感染症診療の原則

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死亡率が低いのは

2009-12-23 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
日本の2009H1N1流行の疫学的特徴および低い死亡率について、東北大学の神垣先生の報告がPLoS Currents: Influenzaに掲載されています。

英語で世界の人が読んだときに注目するのは、季節性インフルエンザにも日本の医師は抗ウイルス薬を出しているので・・・というあたりでしょうか・・。

Epidemiological characteristics and low case fatality rate of pandemic (H1N1) 2009 in Japan
http://knol.google.com/k/taro-kamigaki/epidemiological-characteristics-and-low/38epug6fmizmk/1?collectionId=28qm4w0q65e4w.1&position=1#

神垣先生は外科のご出身で、国立感染症研究所のFETP修了後、国際保健含め幅広くご活躍中。

フィリピンにおける狂犬病の流行状況およびその対策(2007年 IASR)

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2 コメント

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Unknown (ひろ(厚労省))
2009-12-23 12:09:23
神垣先生も最後に触れておられますが、これまでの感染が小児主体でハイリスク層に感染が拡大していないことが大きいのではないかと私は思っています。市民レベルでの感染対策をしっかりやると、ほんとに感染拡大の速度が低減するということが、今回の新型インフル対策でみえたような気がします。

手洗い、うがい、咳エチケット、マスク、解熱後の外出自粛、濃厚接触者の行動抑制、学校閉鎖、核家族、握手やキスをしない文化、抗インフル薬の早期投与、ハイリスク者への予防投与、早期受診とそれを支える医療制度、院内感染対策としての動線分離、発生当初の発熱外来と入院措置、検疫体制の強化、ワクチン・・・ 何が効果があって、何に意味がなかったか、より分ける作業が次につなげるためにも重要ですね。

なお、こうした話をしていると、おおよそウイルス学者は抗ウイルス薬の効果だと主張し、ほとんどの疫学者や行政官は公衆衛生学的介入の効果に違いないと信じ、少なからぬ免疫学者はワクチンの効果に期待して(他は時間稼ぎにすぎないと考えていて)、多くの臨床家は「いつものようにやってればよかったんだ」と思っているようです。
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語り方 (編集部)
2010-01-02 19:04:25
自画自賛か自虐的になることの多い日本のふりかえり。
インフルエンザという感染症での評価や検討のお約束事項などを今後のためにも疫学の専門家の論文等から学びたいと思っています。また共有情報を紹介させていただきます。

今後ともよろしくお願いいたします。
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