感染症診療の原則

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ZMappとタミフルと抗菌薬

2014-10-27 | 青木語録
Samaritan's Purseというキリスト教のVolunteer団体があります。国境のない医師団MSFのように医療が必要とされるところにDispatchされます。最初のエボラ患者となった医師、Brantly先生もこの団体です。

彼はエボラの極期にいた時点で使用したZMappが「効果テキメンであった・・」と、この団体のSiteにあるInterviewで語っていました。ZMappは、タバコの近縁種の葉の遺伝子へ組み込んで作られる、3種類のヒト化モノクローナル抗体を混合した抗エボラウイルス薬です。

http://www.samaritanspurse.org/article/dr-kent-brantly-speaks-to-greta-van-susteren/


多くのバイアス、交絡因子が問題になると知りつつも、編集長は臨床医なので、主治医や患者の主観的な「これが効いた」感に弱いのです。Bedsideに居た人、当事者の「効いた」感は時に非常に説得力があります。抗菌薬も、抗インフルエンザ薬も、そして抗エボラ薬も、Too earlyでもToo lateでも効果判定が難しい。なぜならToo earlyなら自力で直るし、Too lateなら何をしても亡くなるからです。臨床治験の重要のPointです。

有効な治療薬が早期に現地で入手できるよう、治験その他に拍車がかかる事を祈りつつ・・
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