感染症診療の原則

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記者会見になぜ白衣か

2009-05-16 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
また未明会見のようですが、、あれこれ批判が出ていてもなかなか基本的な指針は修正されないんですね。フェーズ4訓練で記者会見訓練を入れてしまったのが原因ですかね。
誰と誰が出るときめてしまったので、「やらねば!」となっているのかもしれません。

白衣をきた医師まで出て個人の状況をしゃべらせるに至っては、医療機関に対する不信につながりかねません。会見時になぜ白衣が必要なのでしょう。

本来はサマリーを広報担当官がしゃべればいいだけですから。

今後、今の症例定義にあてはまらない(渡航歴無し)インフル症例が地域の定点医療機関を受診し、地方衛生研究所に通常のタイピングのために検体が送付され、そこで新型がたまたまみつかる、、というパターンは大いに予想されます。

そのときにどのような対応をするかを学ぶ事例となります。

日経ネット「新型インフル、渡航歴ない男性に疑い 神戸で陽性反応」
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090515AT1G1503E15052009.html

メディアによって書いてあることが少しずつちがいます。

NHK報道のように16日に夜中の3時の時点で体調不良もない人を指定医療機関に生かせるということが今後もこのレベルでおこるとしたら医療機関はとってもたいへんですね。

個人の生活や行動への介入について明確な基準が必要ではないかと思います。

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【時系列】

11日 悪寒

12日 受診 体温37.6度 簡易キットでA リレンザ処方

13日

14日

15日 体温36度 地方衛生研究所でA/H1N1と同様の遺伝子確認
  (※読売新聞では『大阪の高校生の遺伝子パターンと違うので慎重に・・』)

16日 午後に東京の国立感染症研究所で同じ検査の結果が判明予定。
  (※NHKによると16日午前3時すぎに神戸市内の感染症の指定医療機関に入り、診察を受けている、のだそうです) 
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一般的な感染力を考えると10日起点だと7日間は16日まで、11日起点で17日まで。自宅安静&待機で問題ない人のはずですが。


日経は神戸市10代男性ですが、NHKには年齢も書いてあります。関連性は確認されていない他の学生の話も書いてあります。

NHK
http://www.nhk.or.jp/news/t10013009651000.html
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090516-OYT1T00086.htm?from=navr

周囲の会話はもう「うかつに病院にいくのはやめよう」です。

飛行機も(自分はさておき)「同じ飛行機に発熱の人がいたら(停留など)予定が狂ってチョー迷惑」。

今回は報道で高校や地域に迷惑が生じませんように。
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2 コメント

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千円高速陰謀説 (sionoiri)
2009-05-16 06:57:10
今となっては、千円高速で旅行しようと言うのは「(停留など)予定が狂ってチョー迷惑」対策ですねorz
でも、仕事人にしても生徒にしても、発熱発症者が出歩かないのが、最初の一歩なのに、4月末の横浜の事例と言い、寝屋川の先生生徒にせよ。なかなか守れない物です。やっぱり法令による同調化圧力が不足しているのでしょうか。
NZでは最高460余名まで72時間ですが自宅謹慎が行われていたようですが。
http://www.moh.govt.nz/influenza-a-h1n1
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Unknown (編集部)
2009-05-18 10:08:55
日本の場合は「お願い」ベースです。

お願いされる前は自分が「自宅待機レベルに該当する」などと考えない人も多いのではないかと思います。

カナダには他の人に感染リスクをもたらすような事例の場合警察権を使って強制隔離をすることが保健当局には可能です。
制度として市民がそれを受け入れる理由は「感染症は個々人の努力だけでは対策が整わない」と学習済みだから、ときいています。

オーストラリアや米国でも裁判所の許可を得て個人の生活や行動制限を行うシステムがあります。「相手に感染の事実を告げずに他の人と無防備の性交渉をする人」への介入がその例です。

ひるがえって症状もマイルドとわかっているインフルエンザでどこまでやるか?ですが、人々が協力をするかどうかに影響する因子はなんでしょうね・・・。
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