の関係者も注目していく必要があります。
ワクチンの導入が遅れている背景には、WHOの勧告を無視することに抵抗のない(しかし、HPVの公費予算根拠はWHOの推奨だそうです)国と、医療従事者だけ接種すればいいんじゃないの?という専門家の存在など、複雑な要素があるようです。
B型肝炎訴訟のメディア記事では、予防接種で感染したというストーリーになっていますが、それ以外の感染経路もあることは専門家ならば皆知っています。
九州大学の先生方が1984年に発表された、HBVキャリアのいる家族での前向き調査。
Am JEpidemiol 1984;120:617-25.
TRANSMISSION OF HEPATITIS B VIRUS AMONG SIBLINGS
37家族125人を2-13年間フォロー。
母親(+)父親(-) 15家族中、(+)の子どもは5人。
母親(-)父親(+) 8家族中、(+)の子どもは1人。
母親(+)父親(+)
母親(-)父親(-) 14家族のうち9家族の中ので2名以上のこどもが(+)
この研究から、「母子感染以外の感染ルートが存在すること」「4歳以下の子どもがキャリアになりやすいこと」が指摘されています。
2009年に横浜の先生方が発表された、
Hepatol Res. 2009 Jun;39(6):569-76. Epub 2009 Feb 24.
Source of transmission in children with chronic hepatitis B infection after the implementation of a strategy for prevention in those at high risk
では、ハイリスクの母子感染対策事業があっても生じているこどものHBVキャリア症例について、その感染経路を検討しています。
母子感染予防を行った後にHBsAg陽性となった57症例を検討。
37例(67%)は母親がHBVキャリア、20例(35%)のこどもの母親はHBV陰性でした。
この20例のうち、14例は父親がHBVキャリアで、2例はきょうだいが陽性で、父親は陰性でした。
残りの4例は同居家族にはHBVキャリアはいませんでした。
遺伝子レベルの解析の結果、父親→こどもの感染が3家庭、きょうだい→きょうだいの感染がおきていること
が1家庭で確認されました。
現時点では、B型肝炎の母子感染予防の失敗(100%は予防しきれないわけです)が、こどもがキャリア化する主たる要因であるものの、家庭内での水平感染がおきていることも事実であり、ワクチンのユニバーサル化が重要であると指摘されています。