感染症診療の原則

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西アフリカに人は送らない、という判断

2014-09-30 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
アフリカとの物理的な距離、歴史的な関わり、経済関係も国によって異なります。特定の国の歴史を読むとさらにそう実感します。

仮に現地でエボラウイルスに感染した場合、自国へ安全に移送することが難しいという観点から、現地に医療者を送り込む計画をしていない、というコメントを紹介するニュースです。
米国と英国に緊急搬送の相談中…

http://www.theguardian.com/world/2014/sep/29/australia-cannot-bring-health-workers-home-from-african-ebola-zones

"“The Australian government is not about to put at risk Australian health workers in the absence of credible evacuation plans that could bring our people back to Australia,” she told reporters in Melbourne.

The government is negotiating with Britain and the US on evacuations.

The opposition health spokeswoman, Catherine King, said Australia should send a team of health workers."

いや、人を送るべきだ、という意見もあわせて紹介されています。

米国CDCが、現地で支援をする人のための3日間の安全講習を公開しています。

CDC Safety Training Course for Healthcare Workers Going to West Africa in Response to the 2014 Ebola Outbreak


陰圧室でなくてもよいこと、
患者の状況に応じてPPEを選択調整できること、逆に診断されてないうたがい時点でどうするのかの整理を皆ですることは必要ですね。

感染予防の勉強をしたことがない人たちが(患者で溢れかえる急いで設営された治療センターでの国境なき医師団のPPEの写真にミスリードされて)日本の医療機関での対応について混乱したコメントもしているようです。

動きやすさも事故防止には重要なことなどを考えないといけないんですけどね…

(患者ケアシフトに入らない人たちがギャンギャンいうのは不思議な光景でありますが…)

下痢や嘔吐があるのか、ADL自立なのかオムツ交換がいるのか、状況に応じて対応を考えられるシナリオ訓練をぜひ。

予防や対応は過小になるよりはより安全を志向すべかですが。
思考停止にならないための判断軸は必要です。
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